『フォルティスラント』
ワープの魔法から解放されると、そこは、フォルティスラントのサンドル村の様だった。
サンドル村に足を踏み入れると、雷桜は異常な光景を目にした。
壮大に広がる美しき大地とは対照的に、ケンタロ族の人々は皆、痩せこけているのである。
村人たちからはピリピリとした空気を感じる。
そして少し遅れて、ガレアンたち騎士団もサンドル村に到着した。
長老のコースが出迎えにやってきた。
既に到着していたアルフィナが挨拶をする。
どうやらコースとは知り合いのようだ。
アルフィナの顔を見たことで、コースも安心したように息をついた。
雷桜が、この会話に加わるべきか悩んでいると、
グレイスが雷桜の服の袖を引っ張ってきた。
グレイスを見てみると、なにか言いたそうにしている。
グレイスは、雷桜にだけ聞こえる声で言った。
ガレアンに対して、疑惑の眼差しを向けている。
ガレアンは、アルフィナと雷桜を村に残し、騎士団を連れて、前線へと赴いた。
そして、グレイスはいつのまにか姿を消していた。
アルフィナと、コースはまだ積もる話をしているようだ。
残された雷桜は、二人の会話に加わるタイミングを待った。
コースは申し訳なさそうに言い、頭を下げた。
雷桜は、全然気にしてないことを伝えて、
むしろ自分になにか手伝えることはないかと尋ねた。
すると、コースから民の飢えを解決してほしいと、
村の外に居るサギを狩ってきてほしいと頼まれた。
雷桜は、それに二つ返事で答えた。
話を終えると、コースはまた忙しそうに働き始めた。




