こんにちは。 

渡邉ひとしです。 


第167話のテーマは 

『ビジョンで違うビジネスモデル』 


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「佐川男子」が騒がれた 

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今から数年前に 

『佐川男子』が話題になりました。 


とても爽やかな 

青年の代名詞として 


女性たちのあいだで騒がれて 

「写真集」も販売されたほどでした。 


「佐川男子」に会うために 

商品を小分けにして 

頻繁に頼むこともあったそうです。 


1位の<ヤマト宅急便>の 

配送ドライバーは7万人弱。 


2位の<佐川急便>の 

配送ドライバーは3万人ほど。 


<Amazon>で注文すると 

どちらかの宅配業社の方が 

自宅まで届けてくれましたが 


いつ頃からか? 


<Amazon>に注文すると 

<ヤマト宅急便>だけになり 

<佐川急便>は来なくなりました。 


<佐川急便>が<Amazon>との 

取引契約を辞めたのだと思います。 


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<佐川急便>のビジネスモデル 

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はっきりと時期は

思い出せませんが……


<佐川急便>のテレビコマーシャルが 

変わったことに気付きました。 


それまでのTVCM(注1)は 

「各家庭へ届けるイメージ」でしたが 


最近のTVCMでは 

「企業に対するメッセージ」に 

変わってきています。 


俳優の織田裕二氏が 

メインキャラクターで 


2016年のTVCMは 

「物流は経営だ」篇と 


「物流は創れる」篇が 

テレビに流されていました。 


最近は 

「ベトナムにて」篇と 


『最前線には、彼がいる。』篇と 

『最前線には、彼女がいる。』篇です。 


そしてTVCMの最後に 


『変化する時代のビジネスを 

 物流で支える。』 

というタイトルが出ます。 


あきらかに 

「B2C」『C2C』ではなく 


「B2B」の広告路線に 

変更されています。 


つまり 「企業間物流」と 

「国際物流」を訴求しています。 


2012年2月より 

ベトナムで宅配便事業を始めました。 


それまでにも 

中国、マレーシア、シンガポールでも 

事業展開をしています。 


中国へは輸送以外の 

書類作成や梱包までも請け負う 

「一括物流サービス」を提供。 


インドでは中堅物流会社の 

<シンズー・カーゴ・サービス>と 


2013年3月に 

シンガポールに国際物流を統括する 

中核会社を開設して 


アジア全域の物流ネットワークを 

構築しようとしています。 


また海外企業の買収を進める 

コントロールセンターにもなります。 


2013年5月には 

シンガポールの物流中堅である 

<アメロイド•ロジスティクス>を買収。 


この一連の動きは 

シンガポールを世界市場への 

司令塔にしようということであり 


<佐川急便>の親会社である 

<SGホールディングス>の 


世界市場へ本格的に進出する 

足がかりにする狙いだと思えます。 


その根拠は…… 


2016年3月に 

<SGホールディングス>は 

<日立物流>と資本•業務提携をして 


将来的には 

2社が経営統合をするという発言が 

町田公志社長からありました。 


<日立物流>は 

「企業間物流」に強みを持っています。 


<SGホールディングス>の 

「宅配便」の強みと連携することで 


企業から個人までの 

一貫した物流サービスを 

提供できることになります。 


しかも今回の提携により 

国内においては 

<日本通運>に続く業界2位になり 


海外売上が40%の<日立物流>と 

世界を狙う位置に立つことができます。 


さらには 

日立グループの<日立製作所>が持つ 

ITノウハウを活用することで 


新時代の物流システムを 

構築することも計画しています。 


今年6月14日に 

<SGホールディングス>は 


東京証券取引所に 

上場を申請したと発表しました。 


審査を経て 

年内にも上場したとすれば 


上場の調達資金で 

いままでお話ししてきた 


アジアを中心とする 

海外市場での物流事業を 

一気に拡大することができます。 


もし上場すれば…… 


その時価総額は「3000億」 

とも言われているので 


日本では<メルカリ>に続く 

「ユニコーン企業(注2)」です。 


ここまで見てくると 

<ヤマトホールディングス>とは 

かなり違うビジネスモデルを 


構築しようとしていることが 

わかるかと思います。 


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*注1=TVCM 

(Commercial Message) 

テレビコマーシャルのこと。 


*注2=ユニコーン 

未公開企業が上場したときに 

10億ドル(約1100億円)以上の 

時価総額が期待できる企業のこと。 


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このことから何を学べるでしょうか? 

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同じ業界の企業であっても…… 

会社によって 

ミッション(経営目的) 

ビジョン(経営目標)が違えば 


それぞれの会社によって 

ビジネスモデルは違うことになる。 


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【経営の3原則】 

ミッション:会社の目的 

ビジョン :会社の目標 

バリュー :会社の行動指針 

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【ビジネスモデル9項目】 

◉理想のお客様◉協力者◉主要活動  

◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル 

◉提供する価値◉コスト◉経営資源 

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【ビジネスモデル進化論】 

強い者が生き残るのではない 

賢い者が生き残るのではない 

進化した者だけが生き残る 

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【ビジネスモデル活用法】 

現象をみるのではなく 

本質をみることで 

なすべきことが理解できる 

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【ビジネスモデル発想法】 

今日という日は 

未来のスタート地点である 

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経営コンサルタント 

中部大学 非常勤講師 

愛知産業大学 非常勤講師 

岐阜県公認コミュニティ診断士 

愛知県商工会連合会 EXPERT講師 

ビジネスモデルイノベーション協会会員 

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株式会社 未来デザインカンパニー  

代表取締役 渡邉ひとし 

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〔投稿内容〕 

投稿文の数字及び企業名などは 

新聞などの公開情報に基づいた 

記述に徹しています。 

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