僕は洋画が好きで、WOWOWを予約録画して、

好きな時に、好きな洋画を観るのが憩いのひと時です。


……なので、テレビを見ることは、本当に少ないのですが、

偶然、ビジネス系の番組を見る機会があって、

面白い内容だったので、少し紹介したいと思います。


東京・品川区にある、「原価BAR」というお店。

通常のお店は、お客様に得をしてもらうために、薄利多売で商品を販売しますが、

このお店は、<商品を原価で提供>しています。


ずいぶん思い切った商売をするお店だなぁ、、、。

それが、僕が興味を持ったキッカケでした。


【景気の良い時と同じようにはいかなくなった。】

僕にも、サラリーマン時代がありました。

…と言うよりも、サラリーマン時代が長かったのです。


今から25年前と言えば、バブル真っ盛りの頃です。

当時、営業の仕事をしていた僕は、飲むことが仕事のようなものでした。

それこそ、毎晩、連日のように飲みまくっていました。

でも、自腹を切った覚えはありません。


お客様を接待しているのですが、一緒に、数件のハシゴをする中で、

半分は、お客様が支払ってくれていました。


残りの半分は、会社へ領収書を提出すれば、全額支払ってくれます。

ですから、仲間と飲みに行く以外は、飲み代を自分で支払ったことはありません。

しかも、大半の飲み会が接待なので、

僕の記憶に、飲み代を自腹で払ったという記憶が、あまり無いのです。


その頃は、

スナックや高級クラブから請求される金額は、原価の数倍が常識でした。


やがて、バブルが崩壊して、気前のいいお客様も急激に減っていきました。

当然、会社も、飲み代の領収書を出すと、いい顔はしません。

それに合わせるように、スナックなどの酒場は価格を下げていきました。


今日は「原価販売のお店」をテーマに、

ビジネスモデルについて、お話しします。


【ビジネスモデルって、よく分からない。】

実は、ビジネスモデルという言葉は、比較的、新しい言葉なのです。


日本では、

1999年に出版された「ネットビジネスの経営戦略」(根来龍之・木村誠)に、

インターネットに関するビジネスモデルが触れられていますが、


<どのような事業活動をしているか、

 あるいは構想するかを表現する事業の構造のモデル>と、定義されています。

この定義は、少し「ビジネスモデル」の意味が難しくなったかもしれません。


ビジネスモデルは、「事業モデル」と呼ばれたり、

ビジネス方法特許の名称から「ビジネス方法」と呼ばれた時期もありました。


僕の定義で言うと、

ビジネスモデルは、『利益の生まれる仕組み』です。


僕の場合、9マスを埋める「マンダラ式フレーム」を使うことで、

利益が、必ず生まれる仕組みをつくります。


【世の中に、どれだけのビジネスモデルがあるのか?】

さて、少し、ビジネスモデルに興味を持ってもらえたでしょうか。


では、あなたに質問です。

あなたは、なぜ、ビジネスモデルが必要になってきたと思いますか?


それは、従来の考え方が通用しなくなってきたからです。


どういうことかと言うと、

日本の多くの企業は、今の時代、八方塞がりの状態になっています。

長引く不況や震災などの、企業を取り巻く経営環境は、

企業努力だけでは解決できない、「100年に一度の大転換期」を迎えています。


売上向上やコストカットなどは、どの会社も取り組んでおり、

従来の営業努力を続けていても、収益は思うように伸びません。


今までの常識であった、「売上を伸ばしてコストを抑える」という、

単純な引き算方式の考え方だけでは、残念ながら通用しなくなっています。


そんな状況を打破する考え方が、

新しい「ビジネスモデル」をつくり、従来とは違う利益構造をつくるという、

プラス発想の『利益を生む仕組みづくり』なのです。


例えば、ビジネスモデルには、どういうものがあるかと言うと、


アメリカのエイドリアン・スライウォツキーが提唱した、

23のビジネスモデルの類型というものがあります。


顧客ソリューション利益モデル

製品ピラミッド利益モデル

マルチコンポーネント利益モデル

スイッチボード利益モデル

時間利益モデル

ブロックバスター利益モデル

利益増殖利益モデル

起業家利益モデル

スペシャリスト利益モデル

インストールベース利益モデル

デファクトスタンダード利益モデル

ブランド利益モデル

専門品利益モデル

ローカルリーダーシップ利益モデル

取引規模利益モデル

価値連鎖ポジション利益モデル

景気循環利益モデル

販売後利益モデル

新製品利益モデル

相対的市場シェア利益モデル

経験曲線利益モデル

低コストビジネスデザイン利益モデル

デジタル利益モデル 


いかがですか?

分類されたタイトルだけを見ても、全てを理解することはできませんね。

いつか時間に余裕がある時にでも、調べてみてください。


【お客様を真剣に考えるとビジネスモデルができる!】

ビジネスモデルは、「利益を生む仕組み」だと言いました。

では、原価販売のお店を例にして、具体的に考えてみましょう。


先ほどの、「原価BAR」の話を思い出してください。

「原価BAR」は、原価で商品を提供して、果たして大丈夫なんでしょうか?


大丈夫です!(安心してください)


商品は原価で提供しますが、

このお店に入店するためには、実は、「入場料」が必要なのです。

この入場料を支払うシステムが、このビジネスモデルのキモになります。


しかも、その入場料は、東京という場所を考えれば、実にリーズナブルで、

五反田の2店であれば1600円、

赤坂見附店であれば1800円、

銀座店でも2,500円という、納得して支払える料金になっています。


(お店によって料金が違う理由は、土地代の違いだそうです)


このお店を運営している会社は、株式会社ハイテンションといい、

文字どおり、お客様が“ハイテンション”になれるお店のようですね。


代表取締役社長の横山信夫さんは、ショットバーの経営者でした。

僕が飲み歩いていた頃と、時代が180度変わってしまい、

お客様が、なかなか、飲みたい酒に手が出せなくなっていました。


どうすれば、お客様が気軽に楽しめる酒場が作れるのか?

その時に考えついたのが、

「先に店の利益を確定して、あとはお客様の予算内で自由に楽しんでいただく」

という新たなビジネスモデルでした。


そのビジネスモデルは、

まず、

⑴ 原価を50%に設定する。

⑵ 客単価3000円の想定なので、1500円を利益と考える。

⑶ 利益の1500円は、入場料として先に受け取る。

⑷ お客様は、すべてが原価なので、安心して好きなものを注文する。

⑸ お客様は、相応の飲食を楽しめるので、十分に満足できる。

⑹ 長居をされれば赤字だが、お酒なので適度に酔うことで、回転率も良くなる。


この明朗会計で、お客様に楽しめるコンセプトこそが、

利益を確実に生む仕組みづくり、なのです。


【ビジネスモデルは、お客様の利益を最大にする!】

新たなビジネスモデルをつくることで「利益を生む仕組み」はできますが、

マーケティングと同様に、時代や社会が変われば、

ビジネスモデルを変えていく必要があります。


その理由は、もう、お分かりだと思いますが、

お客様の利益を最大にすることが、「利益が生む仕組み」になるからです。


つまり、お客様の利益を最大にすることができない状況になった時、

そのビジネスモデルも、変えていかなければ利益は生まれません。


あなたの会社に、新たなビジネスモデルをつくりましょう。

これで、あなたの会社のアカルイミライは約束されることでしょう。


【まとめ】

世の中が変わって、ビジネスモデルをつくる必要に迫られている

ビジネスモデルは、比較的新しい考え方だが、すでに多くの類型がある

ビジネスモデルは、お客様の利益を最大にできるように変えていく