(「人間の性行動と癌」からの続き)
ところで、人間と他の哺乳類の動物との外見上の大きな違いは何でしょう。4足歩行か2足歩行かの違いの他にです。
他の動物達から見たら、人間は体毛が無い奇妙な生物に見えるでしょう。哺乳類で体毛が無いのは人間・クジラ・イルカくらいではないでしょうか。
人間が体毛を失った理由は諸説ありますので定かではありませんが、結果的に以下の様な2つの利点があります。
①.体毛の代わりに汗腺が発達し、全身がラジエターの役割を果たし、行動範囲が拡大した事です。人間の先祖はアフリカ中部(赤道直下)の森林での樹上生活を止め、草原での生活を余儀なくされました。
真夏に防寒着を着て炎天下を歩きまわる様なものですよね。服は脱ぎ捨てたくなるでしょう。だから原始の人間は女も男も生まれたままの姿で生活していたのです(良からぬ事想像しない)。
森林に比べて草原での食糧調達は難儀でした。行動範囲を広げる事により人類は生き残る事が出来たのです。また、この行動力が、世界中に人類が拡散する原動力にもなりました。
②.全身の皮膚でビタミンDを効率よく生成出来る様に成った事です。皮膚でコレステロールの一種が紫外線によってビタミンDに変化するのです。
ビタミンDは腸内でカルシウムの吸収を助ける他、免疫細胞を活性化させる事が解っています。最近では直接的に癌細胞の増殖を抑える働きがある事が報告されてもいます。
ビタミンDは他にも各臓器で重要な役割を果たしており、ビタミンDが欠乏すると、さまざまな病気の要因になる事も解って来ています。
例えば、カルシウムの吸収が阻害され、クル病・骨軟化症・骨粗鬆症などの骨の病気、動脈硬化・心疾患・脳卒中・高血圧・末梢動脈疾患などの血管障害、他にも、結核・歯周病・多発性硬化症・冬季鬱病・1型糖尿病など。
冬にインフルエンザが流行する要因の一つでもあります。ここだけの話ですけど、勃起不全もあるでよ。男性は御用心。
こうして、ビタミンDを効率よく手に入れる事になった人類は、急速に増殖する人癌細胞に打ち勝つ為の免疫システムを手に入れたのです。
しかし紫外線に晒された皮膚はどうなるのでしょう。
チンパンジーの顔や手足は黒いですよね。メラニン色素が黒くしているのです。メラニン色素は紫外線を吸収し、皮膚へのダメージを抑えてくれます。
人間の祖先はチンパンジーとの共通祖先と別れる前に、その肌にメラノサイト(色素を細胞)を既に手に入れていたのです。体毛を失った代わりに全身の皮膚を黒く変色させる事で紫外線から皮膚を守ったのです。
こうして、人類がアフリカ中部一帯で哺乳類最強の機能を手に入れたと言えるのです。でもあくまでも、アフリカ中部での話です。
その後進化を続けた人類は生息範囲を広げ、多種多様に分化し、時には争い、時には交わりながら、その生活範囲を更に広げて行ったのです。
その中から私たち現生人類の祖であるホモ・サピエンスが登場し、アフリカ一帯を席巻する事になりましたが、その一部は、アフリカを出たものの北緯35度線を超える事が出来ませんでした。
何故でしょう。そして、我々の祖先ホモ・サピエンスはどうやって世界進出を果たしたのでしょうか。
(つづく)
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