遅くなりましたが、続きです。


感想の後に当日演奏直後の個人的な自分の印象(評価)もついでに書いておりますが、
実際の審査結果とはもちろん全く関係ありません。
プロの先生方が出された厳正な結果に対しての批判精神は全く持っておりません。
大会に参加された全ての団体をリスペクトしております。
ではでは。







第56回九州吹奏楽コンクール
高等学校・午後の部





13.県立長崎南 Ⅰ シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」(福島弘和)


せっかくの長崎開催でしたが、この学校も少し波に乗れてない印象を持ちました。。。タイトルにもある「鐘」をどう聴かせるか、鐘の音をより魅力的に聴かせるためには管楽器セクションがどういった音量バランスで吹くか、その精度を高めて欲しかったですね。是非今回の九州大会の経験を今後に活かして来年パワーアップした演奏を聞かせて欲しいです。


個人的印象:銅




14.県立城南 Ⅳ ダンスムーブメント(P.スパーク)


2~3小節目の木管の連譜が揃わずヒヤッとした立ち上がりでしたが、クラリネットの第一メロディは良かったです。打楽器の音量は好みが分かれる所でしょうか。自由曲はこれまた劇的に良くなっていましたね。特に弱奏部分で余分な贅肉が綺麗に削ぎ落されていてクリアーな演奏。素直で明るいサウンドにとても癒されました♪


個人的印象:銀+




15.県立都城商業 Ⅴ ウインドオーケストラのためのマインドスケープ(高昌帥)


木管セクションのソリスティックな技術は去年よりとても向上してました。そうなってくると、逆に金管のアタックが一本調子で少々雑なのが目立つ形に・・・。年々確実に上手くなっているのですが、どうしても同校の演奏は毎年その部分が気になって個人的に曲に入り込めないのです。歌い込みや曲の展開はスムーズなので、そこさえ治れば金賞に手が届くと思います。


個人的印象:銅




16.嶋田学園飯塚 Ⅳ 「幻想交響曲」より第5楽章サバト夜の夢(L.H.ベルリオーズ)


去年まではオーソドックスという印象止まりだったのですが、ようやく指揮者のカラーがサウンドに表れて来たかなと思います。それが奏者の自信にも表れて来たように思います。圧巻は自由曲。指揮者のタクトから雄大なスケールの大きい音楽が描かれていて、自由曲の演奏時間の半分以上、指揮者を見てしまいましたw1つ1つのフレーズに確かな説得力が感じられ、思わず頷いてしまう構成でした。もう代表一歩手前レベルに来てますし、この積極性が課題曲のマーチでも見られてくると代表に手が届くのではないかと思います。


個人的印象:金- 




17.県立舞鶴 Ⅳ 序曲「1812年」(P.I.チャイコフスキー)


午前の部の大分高もそうですが、この学校も去年よりレベルアップしてました。テンポ感も安定した良いマーチだったと思います。自由曲はどんなカットで来るのか非常に楽しみでしたw中盤あたりまでは雰囲気が良く出た演奏だったのですが、終盤の木管の長い連符の所で縦を気にするあまり、やや棒吹き状態になっていたのが非常に気になりました。そこが無ければ割と良い印象で終われたような・・・、ちょっと惜しかったです。


個人的印象:銀-




18.県立小倉 Ⅴ ディオニソスの祭(F.シュミット)


楽譜に忠実でいつものこの学校らしい堅実な演奏でスタート、だったのですが、テンポアップした辺りから急に中音域のピッチが不安定に・・・。楽器トラブルだったのでしょうか?その現象がディオニソスの中盤辺りまで続いたので、それがバンド全体の動揺に繋がったのか、細かいミスが連鎖発生してしまいました。ただそんな中でも、今まで緻密に作り上げてきたアンサンブルの精度の高さは色んな箇所でしっかり伝わって来ましたよ。


個人的印象:銀




19.県立松陽 Ⅱ 歌劇「マノンレスコー」より(G.プッチーニ)


