●倉見山 2013年12月14日(土) 温泉付
山梨県都留市 倉見山(1,256m)
<参考コースタイム>
富士急東桂駅→(25分)天満神社→(1時間35分)鉄塔→(1時間)倉見山山頂)→(5分)見晴台ベンチ→(1時間)堂尾山公園分岐→(15分)道路出会い→(15分)富士急寿駅→(電車25分)都留市駅→(10分タクシー)芭蕉月待ちの湯→(20分)都留市駅
<参考歩行時間>4時間25分(迷い時間省く)
<参考歩数>約20,000歩
日帰り温泉:芭蕉月待ちの湯
倉見山(1,256m)は、富士急の東桂(ひがしかつら)駅、三ツ峠駅、寿駅のいずれの駅からも、バスを使わず直接山頂を目指せるのが良い。しかも山頂や途中で富士山の雄姿が眺められる。
しかしこの山は、一般にはあまり馴染みがないようで、駅から終始、一人の登山者にも出会わなかった。これまでの山行の中でも、まれなケースと言っても良い。
登山コースは当初、最もポピュラーな東桂駅~長泉院経由を予定していたのたが、車中で、同じ東桂駅から天満天神宮経由のコースがあることが分り、急きょコースを変更。(昭文社2013年版、2006年版には記載はない)
こちらの方が短時間で山頂に登れるらしい・・と。
・・・しかし結論から先に言うと、このコースはバリエーションルート(一般道とは違う困難な道)にも匹敵するほど道が不明瞭で大失敗。
駅を出て、国道に沿って右方向に歩くと、行く手に、徐々に白い富士山の肩肌が見えて、一気に期待感が高まってきた。
15分ほど舗道を歩くと173号線にぶつかり、左折するともう一つの「長泉院」の登山コースになる。
われわれ(相棒、Kさんと3人)は次の道を左折し、真っ直ぐ行くと、天満天神宮の前に出る。
さて登山道入口は? と周囲を見渡すと、石段の下に登山道と赤で書かれた案内板がある。だが矢印がない。
地図を見ると、神社の裏からそのまま直登のようだ。
薄っすらと、踏み跡のような道を探し出して登り始めると、いきなり熊の大きなフンがある。
熊のフン
すでに冬眠しているのだろうが、相棒と二人、用心にカウベルを出してザックにぶら下げた。
歩き始めこそ赤いテ―プの目印があったが、やがてそれも消え、道は全く不明瞭な枯れ枝のヤブこぎになった。
道を間違えたか、あるいはこの道が廃れてしまったのか分らないが、そのまま上を目指せば、やがては尾根にぶつかるだろうと、そのままヤブこぎを強行。
何度か踏み跡のような痕跡があったが、再びそれも消え、先に進んでは元に戻ること数回。
高度を稼ぐと、また踏み跡が現われるのだが、どうやらそれは熊の通り道のようで、アチコチに大きなフンがある。
中に鹿のフンも混じっているから、どうやら獣道に踏み込んだらしい。
神社から1時間15分ほど悪戦苦闘して、やっと頭上に尾根と合流する肩の部分が見えてきた。
左手に送電鉄塔があるから、ここで長泉院コースの尾根にぶつかったのだろう。
尾根は痩せているが、踏み跡がはっきりして歩きやすい。
柔らかな、冬の日差しを浴びて歩くのは、冬山の楽しみのひとつ。
見上げると、完璧に雲ひとつない青空が広がって心地よい。
尾根筋から左手のアカマツの樹林から、山頂に電波塔が見える三ツ峠の特徴ある山容が垣間見えている。
やがて、行く手に、こんもりと盛り上がった倉見山の姿が見えてきた。
この辺りは椎やクヌギの広葉樹の葉がすっかり落ち、明るく日差しが強いのでシャツ一枚でもポカポカ。
送電鉄塔から30分ほどアップダウンを繰り返すと、「倉見分岐」に着く。
ここが倉見集落を経て、三ツ峠駅からの登山道の合流点。
ここから、徐々に道が急坂になり、しまいに這って歩くようは急勾配になる。
倉見山の「倉」は、古来から「崖」を意味する地形用語らしいから、その名の示す通りなのだろう。
数か所ロープを伝わらないと登れない急斜面がある。積雪の季節はアイゼンなしでは通れないだろう。
12時30分、駅から歩き始めて約3時間で、やっと倉見山の山頂に着いた。
