『字幕スーパー』
京劇などと同じに、2行の文章を表示できる電光掲示板でした。舞台両脇に2本。
やはり京劇と同じに、かなり大ざっぱな訳ですが。
殆どマイムでお話の展開は理解る演出なので、あまり気にしなくていいようです。
ウォーカー夫人(トミーのお母さま)が苛立ちをつのらせていく歌詞の訳。
ずっと「イライラ イライラ イライラ イライラ」ですませているのがアイタタかと。
『レ・ミセラブル』の最初・囚人が引かれてくるシーンのように、
舞台手前に1枚透明の幕がおりておりまして。
序盤はこの幕に、いろいろな映像(瓦礫や戦争など)を映しながらお話が進みます。
詩的で綺麗なシーンですが、前の方だとちょっと観辛いかも。
(2列めのお席だったのですが、少し後ろのお席からの方が観易かったような気がいたします。)
前半50分・後半50分。
かなりシンプル仕立てでした。
あらすじっぽいというか...。
情緒的な部分をあまり織り込まないというか。
・・ケン・ラッセル版(映画)がべっとりと書き込み過ぎなのかもしれませんが。(笑)
エグいシーンも省略。
いとこのケヴィンによる虐待もかわいいというか、「ちょっとしたイジメ」程度。
ウォーカーさん(トミーのお父さま)が「間男」を撃ってしまう事件も。
・・何も目と耳と心を閉ざしてしまう程?
いよいよクライマックス。
ラッセル版ではトミーの信奉者らによる「暴動&ウォーカー夫妻の殺害事件」だったのが。
ただの「喧嘩別れ」。
クライマックス・・・盛り上がってません。
気が抜けます。
・・・。
演出は綺麗だし、曲は圧倒的だし、歌は素晴らしいし、役者さんは上手いし。
その辺りはとても気持ち良くて楽しくて嬉しいし大好きですけれど。
観ていてとても幸せなのですけれど。
お話としてのインパクトというかヴォリューム。
・・・軽過ぎっす。薄いっす。
うーーーん。
クオリティは高いと思う分余計に。
微妙。
コレがブロードウェイ魂ちゅうモンでしょうか?
STORY
第2次世界大戦が終わった日に生まれたトミー。しかし父親のウォーカー大佐は戦地から戻らなかった。悲しみに暮れる母親ノラはやがてフランクと知り合い、互いに愛し合うようになる。3人は一緒に暮らすようになるが、奇跡的に一命を取り留めていたウォーカー大佐がある日突然帰宅した!予想もしていなかった状況に逆上したウォーカー大佐はその場でフランクを殺してしまう。その一部始終を目撃しショックを受けた幼いトミーに、ウォーカーとノラは記憶を封じるように強要。トミーは精神に深い傷を負い、視覚・聴覚・言語を失ってしまう。治療に手を尽くす母親。しかし全く効果は上がらず周囲からのイジメなどに遭う中、ひょんなことからピンボールの才能に気付き、誰にも負けない奇跡的なテクニックでトミーは若者の支持を受けヒーロー扱いされてゆく。母親が手を尽くした治療の結果、トミーは遂に視覚・聴覚・言語を取り戻すのだが…
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