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●三頭山~笹尾根 2013年5月18日(土) 快晴 温泉付


<参考コースタイム>

 JR武蔵五日市→(バス1時間10分)都民の森→(20分)→鞘口峠→(50分)

三頭山→(1時間15分)槇寄山→(5分)西原峠→(30分)数馬峠→(1時間)数馬の湯→(バス1時間)武蔵五日市

 合計歩行時間:4時間

参考歩数:21,000歩

立寄り湯:温泉センター「数馬の湯」
山   写真 温泉 笹尾根は、奥多摩3山のひとつ三頭山(1,531m)の山塊から南東にある生藤山(990m)に向かって派生する尾根。

この長い尾根は、東京と山梨の県境をなぞるように伸び、生藤山(三国峠)でさらに神奈川県と3県に接することになる。

横浜辺りから上野原経由で、奥多摩の最深部数馬の集落まで、魚や薪を交易する生活道として活用されたらしい。


武蔵五日市駅から登山口・都民の森までは1時間10分もバスに揺られることになる。8時22分発のバスを目指して、30分前位から長蛇の列。臨時バスが3台か4台出たので、われわれもかろうじて座席にありついた。

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バスは、南秋川渓谷沿いの檜原街道をひた走り、徐々に高度を上げて行く。途中運転手さんが、「これでもアクセルを一杯に踏み込んでいるんです」とアナウンスするほど、カタツムリのような速度。

それでも、5月の鮮やかな新緑の山波に、フジの花が咲き乱れて車窓の景色を見飽きることがない。

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終点の都民の森はちょっとした観光地のような賑わいだが、山里にふさわしく、ワラビや蕗、野蒜などの山菜を売っている。
三頭山を目指すには、さまざまなアプローチがあるようだが、今日は鞘口峠からのアプローチ。
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都民の森の登山道入口

今回は久しぶりにメンバー全員(5人)がそろって、眩いばかりの若葉のアーチをくぐり、奥多摩の山を巡ることになる。

標高1,000mほどの緩やかな尾根が続き、ブナやナラ、クヌギなどの豊富な樹林に恵まれて、若葉の季節には最適なハイキングコース。

遊歩道を10分ほど歩くと、本格的な急峻な山道になり、20分ほどで鞘口峠に着。途中、分岐に「ブナ道」などの標識がやたら出てくるが、これは軽ハイカー向けの散策コースだろう。
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山道にかなりの数のミツバツツジや山ツツジの花木があるが、残念ながら花期にはまだ少し早いようだ。満開の時期にまた訪れたくなってくる。

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われわれが歩いている「都民の森」は、秩父多摩国立公園内にあり、天然林は4割という。多くが杉、ヒノキだが、ブナ林が多く、樹種も豊富。

それらが一斉に芽吹く、この季節の新緑には圧倒されるばかり。とくに色濃く染まった青空とのコントラストが凄まじい。

透き通るような鳥の声が、樹間にこだまする音響も良い。

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急坂を30分ほどあえぎ、しばらく緩やかな道を辿ると、いくつもの分岐に出る。

西峰と中央峰の分岐のところで先行組を見失っていたが、中央峰からなぜか先行組が降りてきた。どこかの分岐で異なった道を選んだようだ。



三頭山は、名前の通り三つの頭(山頂)からなり、最高峰が1531mの中央峰だが、ここでは眺望は得られない。眺めが良いのが西峰(1527m)になる。それぞれ山頂間は、わずか5分もかからない距離

一応3峰を登って、西峰で昼食を摂ることにした。

山   写真 温泉 西峰の山頂

西峰の山頂は大勢のハイカーで賑わっているが、思いもかけないことに、青葉の向こうに秀麗富士山が霞の上にポッカリ浮かんでいる。

富士山が見えるとは知ってはいたが、この季節これほどハッキリと見えるとは予想外。山   写真 温泉  

蕪村の句に、「富士ひとつ うづみ残して 若葉かな」というのがある。

その意味は、「辺り一面、見渡す限り若葉にうずめられている中に、まだ雪が残る富士山だけがうずめ残され、ポッカリ顔を出している」のだそうだ。

まさに山頂から見た、この景色を詠んだような句。
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本日の食後のデザートは、フルーツや甘いもので、かなりカラフルで充実。まるで”女子会のハイキング”のようで・・、ちょっとひるむ思いだが・・。

