ここは嵐さんの名前を借りた妄想話置き場です。
興味のない方は退室を。
今回は磁石ときどきにのあい。
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「人って見かけによらないもんなだなぁ」
もうすぐ家に着く最後の信号で独り言のように呟いた言葉は翔ちゃんの耳に届いた。
「見かけによらない?」
「え?うん」
「ああ、相葉くんのこと?」
翔ちゃんは一瞬何の話かわからなくて、でも直ぐに俺の頭の中を理解して微笑む。
「かずは相葉くんのこと、どんなふうに見えてんの?教えて」
否定も肯定もせず、相手の話を聞く大切さって翔ちゃんから学んだ気がするよ、俺。
「んー……。わかんないけどいい人っぽい人。」
「わかんないのに良い人なんだ」
呆れたように笑うからちょっと小馬鹿にされたみたいで拗ねるように外を見る。
「まあ、優しいひとには違いないけど。あんなやり手、人が良いだけでは成り立たないんじゃないかなあ?」
「やり手?」
その後翔ちゃんは、家に着くまてマスターの話をしてくれた。
2人の関係は高校時代の同級生で。翔ちゃんは頭が良いので高校から今通ってる大学の附属の高校に通ってたし、ほぼそこに通う人は翔ちゃんと同じく附属の大学に進学するのに相葉さんは高3の夏休み突如飲食店を経営したいと言い出したらしい。
飲食店で働きたいではなくいきなり経営してみたいって言った言葉に初めはもちろん親含め反対されたけど、本人はどこ吹く風でプレゼン資料作って納得させて、挙句勝手にスポンサーまで見つけて来てたって。
今の店だって売り上げは順調で2号店の話も毎回出るけどマスター自身そんなのに興味はなくて、あの1店舗で満足してるって事。
全部聞いて何だかお腹いっぱいの俺は
「やっぱよくわかんない人だな」
って独り言のように呟くしかなくて。
マスターの事を自慢げに話し、俺の反応を見て満足そうに笑う翔ちゃんを見て
まあ、この人が認めた人なんだもんなーってなんとなく納得して
途中、駅前で知ってる顔とすれ違った事なんて全く気づいてなかった。