#18 羽衣伝説をネタにした小品 ~「羽衣」~ | 鑑賞歴50年オトコの「落語のすゝめ」

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1956年に落語に出逢い、鑑賞歴50余年。聴けばきくほど奥深く、雑学豊かに、ネタ広がる。落語とともに歩んだ人生を振り返ると共に、子や孫達、若い世代、そして落語初心者と仰る方々に是非とも落語の魅力を伝えたいと願っている。


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2017年の「中秋の名月」は10月4日で、満月ではなく十三夜であるそうだ。「月々に 月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」と古歌に詠われているのは「中秋の名月」のことで、一年で最も美しい月だと古来より言われている。

さて、名月に因み、月→かぐや姫→天女という私なりの連想で「羽衣(はごろも)」という小品を採り上げた。別題「三保の松原」とも言う。

 

天女が風光明媚な“三保の松原(静岡県)”に舞い降り、羽衣を松の枝に掛けて景色を楽しんでいた。そこへ一人の漁師が通り掛り、羽衣を見付けて持ち帰ろうとする。

 羽衣の紛失に気が付いた天女が漁師を追いかけて「天に帰れません。返してください」と頼むが漁師は聴く耳を持たない。なおも天女が哀願すると、天女の美しさに悪心を起した漁師は「俺と一晩付き合え。そうすれば羽衣を返してやる」と言う。止む無く天女は承諾し、羽衣を体に掛けてもらって漁師の家へ同道する。その時、一陣の風が吹いて天女は空に舞い上がる。「おーい、約束が違うぞ!」と漁師が叫ぶと、雲の間から顔を出した天女が言った。「あれはそらごと(空言、つまり嘘)だよ」と。

 

羽衣伝説をネタにした噺である。広辞苑によると、“天女が水浴中に羽衣を盗まれて天に帰れず人妻となって暮らすうち、羽衣を探し出して昇天するという伝説”と書かれており、「三保の松原」以外にも全国に類似のものがあるようである。

 

【雑学】「一家(ひとつや)に 遊女も寝たり 萩と月」と芭蕉が詠んだのも今頃であったろうか。

 

 

 私にはこの時期になると決まって聴く一枚のレコードがある。曲名は男声合唱組曲「月光とピエロ」と言う。堀口大学の詩に清水脩が曲を付けたもので、グリー(無伴奏男声合唱)の代表曲の一つである。

♪泣き笑いしてわがピエロ 秋じゃ!秋じゃ!と歌うなり…月のようなる白粉の 顔が涙を流すなり…

 月の持つ哀れさとピエロの持つ哀感がマッチした、泣けてくるような素晴らしい詩に、男声合唱固有の力強く心地良いハーモニーが聴ける名曲で、学生の頃、よく唄ったものである。部屋を暗くして中秋の名月を愛でながらこの曲を聴くというのが私にとっては至福の時である。好天を祈りたい。

 


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