こんにちは。
渡邉ひとしです。
第173話のテーマは
『事業構造の大転換』です。
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<キヤノン>のカラープリンター
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広告会社に勤務していたとき
会社で使っていた複写機は
<キヤノン>のカラー複写機でした。
広告制作物の完成度を見るために
カラー出力をするのですが
・企業担当者用
・広告代理店担当者用
・自社の制作担当者用
の部数を出力するので
1回の出力枚数が
半端ではありません。
しかも デザイナーによっては
「完成したときの色味が少し違う」
という感覚的な理由で
満足するまでカラー調整をしてから
先ほどの相当数を出力するので
その残骸を見ると
頭を抱えるような枚数の
カラー出力をしていました。
カラー複写機用のペーパーの供給も
頻繁に購入することになり
複写機が故障して
保守整備の担当者に来ていただくと
複写機のカウント数に
びっくり仰天しています。
修理を終えて
いつも言われることは
「当社の機種では現状の枚数に
耐えられる機種はありません。」
「毎月、許容枚数を超えているので
いつ壊れてもおかしくない状況です。」
社員に協力をお願いしても
その枚数は増えるばかりでした。
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<キヤノン>のビジネスモデル
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<キヤノン>の業績が
「サプライズ!」と報道されました。
業績回復の決算予測を
さらに上回る予想が出たからです。
昨年の業績は本業である
「デジタルカメラ」と「事務機」が
伸び悩んでいました。
「デジタルカメラ」は
最近のスマホのカメラが
高性能化してきたことで
売れ行きが落ちてきていました。
昨年2016年の
世界のデジタルカメラの出荷台数は
2010年の20%にまで
落ち込んでいます。
デジタルカメラのピーク時だった
2008年の10%でしかありません。
出荷台数が激減した大半は
スマホと競合していると思われる
小型デジタルカメラです。
現在でも売れているデジタルカメラは
ほぼ「レンズ交換式カメラ」で
そのメーカーは
<キヤノン>と<ニコン>です。
海外のアメリカを中心にして
単価の高いレンズ交換式カメラの
売れ行きが順調に回復しています。
また
中国や東南アジアを
中心とした国々で
レーザープリンターの販売が
好調な売れ行きを示しています。
これら新興国の景気が
回復していることが主な理由です。
それ以外にも
企業の買収効果が出はじめています。
そのひとつは
業務用大判プリンターなどに強みを持つ
オランダの<オセ>の買収です。
約1000億円の買収によって
小型機から業務用大型機までの
プリンターをラインナップできました。
2015年に3300億円で買収した
<アクシスコミュニケーションズ>は
スウェーデンのネットワークビデオの
監視カメラ大手の会社です。
そして昨年の2016年に
約6655億円で買収した
<東芝メディカルシステムズ>です。
この会社は<東芝>のなかでも
高収益を上げる会社でしたが
<東芝>の不祥事などで
<キヤノン>が買収しました。
あわせて今年3月には
医療機器リースなどを手掛ける
<東芝医用ファイナンス>を
31億4000万円で買収。
これらの買収により
「ヘルスケア事業」を
本格的に指導することができます。
じつは
これら買収した事業の売上は
売上全体の30%にもなります。
買収した効果が
すでに出始めているということです。
では、なぜ?
合計額で1兆円を超える買収を
決断したのでしょうか?
その真意は
御手洗冨士夫会長兼CEOの
記者会見の言葉から読み取れます。
『買収の背景には
強い危機感があった』
『次の軸足をどこに置くか
ずっと考えていた。』
御手洗会長の考える軸足とは……
◉ヘルスケア
◉監視カメラなどのセキュリティー
◉商業印刷(プリンティング)
◉有機ELや半導体関連の製造装置など
という「4本の柱」です。
今までの本業とは違う
あらたな本業を作りあげるのです。
これからの時代にあった
あらたなビジネスモデルを構築します。
つまり
『事業構造の大転換』を
仕掛けているわけです。
さらなる企業買収も「4本の柱」を
中心に実施する計画ですが
子会社である<キヤノン電子>は
「宇宙ロケット事業」を始めています。
民間による宇宙開発ルールを決めた
「宇宙活動法」が昨年成立しました。
今年6月には
<キヤノン電子>の人工衛星を
搭載したロケットが打ち上げられました。
<キヤノン>の好調な
決算予測とともに
これからの<キヤノン>が
どこまで高く飛んでいけるのか?
とても楽しみです。
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このことから何を学べるでしょうか?
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すぐれた経営者は……
つねに「危機感」を
持ち続けることができる。
すぐれた経営者は……
社会や時代の変化に対応した
「本業」に転換することができる。
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【経営の3原則】
ミッション:会社の目的
ビジョン :会社の目標
バリュー :会社の行動指針
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【ビジネスモデル9項目】
◉理想のお客様◉協力者◉主要活動
◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル
◉提供する価値◉コスト◉経営資源
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【ビジネスモデル進化論】
強い者が生き残るのではない
賢い者が生き残るのではない
進化した者だけが生き残る
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【ビジネスモデル活用法】
現象をみるのではなく
本質をみることで
なすべきことが理解できる
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【ビジネスモデル発想法】
今日という日は
未来のスタート地点である
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経営コンサルタント
中部大学 非常勤講師
愛知産業大学 非常勤講師
岐阜県公認コミュニティ診断士
愛知県商工会連合会 EXPERT講師
ビジネスモデルイノベーション協会会員
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株式会社 未来デザインカンパニー
代表取締役 渡邉ひとし
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