こんにちは。 

渡邉ひとしです。 

 

第231話のテーマは 

『目先の利益優先は崩壊を招く』です。 

 

(ブログ=月水金の平日投稿です) 

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すでに自動運転は実現していた 

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<東芝>の製品といえば 

十数年前に自宅でノート型パソコンの 

「DynaBook」を使っていましたが 

 

「DynaBook」の購入価格が高かったので 

中古品を購入したことを思い出します。 

 

20代前半の頃は 

雑誌「財界」を購読していました。 

 

その雑誌社の社長であり主幹であった 

三鬼陽之助氏の著書を愛読していて 

 

『東芝の悲劇 

 あなたの会社も例外ではない』 

も愛読書の中の1冊でした。 

 

あれから数十年…… 

歴史は繰り返す。 

 

まだ購読していませんが

大鹿靖明氏による『東芝の悲劇』が 

昨年秋に幻冬舎から発売されました。 

 

<東芝>の祖業は 

1875年にまで遡ることができますが 

 

<東芝>の創業は1939年に 

<芝浦製作所>と<東京電氣>が合併して 

<東京芝浦電氣>として設立した時でした。 

 

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<東芝>のビジネスモデル 

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そもそも今回のような『東芝の悲劇』が 

なぜ起きたのでしょうか? 

 

2015年7月に 

当時の田中久雄社長が記者会見で 

 

「不適切会計」問題について謝罪したことから 

この『東芝の悲劇』が世間に知れ渡りました。 

 

その発端は東芝関係者からの内部通報が 

証券取引等監視委員会に届いたことでした。 

 

これにより2015年2月から 

証券取引等監視委員会が開示検査を始め 

 

2015年4月から 

<東芝>も社内で特別調査委員会を設け 

調査を開始しました。 

 

2015年5月に設置された 

第三者委員会の調査によると…… 

 

◉ インフラ事業の工事進行基準 

◉ 映像事業の経費計上 

◉ 半導体事業の在庫評価 

◉ パソコン事業の部品取引 

 

という4つの不適切会計が 

行われていたということでした。 

 

そして7月には 

田中社長をはじめとして 

佐々木則夫副会長、西田厚聰相談役など 

 

<東芝>の全取締役16人のうちで 

8人が引責辞任しています。 

 

<東芝>の社長と会長を歴任して 

日本経済団体連合会の会長でもあった 

 

「メザシの土光さん」と 

愛称で呼ばれた土光敏夫氏の時代には 

 

従業員の自主性を促すために 

「チャレンジ・レスポンス」という言葉を 

使っていましたが 

 

今回の不祥事に関係すると言われる 

西田厚聰氏、佐々木則夫氏、田中久雄氏の 

3社長の時代になると…… 

 

チャレンジという言葉が 

「過度な目標を強いる」 

「業績を取り繕う」 

という意味に捻じ曲げられていました。 

 

これを第三者委員会は 

『当期利益至上主義』と評しています。 

 

しかも 

<東芝>の売上の半分以上が 

電力会社や自治体や防衛省向けです。 

 

そのため 

省庁や政財界や銀行などの影響を 

受けやすい企業体質でもありました。 

 

1980年代前半までは 

発電機などの重電製品や白物家電などが 

売上の中心でしたが 

 

1980年代後半に 

半導体メモリー事業が成功を収めたことで 

半導体メモリー事業を継続しつつ 

 

2006年1月に 

<ウェスティングハウス・エレクトリック>を 

買収して原子力会社を子会社にしました。 

 

<ウェスティングハウス・エレクトリック>が 

2015年10月に持ち込んだ買収案件の 

 

<ストーン・アンド・ウェブスター>を 

「原発建設に欠かせない」として買収。 

 

そして

<ストーン・アンド・ウェブスター>の 

6000億円を超える損失が 

 

2016年12月に発覚して 

<東芝>が債務超過に陥りました。 

 

これまでの一連の 

「不正会計問題」が片付かないまま 

 

2017年3月に 

<ウェスティングハウス・エレクトリック>が 

連邦倒産法第11章の申請をしました。 

 

この関連での<東芝>の損失額は 

1兆3500億円にもなり 

 

2017年3月期は 

9656億円という3期連続の赤字となり 

5529億円の債務超過になりました。 

 

2期連続の債務超過になることで 

上場維持ができなくなり上場廃止になるため 

 

2017年12月に 

6000億円を増資することで 

債務超過を回避する見込みができました。 

 

今年1月には 

<ウェスティングハウス・エレクトリック>の 

資産の売却契約を米国の資産運用会社である 

 

<バウポスト・グループ>の企業連合と 

締結したと発表しています。 

 

このことで2018年3月期で 

2年連続の債務超過を解消できる見通しが 

高まったとしています。 

 

さらに 

今年3月末までに手続き完了をめざす 

<東芝メモリ>の売却が実現すれば 

 

2018年3月期に懸念されている 

2年連続の債務超過の解消は確実になります。 

 

しかし 

2006年ごろから原子力関連と半導体の 

2つに集中してきた事業を売却しても 

 

後に残された事業で 

<東芝>は成長していけるのでしょうか? 

 

綱川智社長が率いる現経営陣は 

 

◉水処理や鉄道システムなどの社会インフラ 

◉火力・水力発電などのエネルギー 

◉ハードディスク駆動装置などの電子デバイス 

◉ICT(情報通信技術)などのサービス 

 

という4つの分野を主要事業としています。 

 

しかしこれらの事業で考えた場合 

比較的に安定した経営になりますが 

 

売上4兆円・営業利益数百億円という規模の 

会社になることが予測されます。 

 

しかも将来の成長が見込める事業が 

乏しいようにみえます。 

 

<東芝>は現経営陣が新たな成長戦略を示し 

その戦略に沿ったビジネスモデルを 

早急に構築することが求められています。 

 

(次回ブログ=14日水曜に投稿します) 

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このことから何を学べるでしょうか? 

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事業の選択と集中は…… 

勘などに頼った従来の延長線上での 

経営判断をすることは危険である。 

 

近視眼的では無く 

中長期展望を見据えた 

客観的な分析と判断が必要不可欠になる。 

 

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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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