こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第240話のテーマは 

『次の中期経営計画』です。 


(ブログ=月水金の平日投稿です) 

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キャタピラーの動きに興味 

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一度、運転してみたいクルマ?があります。 

それは大型のブルドーザーです。 


数年前に農業の仕事に関わっていたときに 

目の前で大型ブルドーザーが動くのを見て 

やはり運転してみたいと思いました。 


子供のころに見た映画(洋画)は 

西部劇と戦争物ばかりでしたが 


その戦争映画のなかで 

戦車の走り回るシーン(映像)…… 


とくにキャタピラーの動きに 

とても興味を持った記憶があります。 


ひょっとすると、そのころの気持ちが 

まだ少し残っているのかもしれません。 


キャタピラーなどで動く油圧ショベルを 

主力としている会社は<日立建機>です。 


1970年10月に 

<日立建設機械製造>と<日立建機>が 

合併して現在の<日立建機>が設立しました。 


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<日立建機>のビジネスモデル 

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2016年10月に 

ICT(情報通信技術)を使った 

建設機械の体験拠点になる 


『日立建機ICTデモサイト』を 

主力の常陸那珂工場の敷地内に開設しました。 


半自動で掘削作業を進められる油圧ショベルや 

ドローンによる測量などを体験できる拠点で 

運用費も含め5年間で2億円を投資します。 


この体験拠点は建設機械の拠点として 

国内で最大規模になります。 


同じ10月には 

中大型の油圧ショベルの生産を手がける 


中国の合肥工場にある第2工場を 

2017年3月に閉鎖すると発表。 


中国の市場拡大にあわせて増産を見込み 

2011年に新設しましたが 


その後の中国の市場悪化を受けて 

第2工場は稼働前から休眠状態でした。 


それ以外にも北米やアジアでの 

資源関連の投資が低迷したため 


2016年4~9月期連結決算は 

純利益が前年同期比67%減になりました。 


2016年12月には 

鉱山機械などの部品サービスを手がける 

米国の<H―Eパーツ>を買収しました。 


アメリカやオーストラリアの市場を中心に 

ダンプトラックや油圧ショベルなどの 


鉱山向け機械で保守や修理といった 

アフターサービスを手がけています。 


これは 

鉱山機械の需要回復が遅れているため 

建設機械の販売ではなく 


建設機械の部品やアフターサービスで 

収益力の回復を目指しています。 


いわゆるモノからコトに事業基盤を 

シフトさせて安定した収益を狙います。 


さらに 

いままで<日立建機>は 

アジアやアフリカに強かったため 


手薄だった北米や豪州での市場で 

あらたな顧客の獲得を目指しています。 


2017年4月に 

オーストラリアの鋳造部品メーカーである 

<ブラッドケン>を子会社化しました。 


鉱山機械向け消耗部品のなかで 

世界トップ3に入るメーカーであり 


オーストラリア(豪州)では 

5割近いシェアを持っています。 


鉱山機械向け消耗品部品に強みを持つ 

<ブラッドケン>を買収することで 


豪州の消耗品部品の供給体制を強化して 

鉱山機械の需要の掘り起こしを狙います。 


2017年6月に 

ハイブリッド油圧ショベルの 

新型を発表しました。 


<豊田自動織機>と共同開発した 

ハイブリッドエンジンを採用しています。 


薄型・高出力にすることができたため 

排気量は5.2ℓから3ℓに小型化できました。 


<日立オートモティブシステムズ>と 

共同開発したリチウムイオンバッテリーは 

従来機の20倍の蓄電容量になりました。 


3社でシステム全体をまとめあげた新型は 

年間に300台ほどの販売を見込んでいます。 


2017年4〜6月期の連結決算は 

最終損益が95億円の黒字でした。 


2008年以来9年ぶりの高水準でしたが 

中国でのインフラ投資が活発になり 

油圧ショベル販売が伸びています。 


中国の売上高は2.2倍の265億円で 

鉱山機械向けの部品販売も増えています。 


さらに 

2017年4~9月期の連結決算は 


純利益が前年同期比11.3倍で 

同期としては過去最高を記録しました。 


中国で建設機械の需要が回復したことと 

買収した鉱山機械向けのサービス関連2社が 

利益に貢献しています。 


ここで活気に沸く中国市場に迫る勢いの 

インド市場が急速に注目されています。 


2014年に 

インドでモディ首相が登場したことにより 


道路や鉄道などのインフラ整備が加速して 

土木工事の急増が見込めるためです。 


モディ首相は許認可のスピードアップと 

外資の呼び込みを掲げていて 


次々に社会資本の整備計画を打ち出し 

現地の建設機械の市場が急拡大しています。 


<日立建機>にとっても好機ですが 

競合も激しくなることは間違いありません。 


このように世界の市場の活況により 

<日立建機>の売上は堅調ですが 


 一方で<日立建機>は 

数年前から構造改革に取り組んできました。 


2016年3月期に 

約500人の早期退職を実施しました。 


2017年3月期には 

中国の1つの工場を売却したほか 


不採算だった小型ダンプトラックの 

販売を取りやめました。 


<日立建機>の平野耕太郎社長は 

2020年3月期までの中期経営計画で 

『サービス会社化』を掲げました。 


従来の<日立建機>の事業であった 

建設機械や鉱山機械の製造・販売から 


部品供給や維持補修などの 

サービス関連事業の拡大に軸足を置きます。 


つまり 

建設機械の新車購入から手放すまでの 

長期間にわたって顧客と接点を持つという 


バリューチェーン(価値の連鎖)を 

これからの事業とするということです。 


新車販売の市場が年間約9兆円なのに対して 

アフターサービス関連の市場は 

18兆円近くあります。 


しかも アフターサービスは

新車販売に比べて利益率が高いのです。 


建設機械業界は<キャタピラー>と 

<コマツ>が2大メーカーです。 


第3位グループには 

<日立建機>のほかに…… 


◉テレックス(米国) 

◉ボルボ(スウェーデン) 

◉斗山(韓国) 


などがひしめきあっています。 


この3位グループから抜け出して 

単独3位を<日立建機>は狙っています。 


そのためには売上の拡大とともに 

売上高営業利益率を高める必要があります。 


第3位グループから抜け出すための施策が 

◉新車販売 

◉アフターサービス 


この2本柱だけで達成できるのか? 

それとも新たな収益の柱を育てるのか? 


その答え(解決策)によって 

今後のビジネスモデルが変わってきます。 


この問いの答えが 

2021年以降の中期経営計画に 

盛り込まれていることを期待します。 


(次回ブログ=7日水曜に投稿します) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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上位の企業を追いかける場合は…… 

売上だけが伸びても上位の企業を 

キャッチアップすることはできない。 


利益率が低い状態では 

キャッチアップするための 

次の投資ができないから。 


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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

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ビジネスモデルイノベーション協会 

 公認ジュニアコンサルタント 

愛知産業大学 非常勤講師 

中部大学 非常勤講師 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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