幼い頃を思い出すと、
誰かと比べられることが、極端に嫌でした。
妹とは正反対のことが多くて、
妹は、近所の男子たちと、野球をしていた記憶があります。
いわゆる、アウトドア派だったのかもしれません。
一方、自分はというと、
自宅の机の下で、一人で遊んでいたことを思い出します。
とは言え、インドア派とは言いがたく、
当時は近所の友達と、木の棒を腰に差して、
(子供なりに)遠くまで冒険旅行に行っていました。
少し話が外れてしまいましたが、
冒頭の誰かというのは、妹のことではありません。
運動でも、
学力でも、
性格でも、
人気でも、
それぞれのポジショニングで、優れた子供がいましたが、
母親に、その優れた子供たちと比較され、
何かと言われることが時々あって、そのことが嫌でした。
きっと、先代社長の後継者である、2代目社長も、
なにか、事があれば、先代社長と比較され易いのではないでしょうか。
場合によっては、
何も、事が起きなくても、比較されたりします。
そんなことを考えていたら、
徳川幕府のことを思い出しました。
創業者とも言える、徳川家康。
説明するまでもなく、将軍家として15代続きました。
この原点が、徳川家康であることは、誰でも知っていますが…
はたして、徳川家康ひとりだけで、
260年以上続く基盤ができるのだろうか?
そんな思いが、昔からありました。
ただ、10代、20代の頃は、
映画でも、テレビドラマでも、
偉大な徳川家康が、クローズアップされていて、
2代目の秀忠は、とても影が薄く、
映画などに登場しても、
ボンクラな将軍、ダメ将軍的に扱われる事が多かったのです。
当時から…、割と最近まで、
そのまま、秀忠のイメージを鵜呑みにしていました。
最近は、史実に従った時代考証がなされていて、
秀忠のイメージが大きく変わってきています。
ボンクラどころか、
父である、徳川家康をしっかりとサポートして、
2代目将軍になってからは、
260年以上にわたる、長期政権の基盤を、
どうやら作りあげた人のようです。
興味のある方は、小和田哲男氏の
『徳川秀忠「凡庸な二代目」の功績』を
読んでみるのもいいかもしれません。
著書から引用すると、
『トップの位置をキープしたまま、
第3走者家光にバトンタッチした意義は大きく、
しかも、「それ以外の走者(大名)」との差をさらに広げていき、
第3走者にバトンタッチしたときには、
もう誰にも抜かれないほどの差になっていた。』
これが事実であれば、
素晴らしい「2代目社長」だったと言えますね。
2代目社長は、先代社長と比較されやすいけれども、
地道に経営をしていけば、
いつか、先代社長の業績を越える時がくるという、
ひとつの事例になりますね。
・そんな昔の時代と、今の時代は違うよ…
・秀忠のような、歴史上の人物と比較されても…
・たった一つの、特異な事例を挙げても…
など、異論を唱える声も聞こえてきそうです。
しかし、ここで一つ考えてみましょう。
「できない理由」は、
いくらでも挙げることができます。
そして、気持ちと行動が伴わなければ、
小学生が出来ることでさえ、
「出来ない」という結果に終わってしまいます。
ところで、なぜ、
2代目社長の応援をするのか? と言うと、
実は、私も、「実質の2代目社長」でした。
会社の形態からすれば、確かに、
地方の事業所を、独立した会社組織にし、
その会社の、代表取締役社長になりましたから、
会社組織として、外から見れば、
創業者に見えるかもしれません。
しかし、実態は、
地方の事業所を、単独の会社にしただけで、
それまで、長期にわたって、
事業所の代表者だった方が存在しているのです。
と言うことは、社員から見れば、
私は、2代目の代表者でしかありません。
つまり、「実質の2代目社長」と同じです。
したがって、2代目社長の立場が理解できるのです。
当時の心境を思い出してみると、
「闇雲に、先代を超えたい!」
という気持ちは、全くありませんでした。
ただし、
・本当に、自分が社長でいいのか?
・今までと同じ、経営(運営)をしていけばいいのか?
・まず、何から始めればいいのか?
・一体、自分は、どのような会社にしていきたいのか?
そんな幾つかの事柄が、大きな塊のように、
心や、頭の中を、巡っていました。
そして、実質の2代目社長として、
就任してから3年目を迎えた年に、
売上が150%伸び、社員数も150%増えたのです。
その時に、2代目社長ではなく、
ひとりの経営者としての自覚を持てた気がします。
結局は、
「自分は自分!」と思うことが大切で…、
いつまでも、先代の偉大さの陰に隠れていても駄目で、
新しい時代に立ち向かうことが、後継者の務めだと、
ある意味、割り切るしかないと思います。
「当たり前のこと」をする。
これしかありません。
経営の本質、経営の王道。
経営に「近道」はありません。
経営の本質を見つめ、
経営の王道を歩んで行きましょう!
そのためには、良き相談相手を見つけることが、
もっとも重要です。
[頑張れ!! 2代目社長!]
☆2代目社長を、応援します☆