僕は誰なのか・・・?


僕と仔猫が出会って
まだほんの数時間しか経ってなくて
ご飯も寝る所も・・・
どうしようかって考えてたのに



ユノさんと僕と仔猫が出会って


名前も、仕事も、眠れる場所も
一瞬にして…出来た。



ホッとしたせいかな…

《 ぐぅぅぅ… 》って
僕のお腹がなって、
全身の血が一気に顔に集中して
熱くなっていくのが分かった。



照れ臭くて、つい笑ってしまった僕に


「 ミヌくんさ…笑うと可愛いんだな… 」


ユノさん…今…なんて言った?


「・・・え?」


聞き返す僕に


「 ん?・・・あっ!あぁぁ ごめんごめん、男だから可愛いはないか…はは…ほんと何言ってんだ俺……はは………あっ!! 」


ユノさん…慌て過ぎだけど、すぐに何かを思い出したみたいで



「そうだ!昨日君たちと会う前に、ママが作ってくれたホットサンドがあったの忘れてた。」


ちょっとはぐらかされたような…


「えっ? ママ、、、ですか??」



「あぁ~えっと、俺が世話になってるスナックのママが作ったやつね(笑)」


スナックのママか… 
ユノさんはいろんな人と関わりを
持ってるみたいだ。


「 そうなんですか、、、。」


「そうそう(笑)ミヌくん運ぶので頭ん中いっぱいで、、ははっ、今思い出したよ(笑)」



{607D280B-01A0-424F-9432-9A7C23F57655:01}






小さなテーブルの上に、強く握りしめた跡がある紙袋が置かれてた。


この人… 本当に忘れてたんだ。



ユノさんが紙袋を開けようとしてる隣で


《 みぃ~みぃ~… 》


仔猫がユノさんの足元にすり寄った。


ほんの少し水を入れた小さな器を持ったまま



「んぁ?  ちょ、ちょと待て!今なんか探すから、、、うわっ!」


ユノさんが床に置こうとした腕にめがけて
今度は頭を擦ってきたから、器の水が弾けて
床に散らばった。


《 みぃ~~ 》


丸い瞳で、ユノさんを見てる子猫を見ながら


クスッ…(笑)」


つい笑ってしまう僕がいた。



**** つづく ****