暑いけれどもクーラーは消し
愛犬のそばで丸まった
昨日死んだカブトムシと
ずっと前 死んだクワガタムシが
住んでた小さいカゴを抱えて
付けっぱなしのCDからは
知らない音楽 流れてる
異国の歌詞は聴き取れない
海みたいな しょっぱい声だ
勇気を出して 身体を起こし
愛犬 抱えて外に出た
夏の日差しと青空に
目がくらんだら 涙が落ちる
白い雲が動いてる
風に煽られ動いてる
昨日より早く 昨日より高く
昨日より幸せそうに
だけど家族は戻ってこない
夏のすべてが動いてる
風に煽られ動いてる
昨日より早く 昨日より高く
昨日より幸せそうに
だけど私に家族はいない
もひとつ涙を落としたら
家に入って歌うだけ
知らないどこかの外国の
波みたいなメロディを
愛犬の背中 撫でながら
身体を揺らして歌うだけ
空っぽのカゴを撫でながら
身体を揺らして歌うだけ
あとは夏が過ぎるだけ
過ぎたら忘れてしまうだけ
※この詩は、2023年8月5日に作成したものです。