5ヶ月健診も無事終わった。
ミルクの栄養は凄まじく、母乳のみでは外れてしまった体重の成長曲線にも脅威の追いつきを見せた。
著しく体重が軽かったわけではないけれど、ようやく5000gを越え先生から離乳食開始のGOサインをいただいた。
離乳食…
それははるか8年前。
フードプロセッサーにも頼らず、ただひたすらに刻む・擦る・漉すを繰り返す日々が続いた…という記憶が残る。
離乳食本を見ながら、使う食材が売ってなければ別の店を探し、どんなに高かろうとその為だけに購入し、律儀に応用や代替えをすることもなく、掲載されているメニューを忠実に再現していた。
腱鞘炎になろうと、刻む音の幻聴が聞こえようと、フープロに頼るよりも愛情がこもるはずだと盲信しひたすらに包丁を操っていた。
その想いが伝わっていたのか定かでないが、上の子は私の作るそれらを一つ残さず食べてくれた。
例え刻んだ茹でネギであっても茹で納豆であっても…(おえっ
アレルギーも出ず好き嫌いすることもなく食べてくれた。
故に、私が手間暇を惜しまなければいいわけであって、それ以外の苦労は記憶になかった。
さて、今回の主役である下の子も、既に家族の食事に興味を持ち、よだれを垂らし目で追っている。
今にも「食べさせろ」と言わんばかりのその眼差しに、もはや離乳食を待ち侘びているのだろうとさえ勝手に思い込んでいた。
ひっさびさの10倍がゆを作り、すりつぶし、たったの小さじ一杯で満足してくれるのだろうかという不安まで抱いていたのに…
思いっきり顰めっ面で押し出されてしまった。
「いやいやいやいや、あなたが羨ましそうに見てた私たちの食事ってこれですよ⁈」と半ば押し付けがましく2、3度挑戦してみても、口には入れるが不味くて食えんと言う顔で押し出してきた。
「そうかぁ〜、食いしん坊なわけではなかったのかぁ」と、よだれ=食いしん坊というイメージを覆された離乳食初日だった。