へその緒 第2の緒 《本格推理小説》 | BONNIE PINKの「母乳ピンク」
セミが鳴く8月上旬…




香田晋吾は、テレビのニュースを見て消した後、笑った。



「俺が犯人を捕まえてやるぜ~!」




そう、彼は探偵だ。


少し頭は悪いが




「うるせぇ!」




ほら、怒り方も馬鹿っぽい。







香田晋吾は、警察署へ向かい、着くやいなや受付でこう言った。


「あいつはどこだ!!行くぞっていってぃくれ!」





おっちゃんとは、彼の相棒的存在の

ユースケ サンタ 麻里子


のことである。


「シンゴさん!うるさすぎ!!!

今呼ぶから待っててね!!!」




受付嬢の西田敏雪未に怒られる。シンゴ…!




彼女が重要な事件の鍵を握っていることはこの時は誰も知る由もなかったし、また別の話。








「呼んだわよ!ちょっと待っててね。」


敏行未が喋る。 続けて敏行未はこう言った。






「今日はどんな、"うた" 探しに行くの?」





シンゴは間髪入れずにこう答える。




「さなー! 聞いてみなきゃわからないよ…!」



敏行未は、笑って頷いた。








まさか、この敏行未が、重要な事件の鍵を握っていることは、誰も知る由もなかったし、また別の話。








「すっ、すっ、すいまてーん!」



カパカパカパカパ。

竹馬に乗りながら歩いてくる一人の女性。



この女性こそ、香田の相棒、ユースケ サンタ 麻里子。


23歳だ





「おそくなってすいまてん!なんですか?用件って?」




「誘拐事件だそうだ、車出してくれ!行くぞ!





















お前の力が必要なんだ」







「ていっ!!!」




「敏行未!竹馬ありがとう!楽しかった!」





サンタは、嬉しそうな顔をしながら竹馬から降り、駐車場に行き、エンジンをかけた。

















へその緒


第2の緒






「お前の落ち度」








誘拐されたとされる場所は、埼玉県。

そこから犯人は、高速道路に乗り西に向かってるとのこと。




だから静岡に在住する俺が捕まえようという魂胆さ!!




「シンゴさん!高速乗るんでそろそろドア閉めてください!」





「すまねぇ… 」



「もーうっ!」









麻里子は静岡県警所属。いいよな。








「でもなんで高速道路で逃げている犯人を高速道路で捕まえられると思うんです?
犯人が逆車線に向かってたり、途中でSAで降りたりしてるかもしれないじゃないですか!」



「捕まえるんじゃねえ。
先回りするだけさ。
その犯人は、恐らく一度SAで降りて、人を脅し、別の車で西に向かってる。


そして俺の予想が正しければ、犯人はもう一度、SAで降りる。


そしてその場所は、名古屋サービスエリアだ。」





「なんで?」





「犯人が誘拐に最初使った車は、福島のフリード。犯人は、青森から来たという情報は入っている。
福島からホンダのフリードでは、埼玉県みでちょうどガソリンを入れなくていいくらいの場所。


そして、犯人は高速道路に乗ってずっと逃げたと見せかけてすぐに埼玉のSAで降りた。



そこでガソリンを給油せず、あえて複数人いるように見せ自分が犯人じゃないように見せるため、ひとを脅し車で西へ。


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ってなわけよ」

































シンゴが予想を話し終えた時にユースケ サンタ 麻里子は寝ていた。









車は、壁にぶつかり大炎上した。








そうである。




















ユースケ サンタ 麻里子が先ほど乗っていた、竹馬の足をかける部分に遅効性の麻酔針が仕込まれていたのである。


















敵は、内側にもいた。。。




つまり、敏行未の犯行だった。














シンゴは今年42歳、なんとかエアバックで一命を取り留めていたが周りは火の海。







なんとか、その場から麻里子を連れて抜け出そうとするが、麻里子は気を失っていて動けない。





















「生きててくれよ…

お前は俺の娘なんだけど」



















そう言いながら、生き別れた、娘・麻里子が生まれた時のへその緒を自分の腕と麻里子の腕に巻きつけて思いっきりドアをけやぶり抜け出した。









幸いシンゴに怪我はなかったが、麻里子は顔面に大火傷を負っていた。


















火によって燃えてへその緒が千切れると同時に、麻里子の意識は復活した。


















「お前の落ち度だぞ」








父は子に厳しい言葉を浴びせた。