昨年も感じたことですが、テンポの変わり目だったり急な場面転換だったりする場所で、考え過ぎて流れが停滞する「クセ」があるような気がします。デリケートに繋ごうと意識するあまり、無意識にブレーキを掛け過ぎてるのではないかなと思います。ですが、細かい事を除くと、この学校の流麗なサウンドは素直にとても素晴らしいと思います!!残念ながらここ最近は連続で代表を逃している同校ですが、決して今の方向性を変えたり修正したりする必要は全くないです。是非この路線を続けて欲しいと強く願います。


個人的印象:金-




20.玉名女子 Ⅳ ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~(福島弘和)


課題曲は少しセーブしてバランスをキープしようとしてるなと感じました。セーブしてても他の学校よりも迫力あって凄いですw縦やピッチのブレはほとんど無くマーチの完成度は高かったです。さて自由曲は、代表選考会の時とほとんど変わっていませんでしたね。福島作品はハーモニーバランスを取るのが非常に難しいので、全国大会までにさらに精度を高めてくれる事を期待しています。見事2年連続代表ですね。おめでとうございます!!


個人的印象:金-




21.佐賀学園 Ⅴ 歌劇「トゥーランドット」より(G.プッチーニ)


今まで聴いたⅤの中で一番私好みの解釈でしたwこの曲は割とスピーディーに突っ走った方が良いのではと思ってたので、とても感銘度の高い演奏でした。後は12分間ロングトーンが安定するためのスタミナが欲しい所ですね。より感動的な演奏に近づけると思います。


個人的印象:金-




22.県立コザ Ⅰ ピータールー序曲(M.アーノルド)


清々しいサウンドを聴かせてくれる同校ですが、今年は木管高音があまり音が伸びて来ず、籠り気味でした。自由曲は平和なシーンと軍隊のシーンとの対比をどれだけ付けれるかという曲ですが、かなり苦しいカットもあってか今一つ入り込めませんでした。金管セクションは相変わらず今年も上手で、しかも1人1人の音楽的主張がはっきりと伝わって来るので非常に見てて微笑ましいです。


個人的印象:銀+




23.県立大島 Ⅳ ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~(福島弘和)


非常にコンパクトでコントロールされた演奏で非常に好感持てます。課題曲Ⅳの地雷箇所でもしっかり各声部が聴こえるバランスの妙を追及していて理知的な演奏でした。それをしっかり本番のステージで再現出来たメンタルも素晴らしい。自由曲も同様、派手さは少々欠けるものの緊張感のある快演だったと思います。


個人的印象:金




24.福岡工業大学付属城東 Ⅰ バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より夜明け、全員の踊り(M.ラヴェル)


マーチのイントロはバシッと決まってほぼ完璧と言ってもいいぐらいだったのではないでしょうか。昨年・一昨年は力みや固さが随所に見え隠れしていましたが、今年は肩の力が抜けた良い演奏でした。Ⅰの中間部の裏打ち隊がここまで安定した演奏はなかなか出会えないと思います。打楽器のアクセントも実に効果的で上品なマーチでした。夜明けの出だしも幻想的な雰囲気が良く出ていましたし、全員の踊りのアンサンブルも大いに感心しました。ここも精華同様別格でした。


個人的印象:金+




25.鎮西学院 Ⅰ 「交響的舞曲」作品45より第3楽章(S.ラフマニノフ)


わざと個々のサウンドを分離させてましたね。このやり方だと雑然とした演奏になりがちで、実際そういう印象を持ってしまう場面も確かにありましたが、これはこれで聴く分には面白いスタイルだと思います。なかなかコンクールでやるには度胸が必要ですがw昨年に続き、大トリを華やかな演奏で締めてくれました♪


個人的印象:銀








後半の部の個人的な印象まとめ


金+ 城東 
金   大島
金- 飯塚 松陽 玉名女子 佐賀学園
銀+ 城南 コザ 
銀   小倉 鎮西学院 
銀- 舞鶴
銅   長崎南 都城商業 



課題曲の時点で精華女子と城東の2校は頭一つ抜けた完成度だったと思います。この2校は余程極端に嫌われない限り代表だと思いました。残りの1枠はほとんど差が無いですが、個人的に嘉穂かな?なんて思いながら結果発表の時はドキドキしてましたw


今年も個性溢れる演奏が沢山聴けて大満足♪

皆様お疲れ様でした。。。