左右のペダルの間隔(Qファクター)やクリート位置、シューズなどの足のフィッティングはパワーを効率良く伝えるために大切な部分です。

Qファクターや足回りの調整はサドルの高さのように簡単に調整できる所ではないし、少し複雑なのでどうしたらいいか分からなかったり後回しにしてしまいがちですが、足(脚)の痛みが慢性化するようであれば先に見直したほうが良いでしょう。



1.Qファクター(ペダルの間隔)



<Qファクターについて>


Qファクター(ペダルの間隔)は股関節の幅に関係します。

股関節の幅に対してQファクター(ペダルの間隔)が合っていないと、ふとももやひざした、脚が斜めにまたはひねるようにペダリングする動きになります。

 例えば下の図の真ん中の脚のように、股関節の幅に対してQファクターが狭すぎると、股関節を内股に閉じるようにしてペダルを押し下げたり、外から中心へペダルを押し下げてしまう脚の動きになります。
ペダルの幅に合わせて体の補正が働くということですね。補正のために体やバイクを左右に振る場合もあります。




図の左のようにまっすぐな脚は大きな力に耐えられますが、右のように斜めになっていると脚は大きな力に耐えられません。
この状態で力をかけると力はロスしますし、関節や筋肉に余計な負担がかかります。

立ち漕ぎでペダルに体重を乗せたり登りで大きい力をかけると痛くなる、脚の内側外側、足の裏、足首が痛い…などなど。Qファクターが合っていない場合はとにかく脚の関節や筋肉の負担が増えます。

脚に力がかかることを想定して、太もも~膝下~足がまっすぐになるようにポジションを調整することがQファクターや足のフィッティングの肝になります。




<Qファクターを決める方法>



 ロードバイクに乗る姿勢は、前傾姿勢で脚を上下させるので、太ももが一番上まで上がる体に近い所(クランク上死点付近:11半~1時半前後)はとても回転やパワーロスを起こしやすいポイントです。

姿勢やポジションを変えたら、この上死点あたりが回しにくい(ケイデンスが落ちる)、または力をかけにくいように感じたことは経験があると思いますが、この太ももが上がる個所はアプローチからパワー入れ始めの箇所なのでぺダリングにとって肝心な所なのです。




ポジションが合わず、股関節(左右の膝の間隔)が閉じすぎ(内転) or 開きすぎ(外転)、または太ももが内外にねじれているような状態(内旋・外旋)になっていると、太ももがスムーズに上がらなくなるのでロスが生じます。

なので、太ももが上に上がりやすい「左右の膝の間隔」と左右のペダルの間隔を合わせればQファクターは決まります。

ですが、クリート位置やシューズ、インソールなどの足のフィッティングが悪いと膝の位置が左右にぶれてしまうので、そうならないように
Qファクターだけでなく膝から下のフィッテングも合わせて行うことが重要です。





2.足回り(外反足・内反足)



外反足・内反足の脚の動き>


足のフィッティングでよくある(と思う)のが足首の外反・内反です。

外反足は足に体重が乗るとかかとが内側に倒れて親指側に力がかかりやすく、体重がかかっていない時は足の裏が内側を向いている足です。

内反足は足に体重が乗るとかかとが外側に倒れて小指側に力がかかりやすく、体重がかかっていない時は足の裏が外側を向いている足です。




外反足や内反足の場合、足首が倒れた形、または、親指側/小指側が浮いた(親指側/小指側の圧力が高い)形、足首を真っ直ぐにするため膝が内側に入った形/外側に出た形でぺダリングしてしまいます。

これもQファクターと同じようにペダルを押す力が逃げて、足や足首の負担は多くなります。

外反足や内反足でペダルに足の裏をきちんと付けて力を入れようとすると、上の図の点線のような足になり、膝の位置が内外にぶれる原因になります。

内反・外反足の場合も同じく、体重や力がかかっても大丈夫なようにセッティングすることが大事です。




外反足・内反足のフィッティング方法>


外反足・内反足の場合、改善方法の順序は次のようになると思います。


Lv.1 サイズが合ったシューズを履く、ベルクロを締めて履く


シューズが大きいと、力を入れた時に足やかかとが動いたり傾いてしまうので、サイズのフィッティングは重要です。
左右で足の大きさが違って片足が緩いような場合は、かかとをホールドしやすいようにつま先にスポンジなどの詰め物をすると良いでしょう。



Lv.2 土踏まずを支えるインソールを入れる


シューズの中で土踏まずが浮いていると、力を入れた時に土踏まずが潰れるように足が変形するので、脚の中心(足首)にかかるパワーをペダルに十分伝える事ができなくなります。
なので、足の裏とシューズの底に隙間が空かないような、土踏まずを入れた足裏全体で足の裏を支えられるインソールにすると良いでしょう。




力をかける時に足は変形するので、シューズやインソールフィットが悪いと、せっかくの硬いソールが活かせません。

既製品のインソールがそのまま合うとは限らないので、インソールに布や古くなったインソールを切って貼ったりして色々試してみると良いと思います。
インソールの土踏まず部分が高すぎても痛みが出るので、この部分は結構シビアです。



Lv.3 ソールに角度を付ける


下の図のように内側(または外側)が高くなるように角度を付けて矯正する方法です。

スペシャライズドやDMTのように最初からシューズの底に角度が付いているもの、クリートとソールの間に挟んで角度を付けるもの、シューズの中に敷いて角度を付けるものなど種類は色々あります。

既製品を買う前に、普通のシューズでクリートに薄いプラスチック板などをかませて角度を付けるとどうなるか試してみると良いでしょう。
インソールの下に足が斜めになるように何かを入れても良いです。

足の底に角度を付ける場合は、足先だけに角度を付けたほうが良い場合と、かかとだけまたは全体に角度を付けたほうが良い場合があるので注意です。
また、片方の足にクリートウェッジなどを多く入れた場合は高さが左右で違ってしまうので、左右で高さを合わせることも重要です。



(BIKEFITより引用)



角度を付ける前には、Lv.1とLv.2(シューズとソールのフィット)がちゃんとしていることが前提なので先に見直しましょう。

力を入れて脚を上下している時に膝が左右にブレない角度が適正になると思います。



<その他>


・ペダルの間隔の基準になるのは太もも(股関節)の間隔。
・その間隔を保ったまま膝下がまっすぐ上下できるように足回り(クリートなど)のフィッティングをする。

ということが基本になると思います。


ちなみにシマノのペダルの間隔はロードクランク147.5mm+ペダル(52mm+52mm)=251.5mm+クリート調整幅です。
(できれば自分のバイクで実測してみましょう)

あおむけに寝てみてその間隔で膝が体に近づけやすいかどうかチェックしてみましょう。
広くしたほうが太ももが上がる(体に近づく)ならQファクターを広くしたほうが良いかもしれません。