鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」

1956年に落語に出逢い、鑑賞歴50余年。聴けばきくほど奥深く、雑学豊かに、ネタ広がる。落語とともに歩んだ人生を振り返ると共に、子や孫達、若い世代、そして落語初心者と仰る方々に是非とも落語の魅力を伝えたいと願っている。


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1957年に日活が「幕末太陽傳」という映画を製作・公開している。この映画は落語「居残り佐平次」をベースにしており、佐平次役はフランキー堺であった。他には女郎役に左幸子や南田洋子、高杉晋作になんとあの石原裕次郎が扮している。随所に落語の「品川心中」「三枚起請」「お見立て」が散りばめられており、落語の世界を幕末の志士たちが駆け抜けるという、落語ファン必見の映画である。

 

「居残り佐平次」はこんな噺である。

 ある男が「吉原通いも飽きたから今日は南へ繰り込もう。勘定は俺に任してくれ」と言って仲間3人を引き連れて品川遊廓へ上がり、その夜は芸者を挙げてドンチャン騒ぎをする。各自が部屋へ引き取る段になって男が仲間3人に言う。「実は俺は胸を患っていて医者から転地療法を勧められているんだ。それで海辺で空気のいい品川へ来たというわけだ。俺はここにしばらく逗留するから皆は明朝早々に勝手に帰ってくれ。ついては今晩の勘定として一人1両ずつ貰っておこう」と。

3人は金を出し「兄貴、これではとても足りないだろう?」と言うと「足らずは俺がなんとかするよ。で、俺のこの煙草入れを質入れして金に換え、預ったこの3両と一緒におふくろに渡してくれ。俺は当分帰れないから当座の生活費にしろと言ってね」と男は金と煙草入れを託ける。

翌朝、廓の若い衆(係員)が男を起こしに来る。「他の連中はどうした?」「へえ、早朝にお帰りになりました。お勘定をお願いします」「今は払えないんだ。今晩またあの連中が来ることになっているから俺は居続けするよ。勘定はまとめて払うよ」「わかりました」。廓は繁昌していて忙しく、若い衆も男のことは忘れ、男は風呂に入ったり酒を飲んだりしながらその夜も更けて行く。

翌朝、「昨晩、お連れの方はお見えになりませんでしたね。お勘定をお願いします」「金は無いよ。無一文だヨ」「えッ!、お客さん困りますよ。じゃあ、お連れさんの所へ行って貰ってきますから住まいを教えて下さい」「あの連中は全く知らない人達だよ。あの晩飲み屋で出くわして意気投合して廓へ繰り込んだだけの間柄だ。さて、客間にいるわけにはいかないだろうから物置き部屋へ移るよ」と男は心得顔で移って行く。

付けの代金を弁済するために男は廓で下働きを始める。数日経つと男は店や女郎、客の様子を呑み込み、客の苦情に進んで対応するようになる。機転が利き、人当たりが良いので対応は的確で、客からは好かれ、女郎達からも“居残(いの)さん、居残さん”と頼りにされるようになり、店としても重宝するようになった。

このために仕事が上がったりになった幇間連中が店の主人に苦情を言い、主人は止むなく男に「申し訳ないが出て行ってくれませんか」と通告した。男は退職金と引き換えにこれを了承し、若い衆に何事か(ささや)いて店を退去する。

若い衆が主人に注進に及ぶ。「旦那、出て行く時にあいつが囁いたことですが、あいつは方々の廓で居残りをして金を稼ぐ“居残り佐平次”と呼ばれている評判の悪ですよ。品川は初めてだったそうです」「そうかい、あいつが佐平次だったのか。居残りを商売にしているのか」「いえ、本業は一膳飯屋だそうです」「道理で一杯食わせやがった」。

 

噺の中で佐平次が「俺は胸を患っている」と言う件があるが、これは「結核に罹っている」という意味で今は死語に近い言葉であろう。結核は“業病”と呼ばれ、1943年に特効薬のストレプトマイシンが発見されるまでは不治の病であった。この噺はそんなことをも思い出させてくれる。

フランキー堺と言えば、「私は貝になりたい」というテレビドラマ(1958年)が忘れられない。理髪店主の一兵卒が戦犯に問われ、絞首刑にされるという戦争の悲惨さを描いた、テレビ史上に残る名作である。私は涙、涙、涙でこれを観た。彼はミュージシャン(ドラマー)としてスタートし、俳優に転じた人であった。森繁久彌の「社長シリーズ(19621967年)」ではヘンな日系二世をコミカルに演じ、また、1980年にテレビ放映が始まった「赤かぶ検事奮戦記」では主人公の柊検事をシリアスに好演し、幅広い演技力を披露した。彼は又、八代目桂文楽の弟子で桂文昇という落語家でもあったという。

 

 


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