鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」

1956年に落語に出逢い、鑑賞歴50余年。聴けばきくほど奥深く、雑学豊かに、ネタ広がる。落語とともに歩んだ人生を振り返ると共に、子や孫達、若い世代、そして落語初心者と仰る方々に是非とも落語の魅力を伝えたいと願っている。


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 東京落語の舞台として吉原遊郭と並んでよく登場するのが隅田川流域である。地理を頭に入れて置いて鑑賞すると趣も増すであろうと、2007年の夏に、川に架かる橋を中心にして隅田川を探訪してみた。佃の渡しを振り出しに吾妻橋までの約6Kmを南から北へ(下流から上流へ)の行程であった。

 

【佃の渡し】

かつては佃島へは渡し舟が出ており、この舟の転覆を題材にした「佃祭」はここを舞台にしている。現在は佃大橋(写真)が架かっている。余談ながら、佃島を舞台にしたテレビドラマは多く、渡辺謙が主演した「わが町」(全10話)はお薦めの刑事ドラマである。

 

 

【永代橋】

 

橋を西へ行くとすぐ東京の都心で、「宮戸川」の舞台である霊岸島があり、東へ1Km行くと深川八幡祭りで有名な富岡八幡宮がある。1807年のこのお祭りの時に永代橋が落ち、多数の死者が出るという事故があった。この実話を基にした「永代橋」というややマイナーな一席がある。また、六代目古今亭今輔「もう半分」という怪談噺もこの橋の袂の居酒屋が舞台となっている(五代目古今亭志ん生は千住小塚原を舞台にしている)。

 

 この永代橋はテレビのサスペンス・ドラマにしばしば登場する。夜間に青白くライトアップされた橋は美しく、絵になる光景である。この付近の遊歩道はドラマのロケに立ち会える確率が高いスポットである。

 

【両国橋】

橋を西へ行くとすぐに旅籠が密集していた馬喰町があり、東側の川沿いには国技館がある。江戸時代に川開きの花火大会(現在の隅田川花火大会)が開催された場所で、これを題材にした「たがや」の舞台である。

 

【蔵前】

幕末の頃、蔵前通りに駕籠客を狙った、幕府の軍用金集めと称する追いはぎがここに出没したそうだ。これを題材にした「蔵前駕籠」という小品がある。

蔵前は年貢米の徴収を代行したり、その米を担保にして旗本などに金銭を貸付けた札差(ふださし)と呼ばれた商人が集まっていた地として有名である。

 

【厩橋(うまやばし)】

かつてはここに“厩の渡し”があり、「岸柳島」の舞台となっている。厩橋の袂辺りが渡し場であったのであろう。
 

 

【駒形橋】

「船徳」の主人公で俄か仕込みの船頭、徳さんが四苦八苦の末に着けた所を大桟橋といい、今の駒形橋辺りだそうだ。橋の西側はもう浅草である。

 

【吾妻橋】

落語で身投げをする場所としてよく登場する橋で、「唐茄子屋」「文七元結」「佃祭」など名作の舞台となっている。すぐ西側(写真右手方向)には浅草・雷門がある。

 

 

【向島】

浅草の対岸に位置する向島は江戸時代の頃から現在に至るまで、上野や飛鳥山と並んで花見の名所である。吾妻橋から言問橋へ掛けての満開の桜並木はさぞかし壮観であろう。一度訪れてみたい地である。

向島は名作「野ざらし」「百年目」、それにちょっと洒落た「夢の酒」、滑稽噺「ねぎまの殿様」の舞台である。

 

【浅草観音】

 観音様の境内は、“四万六千日”はもとより一年中大勢の人で賑わったようである。浅草は現在でも演芸のメッカとして名残を止めているが、往時は見世物小屋や大道芸も多く見られたようで、「仇討屋」「がまの油」などで往時の様子を偲ぶことが出来る。

 

 

こうしてまとめてみると、落語と隅田川は切っても切れない関係にあることを再認識した。「隅田川という切り口から落語を聴く」というのは一例で他にも応用できそうで、落語の楽しみ方を発見した有意義な探訪であった。ただ、橋は合理的というか実用的に架けられたものが多く、江戸情緒を期待していた私には趣が感じられなかったのが残念であった。しかし、安全性第一を考えれば止むを得ないことであろう。

 

隅田川に限らず、橋は人と人との結び付けを拡げ、生活を便利にするものである。老朽化した橋も増えてきていると思われる。一たび落下事故が起れば多くの死者も伴うであろう。行政当局の油断のないメンテナンスを願うところである。

 


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