紛らわしいタイトルをつけましたが、その意味するところは、
「児童手当を廃止して、児童にかかる教育、医療を無料にする」という政策です。
教育は、高校まで義務教育にし、教材費、給食費、修学旅行費に至る全てを無料化する。今の日本社会では、「せめて高校は卒業しないと社会に受け入れられない」という暗黙のコンセンサスがあるように思います。だったら、義務教育は高校までにすべきです。経済的理由で高校に行けない子供がいるとなるとそれは著しく不公平です。
医療は、無保険の子供もいるようですから、そういった子供でも無料で医療を受けられるようにする。
この政策を実行できれば、少なくても経済的理由から子供を作るのを躊躇している人にとっては、子供を作りやすい環境となるのではないでしょうか。逆に言えば、国が本気で少子化対策に取り組むのであれば、これくらいしなければ効果はないと思います。民主党が主張する児童手当の増額など焼け石に水です。
さて、ここからは真面目人間的視点です。
そもそも児童手当は、親の懐に入ります。そのお金が子供のために使われるかどうかは親の良心にかかっているわけです。しかし、残念ながら今の日本では、親の務めを果たすことのできない人間がたくさんいます。
何食わぬ顔をして、学費や給食費を支払わなかったり、子供の健康保険料を滞納する親たちがいます。そこまでいかなくても、子供に罪はないということを逆手にとって、権利だけを主張する者がたくさんいます。そして、マスコミは時として意図的かそうでないかは別としてそういう人間を擁護しています。
この政策の効果を3つ挙げます。
第一は、子供の保護です。子供は親を選べない。どうしようもない親の元に生まれても、最低限の教育と医療は保障されます。
第二は、学校や病院の保護です。学校や病院もボランティアではありません。当然支払うべきものは支払ってもらわなければならない。しかし、学校や病院が学費や医療費の未払いを理由にサービスを拒否したらどうなるでしょうか。マスコミによる徹底的な批判に晒されます。この政策により、学校や病院はこのような理不尽な批判から免れ、本来の業務に集中できるようになります。
第三は、これがもっとも大事ですが、モラルハザードの防止です。学費や給食費、医療費を払わなくても、払ってる人と同様のサービスが受けられるのであれば、真面目に何とかやりくりして支払っている人間が馬鹿らしくなります。みんなが馬鹿らしくなれば支払う人がいなくなります。そうなれば国の財政の破綻です。
第三の問題は、この問題に限らずあらゆる場面で最近見られるようになっています。日本の将来にとって、最も憂慮すべき問題の一つであると思います。