其の十九 『浅草 “水口ソナタ”』
〜古典派のソナタ形式に基づいて〜

《提示部 A》

浅草六区の“水口食堂”は前作の舞台、
いや三軒豚の作品のときにも🎶

その時に紹介したのが
看板メニューの“いり豚”🐷

神谷の常連さんで
アナウンサーの先生Yさんより🎤

当店をご指南いただいた際に
早速紹介していただき🙇

“水口”びいきの芸能人も
テレビでオススメする📺

そんなメニュー🍽

しかし来店重ねる中で、
個人的に越えた魅力を💡

だったらと...

江戸時代の俳人、
与謝蕪村の句を下地にして🤔

川柳捻ってみる🤗

“菜の花や 月は東に 日は西に”

1774年(安永3)に蕪村が
六甲山地の摩耶山を訪れた際の一句🌼

名句につき、こそばゆいが、
自分の好みがうまく伝わればと😉

“イチオシや 巷いり豚 オレ漬焼”

漬焼とは“まぐろの漬焼”という
メニューのことである🐟

漬けまぐろを焼いたアイディアが
なんとも光っている💡

添えの大根おろしと合わせるのが
なかなかオツである😋

《展開部 B》

“水口”に何度となく通う中で、
朝イチの常連さんの顔も何人か👨‍🦰👨‍🦳

必ず大テーブルでやり、
自分の位置に座るようだ☺️

最初の酒が
決まっていて🍺

肴は酒が届いたときに
伝えたりして🙋‍♂️

そんな常連さんの話が
届きやすい大テーブル🗣

そこに自分も、
端っこでお邪魔したり🙂

そしたらある時、
耳寄りが...

両親とさして変わらぬ世代、
そんな印象の常連さん👨‍🦳

子どもの頃はまだ江戸川の土手に
よもぎが自生していたとか🌿

近所で摘んだよもぎを使い、
柴又では名物の草団子を🍡

知らない時代の話は
耳に心地よく👍

ふと気づいてみれば、
“とらや”のもうけの仕組みを💴

聞いたようなもんで✌️

ならばと、
石川啄木の名句を捻って🧐

なんて思いついた次第🕺

“ふるさとの 訛りなつかし 停車場の
人ごみの中に そを聞きにゆく”

耳寄りを得た上で、
捻った歌はこんな風に💁‍♂️

“ふるさとの 商いひさし 門前の
居ながらにして なりたちを知る”


賑わいの中で自然と
耳学問が進む酒場🎓

“水口”の魅力新たな気分は
なかなか一興である✨

《再現部 A'》

はしご酒を楽しむ趣向が
多種あるのは浅草の魅力🪜

しかしながら、
“水口”でやってそこで〆る🍙

上手く〆になるメニューも
探してみたい👀

候補はミートソース・ナポリタン、
チキンライス或いはエビピラフ☺️

渉っていくと、
浮かび上がるのは...

“自家製ミートソース”🍝

〆にちょうどいい量、
くたくた茹でのパスタ👨‍🍳

ペスト菌が猛威をふるった
中世ヨーロッパ🇪🇺

当時のパスタ料理も、
くたくた茹でだったとか🇮🇹

それも衛生による、
自衛手段だったのだろう💉

食べていると、
ふと懐かしさを覚える🎞

思い出すのは
小学生のころ👦

給食の人気メニューだった
ソフト麺のこと🥰

記憶の箪笥の引き出しから、
あの味わいが出てくるよう🤤

水口で〆る時は
ミートソースが良かろう💪

定まったところで
また川柳ひと捻り✍️

“水口麺 思い出灯る 蛍〆”

約100種あるという
メニューの品々😃

そして賑わいの心地よさ、
その時々の風景など🤣

まだまだ魅力には
尽きないものがあろう😍

長年の常連さんの前では
極々ひよっこに過ぎないが🐣

覚えた味わいの中で
ソナタをひとつやってみた🎼

下町酒場の魅力が
少しでも伝わればと🌞

 

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文責・蜩晏 拝