こんにちは。
渡邉ひとしです。
第237話のテーマは
『海外のファンを増やす』です。
(ブログ=月水金の平日に投稿します)
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あまり身近ではなかったカップラーメン
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サラリーマン時代は長かったですが
およそカップラーメンを食べることは
滅多にありませんでした。
お客様と外食をするときや
同僚たちと外食するとき
もしくは
仕事のタイミングと昼の時間が合わなくて
午後2時過ぎに食べるときでも
カップラーメンを食べることはなく
外食をすることがほとんどでした。
ところが独立してからは
周囲に外食のお店がそれほど無いので
週に1回程度はカップラーメンを
食べるようになりました。
食品スーパーなどで自分で購入しようと
即席麺コーナーに行くと
その棚に並んでいる即席麺の多さに驚きます。
最近では生麺や焼豚、メンマなどを購入して
自分で作ることもありますが
お湯を注いで3分待つという
カップラーメンの手軽さは
昼食の時間が取れない人にとっては
救世主なのだろうと思います。
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<日清食品>のビジネスモデル
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その便利な即席カップ麺は
<日清食品>の安藤百福氏が生み出した
「チキンラーメン」が世界初になりますが
今年10月にスタートする
NHKの連続テレビ小説で
安藤百福氏と妻の仁子さんの半生が
モデルとなって放映される予定です。
きっと
「チキンラーメン」が誕生するまでの
ストーリーを見ることができると思います。
1958年に
「チキンラーメン」が発売されているので
今年でちょうど60周年を迎えます。
ときどき食べる即席カップ麺というのは
海鮮味の「シーフードヌードル」ですが
中国や東南アジアなどでは
統一したパッケージで販売していて
欧米や南米でも導入を進めていき
2020年度までに世界展開を目指します。
これは
世界共通の統一パッケージにすることで
全世界共通の商品にする狙いがあります。
しかし
日本国内では現状のパッケージが
広く認知されているので変更しないそうです。
2016年9月に
インターネット上で話題になった
即席カップ麺がありました。
それは カップヌードル45周年を記念した
「カップヌードルビッグ謎肉祭」です。
「謎肉」と呼ばれる味付け豚ミンチを
通常の10倍に増やした即席カップ麺ですが
発売から3日であまりの人気のため
出荷を一時休止しました。
これは当初の狙いが想定以上に
ヒットしたことになりますが
その狙いとは
若者の需要を掘り起こすことでした。
<日清食品>の即席カップ麺のお客様は
30~40代が中心になっているので
20代以下の若者の需要を掘り起こそうと考え
このような話題性のある手法を使ったのです。
2016年4月には
60代以上の高齢者の需要も掘り起こそうと
フカヒレやスッポンなどの高級食材を使った
「カップヌードル リッチ」を発売しましたが
少し割高にもかかわらず
発売後の1カ月で600万食を販売。
これらの打つ手が功を奏して
若者と高齢者の需要が高まっています。
日本即席食品工業協会のデータでは
2015年の即席麺の国内生産量は
約56億4500万食となっていて
2012年比でみると3%増と増えています。
<日清食品>は需要の伸びにしたがって
現在40%の国内シェアを
さらに引き上げる狙いで
国内で20年ぶりの国内最大の新工場を
2019年12月までに
滋賀県栗東市に建設すると発表しました。
2017年3月期では
ブラジル事業の営業利益が
前期の2倍強になりました。
ブラジルは競合する会社が少ないため
<日清食品>は有望市場とみており
<味の素>と折半出資していた
現地の即席麺会社を完全子会社にしました。
2017年3月には
中国で食品卸売事業を手がける香港の
<三菱商事>の子会社である
<MCマーケティング&セールス>を買収。
この会社の販売網を活用することで
中国市場で即席麺事業を拡大する狙いです。
2017年5月には
中国・香港事業を担当する会社である
<香港日清>を香港証券取引所に
上場申請したと発表しました。
中国・香港事業は全体の売上の
約10%を占めていますが
中国の即席麺市場は2016年は
約385億食と日本の7倍でした。
中国は世界最大の即席麺市場のため
香港市場に上場することで
中国やアジア地域でのブランド力を
向上することを狙っています。
そのため中国浙江省で新工場を建設し
2017年5月に新工場を稼働させました。
中国市場で商品開発を進めることで
年10%以上の成長を目標に掲げています。
2017年7月には
ハンガリーで建設していた即席麺工場が
稼働を始めたと発表しました。
これはドイツなどの欧州市場に向けて
袋麺やカップ麺の出荷能力を高めるためです。
<日清食品>の2017年3月期は
過去最高の売上でした。
2017年4~9月期の連結決算は
純利益が前年同期比16%増でしたが
この期間では過去最高となっています。
しかし
日本国内の人口減少による市場の縮小は
避けることができません。
あらたに工夫した販売促進などで
国内市場での販売量を確保するでしょうが
海外での販売量を増やしていかなければ
成長戦略を描くことはできません。
海外での即席麺市場の拡大のために
「即席麺のファン」を
いかに増やしていくかということが
重要な課題になっています。
その課題を解決するための戦略を組み込んだ
あらたなビジネスモデルが必要になります。
(次回ブログ=28日水曜に投稿します)
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このことから何を学べるでしょうか?
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日本独自の商品は……
海外で販売するためには
その商品の文化的な背景も含めた
販売促進を進めていく必要がある。
つまり
その商品の「ファン」を海外で
いかに作るかという視点で
販売促進を進めていく必要がある。
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