残念ながら、富士山は太陽を背にして逆光で、冠雪の富士山はくっきりとは見えず、しかも山頂付近は大きな雲に覆われている。
ここまで一人の登山者に会っていないが、山頂にも人の気配が全くない。
山頂は狭く、展望もいま一つなので、この先をもう少し行くと、富士山の方に突きだした見晴台があり、テーブルとベンチがある。
ここで、バーナーを出し、各自持参の昼食。
見晴台のベンチにて
ベンチでのんびり1時間ほど過ごして、いよいよ下山開始。
ベンチから下の方に、かなりはっきりした踏み跡があるので、目指す下山コースかと思って下り始めると、道が途切れてしまった。
またもや道を間違えてしまったようだ。かなり急坂を下ってしまったが、戻るしかない。
見晴台の道標を見ると、堂尾山公園・杓子岳の矢印がある。自分の持っている古い地図(2005年版)には堂尾山公園の記載がないので、杓子方面とは別の方向に下ったのがまずかったようだ。
気を取り直して、再出発。
しばらく杓子方面に向かって下ると、向原・寿駅方面の道標がある。
この道は、西側に向かって下るので、富士山が視界に入ってくるので下山コースとしては最適。
アカマツの向こうに富士山がデンと聳え、赤と緑と青い空のこコントラストが美しい。
始めのうちは樹木に邪魔されて、富士山が見えにくかったが、やがて伐採地に差しかかると、見事な富士山の雄姿が望めるようになる。
行く手に河口湖に通じる中央自動車道も見えてきた。
壊れかかった東屋と石像があるだけで、何の公園か分らないが、富士山の見晴らしだけは本日一番の景観と言ってよい!
陽が傾きかけてきたせいか、富士山の雪がかすかに白く見えてきた。
堂尾山公園から15分ほど下ると、舗装道路に出る。ここが寿駅からの登山口。
登山口というより下山口とい言った方が良い。
駅からこの登山口までは何の案内板もないから、寿駅からこのコースを利用するのはひと苦労。富士山を背にして上ることもあり、登山口としては勧められるコースでもない。
下山口
下山口から「寿駅」まではやはり15分。
われわれは、ここから電車に乗り、都留市駅から「芭蕉月待ちの湯」に向かい、ゆっくり温泉で冷えた身体を温めることになっている。
実は、ここで思わぬミスを犯してしまった。寿駅は無人駅なのだが、そこで大事なカメラを忘れてしまったのだ。
都留市駅で駅員に事情を説明すると、「寿駅は無人駅なので、その駅を利用する乗客からの届け出を待つしかない」という。
半ばあきらめて、都留市からタクシーに乗って、15分ほど離れた「芭蕉月待ちの湯」に直行。
当然湯上がり後は、今年最後の登山なので、ゆっくり酒を酌み交わそうと考えていたのだが・・・・なんと湯から上がって10分後に最終のバスが出るという。
この温泉にしかない「古代米のどぶろく」を楽しみにしていたのに、・・と悔しいことしきり・・・・
仕方なく気を取り直して、都留市の駅前で一杯やろうと、降車時、バスの運転手さんに聞いた店に行くと、ここでも今日に限って「貸し切り満席」の不運。
寒空の中、ようやく駅から離れた、かなりレトロな(おばあさんと息子、お客さんなし)手打ちうどん屋に入ってひとここち。
・・・えーと、できますものは?
お薦めはうどん屋さんにも関わらず、なぜか鳥のモモ焼きとか・・。
それを肴に、ビールと日本酒を何本か飲んで、締めは卵とじうどん(410円)。
なんだか忘年会とはほど遠い盛り上がりだが、これはこれで山旅の持つ貴重な経験には違いない。
本日は、出発から道に迷って?色々なことがあったが、最終的にはその日のうちにカメラは戻り、温泉で置き忘れたウエストポーチも、直ぐに届けてくれた。
果たして本日は、運が良いのか悪いのか?
一年を締めくくる登山としては、なんとも記憶に残る山旅ではある!
本日の登山歩数は約20,000歩なり。
日帰り温泉:芭蕉月待ちの湯
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