こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第294話のテーマは 

『「重厚長大型」からの脱却』です。 


(ビジネスモデル=月曜・金曜の平日投稿) 

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ライバル企業は同じ母体だった   

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<丸紅>と<伊藤忠商事>の創業が 

1858年に伊藤忠兵衛が 


行商を開始したことに遡ることは 

ご存知の方も多いと思います。 


1914年12月に<紅忠>が 

<伊藤忠合名会社>に改組されました。 


1918年12月に<伊藤忠合名会社>を 

<伊藤忠商店>と<伊藤忠商事>に分割。 


1921年3月に 

<伊藤忠商店>と<伊藤長兵衛商店>が 

合併して<丸紅商店>としました。 


戦時中に<伊藤忠商事>と合併して 

<大建産業>になりましたが 


1949年12月に 

戦後の財閥解体により再び<丸紅>と 

<伊藤忠商事>は分割されました。 


したがって 

<丸紅>の会社設立の年月日は 

1949年12月になっています。 


ちなみに<丸紅>の社名は 

創業者である伊藤忠兵衛氏が 


「紅は高貴な色である」としたことから 

◯の中に紅という文字を入れた印を 


マークとして使用していたことに 

由来しているようです。 


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<丸紅>のビジネスモデル 

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2017年3月に 

<川崎重工業><日立製作所>と共同で 

2006年から鉄道システムなどを手掛けた 


台湾の桃園国際空港と台北などを結ぶ 

都市鉄道が10年以上かけて開業しました。 


同じく3月に 

<みずほフィナンシャルグループ>と 

東南アジア諸国連合地域(ASEAN)で 


電子マネーを活用した 

決済ビジネスに参入すると発表しました。 


ASEANでは 

銀行口座を持たない人がいますが 

スマホを使う決済手段が普及しています。


ASEANでノウハウを培い 

アジアや日本での事業展開を目指します。 


2017年4月に 

オランダの欧州最大級の販売会社である 


<オルファ・インターナショナル>の 

株式60%を取得しました。 


拡大が続いている「添加剤」の 

世界市場を開拓する狙いです。 


これは 

おいしい鶏や豚肉を食べたい 

消費者の需要に応えるため 


 穀物に混ぜて栄養価を高める 

「飼料添加剤」の販売に本格参入して 


5年後の売上高を 

現在の2倍に増やすという計画です。 


2017年5月に発表された 

「2017年3月期」の連結決算は 

純利益が前期比2.5倍でした。  


買収した米国の穀物集荷会社である 

<ガビロン>が増益で 


◉情報関連事業 

◉生活産業事業 

◉輸送機事業 

◉エネルギー・金属事業 


なども増益になりました。 


 <丸紅>の電力部門は決算における 

純利益の約4分の1を稼いでいます。 


2017年3月末時点での発電能力は 

総合商社では首位で 


中国電力を上回る発電能力を持つため 

「丸紅電力」との異名を持つほどです。 


宮田裕久電力本部長は 

現在の純利益である370億円に対し 

「500億円を目指す」と述べています。 


同じく5月に 

<丸紅>の国分文也社長は 

ポルトガル関連の投資残高を 


現在の2倍に増やす方針を 

記者の取材に対して述べています。 


強みを持つ電力や水ビジネスのほかに 

内需関連の事業にも取り組み 


その運営のノウハウを 

他の国にも活用していく考えです。 


「ポルトガル企業と組むことで 

外資系企業ではアクセスしにくい 


投資機会にも恵まれる可能性が出てきた」 

と国分社長は述べています。 


2017年6月の報道では 

アラブ首長国連邦のアブダビ首長国で 

大規模太陽光発電事業に着手しました。 


100万キロワットを超える巨大な出力と 

1キロワット時あたり 

2円台の発電コストという安さです。 


この「スワイハン太陽光発電事業」 

の稼働は2019年4月の予定です。 


2017年7月には 

<ゼネラル・エレクトリック>と共同で 

インドネシアで火力発電所の建設を受注。 


インドネシアは経済成長により

電力需要が伸びているため 


2019年までに相当量の供給ができる 

発電所を新設する計画を公表しています。 


同じく7月に 

福井県で木質チップを燃料に使う 

バイオマス発電所を稼働させました。 


発電所に強みを持つ<丸紅>ですが 

バイオマス発電所は初の取り組みです。 


経済産業省は太陽光や風力よりも 

発電量が安定しやすいバイオマス発電所の 

増設を企業に促しています。 


バイオマス発電所向けに燃料の輸入量を 

2021年3月期に2017年3月期の 

10倍に増やす計画です。 


2017年9月に 

山口県で<東京センチュリー>等と組んで 


バイオマスと石炭を混ぜて燃料に使う 

発電所を建設すると発表しました。 


2018年8月に 

<丸紅>は<日立造船>や 

<NEDO>と共同で開発した 


浮体式洋上風力発電システムの 

実証機を北九州市で公開しました。 


洋上風力で先行する欧州では 

海底に風車を設置する着床式が主流で 


海上に風車を浮かべて 

発電する浮体式の実例はまだ少ないため 


浮体式の先端技術を組み込むことで 

洋上風力でリードするチャンスを狙います。 


国分文也社長は自社の「電力事業」を 

「電力ウーバー」と呼んでいます。 


電力需給をきめ細かく予測して 

マッチングする電力ビジネスが 


<ウーバー>のビジネスに似ている 

という理由からです。 


資源や機械取引などの「重厚長大型」から 

人工知能やIoTなどの 

「少ない資産型」への転換を考えています。 


今年4月にデジタル・イノベーション部を 

発足させて人工知能やIoTなどの 

全社での活用に取り組んでいます。 


国分文也社長は<丸紅>での 

新たなビジネスモデルの構築に 

取り組み始めています。 


(*次回投稿=8月20日月曜です) 

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【経営の無料相談2時間:連絡先】 

ブランド経営コンサルタント:渡邉ひとし 

E-mail:rabbit@ogaki-tv.ne.jp 

TEL:052-766-6988 

Mobile:080-4806-1553 

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今日の事例で何を学べるでしょうか? 

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「重厚長大」の企業は…… 

従来と同じビジネスモデルでは 

これから生き残ることが難しくなる。 

新技術の導入や 

縦組織の情報を全社で共有するなどの 

新たな発想の転換が求められている。 

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『ビジネスモデル虎の巻』を出版します! 

経営者の方が自社のビジネスモデルを 

チェックできる本になっています。 

(*ブログ=平日の毎日投稿しています) 

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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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経営コンサルタント(ブランド経営)

(社)ビジネスモデルイノベーション協会 

   公認ジュニアコンサルタント 

愛知産業大学 非常勤講師 

中部大学 非常勤講師 

株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

日経新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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