(「この子の名前は・・・」からの続き)

 

 工場に到着し、妻に電話をした後シャワーを浴び、食堂にやって来た白楽雲。今晩は通訳と二人きりです。と思いきや、香港人の仲良のビルがやって来ました。

 

 「新年快楽(シンヌェンクワイラ)」(新年おめでとう)と挨拶を交わし、「何でいるの」と聞くと、「アナタ、クルカラ、チョトハヤク、キマシタ」。

 

 ビルは片言の日本語をしゃべる様になっています。「ワタシ、ハナビ、カテキタカラ、アトデ、ヤリマスカ」(何でお前まで片言なんだプンプン)、「イイネ、ヤリマス、ヤリマス」。

 

 ゲロマズ中華を肴にビールで乾杯。ほろ酔い気分で日本の事務所にやってくると、ビルは二箱の花火を見て、「Oh~、スゴイデスネ」というと、箱の中をチェック。

 

 「Oh~、これはデンジャラスデスネ」というと、缶ジュース程の大きさの花火を取り出し、「Oh~、Dangerous」と呟いています。「ウェイシエンマ(何で)」と聞くと納得です。

 

 通称「炸弾(爆弾)」。これを乗用車の下に入れて爆発させると乗用車が浮き上がる程の威力があるのです。中国ではこんな危険な花火でも簡単に手に入ってしまいます。

 

 ちょっと知識があれば爆弾なんて簡単に造れます。今、中国の大都市では爆竹の使用が規制されていますが、テロ対策の一環なんですね。

 

 でも、汎く一般的になっていますので、規制し過ぎると反感を持たれかねないジレンマがあるのです。爆竹や花火は魔よけとして古くからある風習ですから。

 

 黒色火薬とは言え、大きな筒に入れて火を点ければかなりの破壊力が得られます。さぁ~、中国政府はどうやって対処するのでしょうか。高みの見物ですね。

 

 ビルが、中国人スタッフと私達(私・ビル・全君)の連合軍に分かれて花火戦争をしようと言い出し、全会一致(3人しかいねーだろプンプン)。女性の皆さん、男って本当にガキでしょ。

 

 ビルが観賞用の花火と戦闘用の花火を分け、戦闘用の3分の1程を全君(通訳)に持たせて守衛室に持って行かせました。3分の1と言ってもかなりの量です。

 

 私とビルは3分の2を持って窓の外に陣取ります。日本の事務所は工場事務所の玄関の真上です。車寄せの屋根に陣取った訳です。高台からの攻撃と成ります。

 

 対する守衛室はその真南に位置し、直線道路の突き当りです。距離にして40メートル位でしょうか。当然我々よりも低い位置にあります。火力もこちらの方が有利です。

 

 道路の左側(東側)は風水に配慮したガラスの塀、右側(西側)は事務所から連なる倉庫が守衛室の10m手前まで延びています。この空間が主戦場となるのです。

 

 当然、遊びの花火戦争です。中国人スタッフも合図がまだかまだかとウキウキしています。片田舎で娯楽が少ないですし、未だ春節気分が抜けてないですからね。
 

 全君が戻ると、ビルがペットボトルに差したロケット花火を上空に向けて発射。

 

 その炸裂する音を合図に、守衛室に立て籠もる中国人スタッフとの戦闘の火蓋が切って落とされました。さて勝敗は如何に(そんなの如何でも良いわいプンプン)。

 

 私としては、会社への鬱憤もありましたが、これから生まれてくる我が子の邪気を払う行事でもあったのです(嘘つけ、ただ遊びたかっただけだろムキー)。

 

 それからね、私は今回の赴任中に、どうしてもやり遂げる課題を胸にやって来たのです。私と私の家族の幸福を、何が何でも手に入れる為に・・・。

 

(つづく) 

 

 

 

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白楽雲

 

 

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