父のお墓があるお寺が真言宗ということもあり、ここ数年、とても興味をもって、勉強しているテーマに、弘法大師・空海があります。

 

空海がと言えば、奈良時代から平安時代への移り変わる不安定な時代に登場し、その才能は発揮した素晴らしい人。

 

とくに空海が唐から持ち帰った、「理」の世界をあらわす胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)と、「智」のあらわす金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)は、改めてその美しさを感じますね。

 

空海が若いころ、室戸の地で、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の真言を唱えていると、それにある明星が自分の方に次第に近づいてきて、口に飛び込んだという逸話がありますが、明星が虚空蔵菩薩の化身ということから、空海は、仏と一体となる体験をします。

 

その後、今から約1200年前の804年。密教を求めて、中国に旅立ちます。当時としては、世界で一番文明が発達していたという唐の都、長安に入り、そこで、仏教思想だけではく、文学、教育、などの最先端の情報と技術を日本に伝え、グローバルな視野を見についていた空海。

 

わずか3か月でサンスクリット語をマスター、満濃池(まんのういけ)では、土木工事にも彼の能力発揮される科学者としての側面も持っ、東寺を造営、高野山に修禅の道場として開くなどのスーパーマン。

 

改めて、ゼロから一を生み出す、ベンチャースピリッツに溢れたすごい方だったんだなぁと思いました。

 

そんな空海の残した言葉に

 

「重々帝網(じゅうじゅうたいもう)なるを即身と名づく」(即身成仏義)

 

「網の目の一つ一つに結び目は、他のすべての結び目につながっています。この宇宙に生きている一つ一つの生命のすべてが、他の生命に

繋がり、仏の命とつながっているのです。」

 

改めて、勉強してみて、空海のすごさを感じます。

先日99歳でお亡くなりになられた瀬戸内寂聴さん

 

最期まで、人を愛することを説き続けられてました。

 

その原点となる壮絶な人生。不倫の果てに、幼い子供と夫を捨て、恋人のもとへ、そして小説家となり、その後、得度し、傷を抱えるひとに寄り添ってきました。自由に生き、常に人を励まされていました。

 

そんな瀬戸内さんが、最後まで語り掛けていたのは、”人を愛すること”

 

「99歳まで生きていて最後に思うことは、何のため生きてきたんだろうとおもうと、それは、人を愛するために生まれてきたんだということ。愛に始まり、愛に終わる」


では、愛することとはなにか!?瀬戸内寂聴さんは、本当の愛は、相手のことを愛そうとしている自分の姿を愛するという自己愛ではなく、ほんとの愛は、見返りを求めない愛、究極の愛は、上げっぱなしの愛と言います。

 

瀬戸内寂聴さんのインタビューを聴くと、「子供が「お母さん言っては嫌って」言葉も発せられないときに、子供にむごいことをした・・・それだけが私の後悔。申し訳ないと思っている。」

 

大きな痛みを抱えていたからこそ、人の痛みに寄り添い、想いを馳せることができ、愛し続けつづけることができたのだと言います。

 

そんな、瀬戸内寂聴さんの最後の出版におけるメッセージ  随筆「その日まで」より 講談社

 

「戦争も、引揚げも、おおよその昔、一通りの苦労は人並みにしてきたが、

そんな苦労は、99年生きた果には、大したこととも思えない。

人間の苦労は究極のところ、心の中に無限に湧き続ける苦痛が、最高ではないだろうか。

生きた喜びというものもまた、身に残された資産や、受けた栄誉ではなく、

心の奥深くに一人で感得してきた、ほのかな愛の記憶だけかもしれない。

結局は、人は人を愛する、愛されるためにこの世に送り出されているということを最期に信じる。」

 

 

 

昨日、今季のアメリカン・リーグMVP(最優秀選手)にエンゼルス・大谷翔平選手(27)が満票で選出されたと発表がありました。

世界中が、このニュースに興奮しましたね!

 

打者と投手としての二刀流として活躍する大谷選手の技術的な側面はもちろんですが、彼のさらにすごいところは、人格面。

 

どんな時でも、相手の選手、審判の方も、経緯を払い、そこには、思いやりに溢れている。

 

試合中にもゴミが落ちていれば、ちゃんと披露し、ベンチで、他の選手がヒマワリの種をベンチに吐き捨てるところ、大谷選手は、ちゃんとごり箱へ。また、打者の折れたバットも放置せずに、ちゃんと相手に返しにいく。・・・かれの言動は、本当に素晴らしいと思います。

 

そんな彼の原点にあるのは、高校1年生の時に書いた9ますのマンダラチャート。

一つの目標を中心において、その8方向に目標を広げていくというもの。

 

一番の目標には、8球団からドラフト1氏名。そこから体づり、コントロール、切れ、メンタル、スピード160キロ、人間性、運、変化球。

 

 

特にすごいなと思ったのが、「運」について、そこから展開されるのは、あいさつ、道具を大切に使う、プラス思考、ゴミ拾い、応援される人間になる。部屋掃除、審判さんへの態度、本よ読む。。。

 

 

大谷選手の偉業の裏には、彼の中のフィロソフィがベースにあるんだなぁと思いました。