音楽教室で子供たちが得られる可能性について皆さんに考えていただきたいと思います。音楽はただの趣味や遊びだけではなく、子供の人格形成、社会性、創造力を育むための重要なツールとなります。音楽を通じて、子供たちは自己表現の方法を学び、自分自身の感情や考えを理解し、表現する力を身につけます。そして、何よりも大切な「自分で選択する経験」を得ることができるのです。音楽は人を幸せにするとわたしどもは信じています。
①収入や学歴だけで幸福度は上がらない
2018年2月8日から13日にかけて、神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と同志社大学経済学研究科の八木匡教授は、全国の20歳以上70歳未満の男女2万人を対象に、幸福感に関するアンケート調査を行いました。この調査は2018年2月の日本人の幸福感の最新動向を明らかにしています。
調査結果に基づいて、所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の5つの要素と幸福感の関係が分析されました。自己決定に焦点を当てると、これは個人が自分の意思で決定を下す能力を指します。
自己決定度を評価するために、中学から高校への進学、高校から大学への進学、そして初めての就職について、つまり、個人が進学する学校や就職する企業を自ら決定したかどうかについて尋ねられました。
どれほどお金があれば人は幸せになれる?
調査結果によれば、「年齢」と幸福感の関係では、若年期と高齢期に幸福感が高い傾向が見られました。一般的に、35歳から49歳頃に幸福感が低下する傾向にあります。言い換えると、幸福感が高いのは若年期から40代くらいまでが主な傾向です。
「所得」と幸福感の関係を調べると、所得が増加するにつれて幸福感も増加する傾向がありました。お金のも幸福感に関連しているようです。ただし、幸福感の増加は年収が1100万円でピークに達しました。ダニエル・カーネマンが2002年にノーベル経済学賞を受賞した際にも同様の指摘があります。年収が900万円くらいまでが幸福度の最高点に達するというのが一般的な見解です。これはみなさんにとって大きな金額でしょうか? いま、お子さんのためにレッスンを考えておられる親御さんなら、実は所得が自分の子供をそれほど幸せにしないことに気づいておられるかもしれません。
「自己決定」を育む
5つの要素のうち、幸福感に最も大きな影響を与えたのは、「健康」、次いで「人間関係」、そして「自己決定」でした。驚くべきことに、「年収」や「学歴」よりも、「自己決定」の影響が大きかったことが明らかになりました。また、「学歴」は幸福感にほとんど影響を与えないことが分かりました。
「自己決定」を行う人々は、自ら目標を設定し、そのために努力し、目標を達成することで達成感を味わいます。また、失敗しても、他人のせいにすることなく、結果に対して責任を持ち、誇りと高い自尊心を持っています。このような人々が幸福感が高いという結論が論文で示されています。
しかし、残念ながら、国連の世界幸福度報告書が指摘するところによれば、日本では「人生の選択の自由度」が低いとされています。
②音楽が人を幸せにする理由
日本の社会自体が「人生の選択の自由度」を提供していないとすれば、それを学校という教育機関に求めるのはあまり賢い選択とは言えません。やはり、学校外にそれらを求める必要が出てきます。
私どもは、子供に「自分で選んで、自分で失敗と成功を繰り返す体験」を提供したいと思っています。もちろん、音楽でなくても習い事でそれを満たせるなら、親御さんは応援すべきだと考えております。
「自己決定」、これが私たちがポピュラー音楽やジャズ、ブルースなどを教えている理由です。
「あの好きな歌手のように歌いたい」「あんな演奏がしてみたい」とテレビやSNSなどの影響で、子供心に火がつく経験を大切にすることが、幸せの第一歩と考えています。
もちろん、クラシック教育も音楽家にとって必要な素養です。クラシック音楽でも自己決定を育むことができるでしょう。ですが、子供がギターやポピュラー音楽に興味を示したら、彼らは挑戦する権利があります。
さらに、ブルースやポピュラー音楽が自己決定に良い理由としては、どれも「作曲の音楽」だからです。
若い時にポピュラー音楽をする子供さんたちは、将来的に曲を書いたり、ジャズやブルースを演奏します。
これらの音楽は、「作曲する力」を必要とする音楽です。特に、ポリュラー音楽を学ぶ歳、ブルースやジャズの音楽理論は避けて通れません。どのように音楽を組み立てるか、どのように今日を運ぶか、それらの決断を迫られているのです。
③音楽が人を賢くする理由
一般的に、音楽家は非音楽家よりも多くの点で知性的であると言われています。彼らは抽象的な論理力、数学力、読解力、語彙力、運動能力、空間能力、作業記憶などに優れています。
しかし、研究者たちはこれらの特性と音楽のトレーニングとの間の関連性をまだ確定できていません。なぜなら、音楽の個人レッスンを受ける余裕のある親は、子どもに多くの読み聞かせを提供する可能性があり、それが読解力や語彙力の向上につながる可能性があるからです。
また、もともと認識力の高い子どもが音楽のレッスンに興味を持つ可能性も考えられます。これらの因果関係を明らかにするために、過去に数回の実験が行われましたが、明確な結論は出ていません。ただし、音楽を学ぶことが脳の発達に寄与することは確かですが、それだけが音楽を学ぶ目的ではありません。
音楽講師のキャスリン・B・ハルは、「なぜ音楽を教えるのか?」という論文で、音楽に対する異なる視点を提供しています。
私たちが音楽を教える理由は次の通りです。
- 音楽を専攻してほしいからではない。
- 音楽を演奏したり歌ったりしてほしいからではない。
- 単にリラックスして楽しんでもらいたいだけではない。
その代わりに、私たちは次の理由から音楽を教えるのです。
- あなたが人間らしく生きられるように。
- あなたの美意識を育むために。
- あなたが繊細になるために。
- あなたが豊かに生きる技を身につけるために。
- 多くの愛、共感、優しさ、つまり「幸福な人生」を得るために。
生き方を学ばなければ、豊かな人生を手に入れることはできません。音楽は一生ものの贈り物となるでしょう。だからこそ、私たちは音楽を教えるのです!
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