K君持参のジャンボシュークリームとアメリカ土産の「See'sチョコレートが圧巻」・・と言っておこう!
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山   写真 温泉  山   写真 温泉  

山頂から、いよいよ本日のメインコースの笹尾根を歩くことになる。

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山頂下に立派な建物の避難小屋があり、そこにもかなりの登山者がいる。トイレがあるので、ここで昼食を摂るのも良い。

山   写真 温泉 避難小屋
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途中で本日初めてミツバツツジの花を見た。

やはり1000mを越える奥多摩の山だけあって、下界や丹沢辺りの山よりは1週間ほど花期が遅いようだ
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笹尾根というくらいだから、緩やかな尾根歩きがずっと続くと思っていたら、案外な急な下りやアップダウンがある。

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道々、下草や低木を注意深く見ていると、かろうじて小さな蕾を付けた草や木がある。名前が分らなかったので後で調べてみると、小さなユリの葉の草は、「チゴユリ」。稚児(ちご)というようにわずか数センチの花をつけるようだ。

反対に大きな葉の真ん中に小さな蕾があるのは、「白花エンレイソウ」。



総じて花が少ない時期だが、高さ20mほどの大木に白い花をたくさんつけた樹木を見た。遠目には分らなかったが、写真を拡大してみると、どうも「ウワズミサクラ(上溝桜)」のようだ。ブラシのような花弁で桜のように見えないが、桜の仲間の原種。
山   写真 温泉 上溝桜

山頂から1時間30分ほどで槇寄山(まきよせ・1188m)山頂に着。

尾根歩きとはいえ、ほとんどが樹林の中で視界は効かないが、相変わらず緑林の淡い光のシャワーが心地よい。
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槇寄山直下の西原(さいはら)峠は、右に下りると山梨の上野原に至る郷原の分岐になる。郷原から上野原駅までのバス便もある。

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この分岐から20分ほど歩くと、わずかに富士山が見える場所がある。

ずっと樹林の中を歩いているので、一服の清涼剤。山   写真 温泉  

ここからまだまだ笹尾根は続くが、道が少し痩せてきたようだ。
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次の数馬峠までの間に地図に破線すらない田和(タワ)バス亭に下る分岐がある。道が付いているが最近はほとんど使われていないようだ。

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田和の分岐

この分岐から15分ほど歩くと、突然右側の樹林が伐採されて、明るい展望の効く場所に出た。

からだに沁みわたるような、やさしい景色にしばし見惚れるひととき。
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西原峠から数馬峠までは30分の距離。



笹尾根はさらに続くが、われわれはここを左折して仲の平に下る。そこから10分ほど離れた温泉センター「数馬の湯」に浸かることになっている。

かなりの急坂だが、途中ふかふかの枯葉で道が埋まって心地よい。山   写真 温泉 
今回の山行は、バス便が少ないので綿密な行程表を作っておいたのだが、ここまでは所要時間通りにこなしている

ところが、数馬峠から仲の平までの時間は、1時間10分を予定していたのだが、実際には30分も早く15時20分には数馬の湯に着いた。
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16:56分発のバス便には十分時間がある。

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麓に近いせいか、ツツジや満開のフジが楽しめた。

このフジが温泉の向かいの山に連なっていて、恐らく露天風呂から眺められるはず。

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本日は気温も高く、山頂ではTシャツ一枚で寒さも全く感じないほど。

・・ということは湯上がりの冷えたビールで、喉が締め付けられるよう。

一気にジョッキを平らげて、コンニャクの刺身で缶チュウハイをば・・・!



春と夏の狭間の、もっとも心地よい季節に乾杯(ビール=⌒▽⌒=)


本日の登山歩数は約21,000歩なり。
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日帰り温泉:温泉センター数馬の湯

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