こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第254話のテーマは 

『海外事業の拡大を目指す』です。 


(ブログ=月水金の平日投稿です) 

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あまり一般的に知られていない企業 

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実父が旧国鉄(日本国有鉄道)に 

勤務していた関係だと思いますが 

<日本通運>は割と身近な存在でした。 


いつもJR駅の近くに<日本通運>の 

黄色いトラックやコンテナが見えました。 


1937年に 

国策の戦時経済統制で全国の通運業者を 

統合して国営企業になりました。 


1950年に 

「日本通運株式会社法」を廃止する法律で 

民間企業として再出発しています。 


現在は宅配事業から撤退したようですが 

「日通のペリカン便」がありました。 


「日通旅行」もあったそうですが 

あまり記憶に残っていません。 


そういった意味では比較的 

一般に知られていない企業ため 

B2Bの企業と言えると思います。 


大型品輸送や美術品輸送などの 

特殊な輸送のイメージもあり 


官公庁や美術館など公的機関などとの

 関係も強いように思えます。 


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<日本通運>のビジネスモデル 

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2016年10月に 

<日本通運><JTB> 

<三越伊勢丹ホールディングス>は 


訪日外国人旅行客の誘致を目的とした 

<ファン ジャパン コミュニケーションズ> 

を共同出資会社として設立しました。 


これに<日本航空>が業務提携して 

コンテンツ情報を提供する場としての 


メディアプラットフォームである 

「ファン! ジャパン」を立ち上げました。


Facebookファン数333万人 

ウェブ会員数33万人という 


日本紹介サイトとしては 

アジア地域ナンバーワンの情報サイトです。 


2016年8月に 

中国のインターネット通販最大手である 

<アリババ集団>と提携しました。 


中国の「独身の日」の11月11日には 

国内のネット通販業者が受注した商品を 

航空便で輸出しています。 


2015年11月11日の試験段階では 

航空貨物だけでしたが 


2016年11月11日には 

大量の購入が見込めるセール品などを 


海上貨物として事前に中国に運び込み 

在庫として保管していました。 


その上で航空貨物として 

約1万6000件を取り扱いました。 


<日本通運>はこのような越境ECの 

需要増加に大きな期待を寄せています。 


越境ECとは、<アリババ>のような 

国境を超えた電子商取引のことです。 


2016年12月に 

再生医療向けの凍結細胞を海外から日本に 

国際輸送する事業を始めました。 


温度が上下すると細胞が傷むため 

センサーなどで常時監視して輸送します。 


日本で再生医療製品の製造・販売の 

承認手続きが簡素化されたため 


日本で治験を希望する海外の企業が増え 

安定した国際輸送が求められていました。 


2017年1月には 

インドで貨物列車の定期運行を始めるため 


日本政府のインド向け経済協力の一環で 

国土交通省からの委託を受けて 


デリー~バンガロール(約2200km)で 

貨物鉄道利用促進の実証実験を行いました。 


インドでは経済発展のため貨物輸送量が 

年率15%程度のペースで増えています。 


今後はムンバイ、コルカタなどの大都市を 

貨物専用鉄道で結ぶ計画の受注を狙います。 


同じ1月に 

東京ドーム3個分の床面積という 

自社最大の物流拠点を江東区に完成。 


貨物鉄道駅や東京港、羽田空港が 

この物流拠点の近くにあるため 


陸運・海運・空運のすべてを輸送する 

唯一の運送会社にとっては最適地です。 


さらに同年1月より 

ドローン(小型無人機)を活用した 


倉庫の商品在庫を確認する棚卸し業務の 

実証実験を欧州の倉庫で開始しました。 


海外で約400拠点の倉庫を 

運営していますが現在は

人の目視などで在庫を確認しています。 


バーコードを読み取る方法や 

ICタグを読み取る方法を実験します。 


2017年5月に 

ケニアの首都ナイロビに 

アフリカ初の支店を設けました。 


社員が現地に常駐してケニア産のバラを 

日本に輸出する業務を請け負います。 


日本政府は官民合わせて3年間で 

約3兆3000億円を投資すると表明。 


アフリカへの投資の拡大で成長が見込める 

輸送の需要を取り込む狙いです。 


同じく5月には 

すべての取引先に値上げを 

要請する方針を表明しました。 


運転手の人手不足により 

配送を外部に委託する費用が増えたため 


数十万社の取引先へコストに見合った 

運賃を転嫁することを決めました。 


2018年度までの3年間で 

3000億円の設備投資を計画しています。 


東京、名古屋、大阪の各地域にある 

複数の中小型倉庫を大型倉庫に再編します。 


大型倉庫に集約することで 

人員の調整と作業効率の向上を目指します。 


<カザフスタン鉄道>と提携して 

中国沿海部と欧州を結ぶ 

貨物の鉄道輸送サービスに乗り出します。 


日本から海上輸送した貨物を 

鉄道に積み替え欧州に運ぶことができます。 


中国の広域経済圏構想である 

「一帯一路」の追い風を受けて 


中央アジアを横断する貨物輸送サービスの 

商機としての需要を見込みます。 


今年3月に 

イタリアのアパレル物流会社である 

<トラコンフ>を買収すると発表しました。 


2013年に 

イタリアのアパレル物流会社である 

<フランコ・ヴァーゴ>を買収しましたが 


両者は国際物流手配を手がけているため 

相乗効果を狙います。 


同じく3月に 

中国の港湾最大手のグループ子会社である 

<上港集団物流公司>と提携しました。 


中国全土に輸送網を広げて 

現地の顧客の開拓を目指します。 


このように 

日本での物流量が頭打ちの傾向にあるため 

アジアなどの海外事業を強化しています。 


斎藤充社長は 

「国内の収入は想定よりもかなり厳しい」 

と指摘していて 


「進出していない国などに 

積極投資をしていきたい」と語っています。 


M&Aなどによる海外事業の拡大で 

成長を目指すビジネスモデルを描きます。 


(次回ブログ=4月11日水曜投稿です) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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国内需要が頭打ちの企業は…… 

海外の拠点を増やし 

効率の良いネットワークを構築し 


海外の有望な企業を M&Aなどで取得することで 

海外事業の拡大を目指す必要がある。 


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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

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中部大学 非常勤講師 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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