ユンジェ小説 物書きの恋 49 | mikity's diary

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東方神起、JYJ、福山雅治さん大好きです。
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今回の温泉旅行で、俺たちの距離はグッと縮まった。

先生の表情も、柔らかくなったような気がする。


それにしても、あの夜は本当にすごすぎた。

あんな経験、未だかつてない!

一回でも最高だったのに、立て続けに二回、三回

最中もずっと、かっこよさをキープしてるもんだから、何度求められても全く苦にならなくて。でも、さすがに翌朝は腰が痛くて立つのもやっとだった。


(だからかなぁあの日以来、無いんだよなぁ)


先生はかなり反省していた。

だからか、旅行から戻ってきてしばらく経つが、「次」がなかなか訪れない。

最近はだいぶ寒くなってきて、人肌恋しいと思う季節だからか、なんとなく寂しく、物足りない気持ちになる。


朝食を食べると、コーヒーを持って先生はすぐに二階に上がってしまうし。俺の学校の講義の時間によっては、「いってきます」の挨拶も出来ないことが続いた。


今日もいつも通り、朝食を済ませて、先生は二階に上がる。俺は後片付けや掃除を済ませると、学校に行く準備をした。


(きょ、今日こそはっ!

いってらっしゃいのチュウをしてもらうぞ!)


そう息巻いて、二階の書斎に向かう。ドアの前に仁王立ちするが、なかなかノックができない。まさか、「これから学校なので、チュウして下さい」なんて直球すぎるし、何よりも仕事中なのに、そんなことで呼び止めるなんて申し訳ない。なんとか、手を振りかざすが、ドアに届く直前でブレーキがかかるというのを何度か繰り返した。

そんなことをしていたら、急にドアが開く。


「ぎゃっ!」


「おわっ!?ジェ、ジェジュン!?

な、何やってるんだ、ここで?」


「えいえそのっ」


「いってきます」がなかなか出てこない。俺はギュッと目を瞑り、あたふたと変なことを喋って誤魔化そうとする。


「あーこれから、学校」


「あっ!はいっ!だ、だから、い、いってきますって言いたくてその


「いってらっしゃい」


先生は優しく笑いながら俺の頭を撫でた。

驚いた俺は顔を見上げて、そんな先生をジッと間抜けな顔で見つめた。


「どうした?」


「いえあのいってきます」


「あぁ。終わったら早く帰っておいで。

今日は、仕事がはかどらなくてな。

気分転換にDVDでも見ようと思ってるんだ。

一緒にどうだ?」


「見ます!!!」


「ははっ元気だな(笑)いってらっしゃい」


俺は我慢しきれなくて、気づいたら背伸びして、先生の頬にキスをしていた。すぐに体を離すと、ダッシュで一階に降りる。そして、一階からキョトンとしている先生に、大きな声で「行ってきます!!」と言って家を出た。家のドアが閉まると同時に先生の笑い声が聞こえてきた。


(うわぁ~恥ずかしい)


俺は顔を真っ赤にさせて、学校へ向かった。

その日の講義は1つしかなくて、大概講義の後はチャンミン先生の所に行ったり、ユチョンと話したりするけど、今日は先生とDVDを見るために、すぐに家に帰ってきた。

帰ってくると、先生は書斎でお仕事中だったから、「おかえり」を我慢して、俺は夕食の準備に取り掛かった。

しばらくすると、パタパタと階段を降りてくる足音が聞こえてきた。


「あ、おかえり」


「た、ただいまっ」


「コーヒーを飲もうと思って」


「あ、おかわりですね!お入れして持っていきますよ」


「いや、いいよ。晩飯作ってるのに。

隣でガチャガチャするけど、気にしないで」


「あはい」


「おかえり」をひょんな形で言ってもらえただけ、有難いかなと思いながら、俺は野菜を切り続けた。隣で先生はお湯を沸かして、ドリップの準備をしている。湯が沸くまでの時間、手持ち無沙汰になったのか、視線を感じた。


「な、何ですか?」


「ん?手際いいなと思って」


「そうですか?これぐらい、普通ですよ(笑)」


「晩飯、何?」


「カツ丼でも作ろうかなぁと思って」


「わー!やった!カツ丼食べたいっ」


無邪気に少年のような笑顔を見せる先生。

カツ丼の魔力、恐るべし。


(あー、俺もカツ丼になりたい)


もはや、俺のヤキモチの対象は幅広く、カツ丼にまでも嫉妬する。そんなことを思っている素ぶりなど、一切見せずに料理を続けていると、不意に後ろ、脇腹辺りからニョキッと手が出てくると抱きしめられた。驚くと同時に、先生の息が耳元にかかり、抱きしめられている状況なのだとやっと理解した。


「先生?」


「なんか、料理してる後ろ姿、いいなと思って」


「あっはそう?」


「うん。なんか、本当に俺だけのものなんだなって、実感する」


うひゃ~

なんて、恋愛上級者みたいなセリフを!!

先生のこのボイスで、この体勢からの、耳元ウィスパーはやばい!!

俺は思わず、包丁を置くと、ニヤニヤしてしまう顔を両手で隠した。


「え?何?俺、変なこと言ったか?」


「ち、違います~っ!もうっ、先生、かっこよすぎるよぉ!」


「は?今のどこが?」


全く分かってない、この天然タラシ。

俺は、ブゥと膨れっ面でギロッと真横にある先生の顔見た。先生は、「えっ!?」と顔をしたが、俺は睨み続けた。が、途中で堪えきれなくなって口元だけ緩んでしまった。その瞬間、ブチュウと吸い付くようなキスをされる。下唇がプックリした先生の唇と、俺の唇は形も相性も抜群のようで、本当にぴったり合う。飲み込むようなキスに俺は苦しくて、グッと先生の体を押し返した。


「くるし~っ!」


「あーごめんつい


ついって何!?夢中になったっていうこと!?やばい!嬉しい!


「もう~、どうして、そういうことをサラッと言うかなぁ


「ジェジュンあのさ今日いいかな?」


「え?」


さっきまでのオラオラ系は何処へやら。今度は恥ずかしそうにお願いしてくる。

どうやら、「次」を望んでいたのは、俺だけじゃなくて、先生もだったようだ。

それがなんだか、また嬉しくて。

もちろん、俺は「YES」と答えた。