こんにちは。
渡邉ひとしです。
第243話のテーマは
『安定した収益の事業』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
—————————————————————
ツーカーセルラーの携帯電話
—————————————————————
ガラケーと呼ばれている携帯電話が
世の中に出回りはじめた頃に
<ツーカーセルラー>の仕事を
担当していたこともあり
当時、使用していた携帯電話は
<ツーカーセルラー>でした。
1998年に
<ツーカーセルラー>が
<DDI(第二電電)>に株式譲渡され
2000年に
<DDI>が<IDO><KDD>と合併して
<KDDI>となりましたが
やがて
2005年に<ツーカーセルラー>は
<KDDI>の完全子会社になりました。
<DDI(第二電電)>は<京セラ>が
<セコム>など25社の出資により
1984年に設立した会社です。
—————————————————————
<京セラ>のビジネスモデル
—————————————————————
1959年に
稲盛和夫氏が<京都セラミック>を創業。
1972年7月に
京都市山科区に本社を移転して
1982年10月 に
<京セラ>に社名を変更しています。
2016年9月には
蓄電能力を世界最高にした
積層セラミックコンデンサーを開発しました。
このことによりスマホに搭載する
コンデンサーの個数を減らすことで
スマホを薄型にしたり
新たな機能を増やしたり
バッテリーを置く場所を広げたりできます。
スマホ1台あたりでは約700個の
コンデンサーが搭載されています。
2016年11月に
600カ所以上に無線基地局を設けて
IoT向けの全国的な専用通信網を
2018年の今春までに
構築することを発表しています。
これはおもにIoT事業者向けの
サービスの提供になりますが
水道やガスの使用量集計などを
ネット経由で監視するなどの
サービスの提供を想定しています。
2016年12月には
イギリスの事務機販売会社である
<アノデータ>を買収しました。
オフィスのネットワークの整備や
保守、クラウドサービスも手掛けているため
2015年11月に買収した
ドイツの文書管理ソフト開発会社である
<サイオニック>のソフトと
<アノデータ>のオフィス向けサービスを
<京セラ>の複合機製造に一体化させて
包括的なサービスを提供することが狙いです。
<京セラ>の複合機製造の母体は
2000年に買収した<三田工業>ですが
今回の買収による包括的なサービスにより
売上高を1000億円程度引き上げる狙いです。
2017年3月期は
純利益は前期比5%減の1038億円で
売上高は4%減の1兆4227億円でした。
為替が円高に振れて海外の収益が下がり
スマホ市場の成長鈍化で電子部品事業が苦戦し
太陽光発電事業の不振が影響しました。
しかし
2018年3月期は前期比15%増になる
見通しだと2017年10月に発表しました。
自動車の電装化を追い風に車載向けの
ディスプレーやカメラ部品の販売が増え
半導体の生産工程で使うセラミック部品も
需要が好調なことが要因になっています。
2020年度までに連結売上高を2兆円に
営業利益を2000億円以上にしたいと
<京セラ>の谷本秀夫社長は
2017年5月の取材に答えています。
そのため
車載や電子部品の新事業を強化して
合併や買収などで実現させる方針です。
2017年6月
独自開発した端末を通信会社に提案していた
従来のスマホの開発に対して
初期の商品企画段階から
通信大手と連携する体制に切り替えました。
通信会社からの耐衝撃や耐水性といった
使い勝手の要望を取り入れて
独自性の高い性能向上を目指します。
同じ6月に
アメリカの工具メーカーである
<SENCOホールディングス>の買収を発表。
住宅の壁紙などを貼るのに使う
くぎ打ち機の製造販売が主力です。
2011年7月に
デンマークの超硬工具メーカーである
<ユニメルコグループ>を買収して
2016年3月に
アメリカのソリッド工具メーカーである
<SGS Tool Company>を買収
2017年9月に
<リョービ>の電動工具事業を
買収すると発表するなど
工具事業で買収を進めていますが
買収による事業領域の拡大を狙っています。
2017年7月から
都市ガスを使って電気と給湯器の熱を生み出す
燃料電池システム事業に参入しました。
熱に強いセラミックを使うことで
発電効率を競合する機種より2割高い
業界最高水準に引き上げます。
さらに
電気とガスを併用するシステムに比べて最大で
30%程度エネルギーコストを削減できます。
小規模の飲食店や医院、福祉施設向けで
家庭用などにも拡充することを目指します。
2017年4~6月期の連結決算は
純利益が前期比2倍になり過去最高益でした。
産業・自動車用や半導体関連の部品に加え
スマホの高機能化のため
電子デバイスの販売が好調でした。
2017年8月には
法人向けに文書管理システムを開発販売する
アメリカの<データバンク>を買収しました。
これは<データバンク>のシステムと
複合機を連携させることで
文書を電子化する需要を取り込む狙いです。
2015年に
ドイツのECMソフト会社を買収。
2016年に
イギリスの事務機器販社を買収するなど
IT分野の強化を急いでいます。
<京セラ>の小集団で採算を管理する
「アメーバ経営」は有名ですが
市場規模が縮小する事業領域での
「アメーバ経営」は効果が出にくいため
将来の成長市場へあらたに進出して
相応のシェア(占有率)を早急に
確保する必要があります。
<京セラ>の主力事業である
電子部品事業は収益の変動が大きいため
安定的な収益を稼ぐ収益の柱が
必要不可欠になっています。
その結果として
成長性の高いビジネスモデルが
描けることになります。
(次回ブログ=14日水曜に投稿します)
—————————————————————
このことから何を学べるでしょうか?
—————————————————————
市場が浮き沈みの大きい事業は……
その主力事業以外に
比較的安定した収益を得られる
2本目、3本目の事業を
あらたに育てる必要がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◉Ameba:http://ameblo.jp/rabbit-g
◉Facebook:
https://www.facebook.com/rabbit.hitoshi
◉Facebook頁:
https://www.facebook.com/hitoshi.business.model
================================
【ビジネスモデル9項目】
◉理想のお客様◉協力者◉主要活動
◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル
◉提供する価値◉コスト◉経営資源
================================
【経営の3原則】
ミッション:会社の目的
ビジョン :会社の目標
バリュー :会社の行動指針
================================
【ビジネスモデル進化論】
強い者が生き残るのではない
賢い者が生き残るのではない
進化した者だけが生き残る
================================
【ビジネスモデル活用法】
現象をみるのではなく
本質をみることで
なすべきことが理解できる
================================
【ビジネスモデル発想法】
今日という日は
未来のスタート地点である
—————————————————————
経営コンサルタント(経営12ステップ)
ビジネスモデルイノベーション協会
公認ジュニアコンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
—————————————————————
〔投稿内容〕
投稿文の数字及び企業名などは
新聞などの公開情報に基づいた
記述に徹しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~