秋です。
この時期になると精神科病棟は学生実習の時期になります。
今から春までノンストップで学生さんが実習に来ます。

実習生がよく言うのが
「意外と明るいところなんだなって思いました」
「もっと叫んでる人とか暴れている人とかがいるのかと思ってました」
なんて感じです。

なんて偏ったイメージ。
今まで専門的に色々勉強してきた学生さんですら、そんなことを言うのです。
そうでない人が、偏ったイメージで見るのは当然かもしれません。


学生さんはいつも一生懸命です。

ただ、一生懸命すぎて、教科書通り、模範的な生活、言動を患者さんに強要しようとします。

バランスよく食事をとってもらえるようにアプローチします

活動を促すために毎日一緒に散歩します


もっと極端なものだと

転けそうな患者さんは危ないのでなるべく部屋で過ごしてもらいます

とか。


普通ってなんなんでしょうね、と私はたずねます。

貴女は教科書通りの生活が出来ていますか?

あなたの友達に偏食過ぎてお菓子ばっかり食べている人はいませんか?

治療に必要なとこは、変えてもらう必要があると思います。

でも、そうでないのであれば、今はもっと行動変容を促さないといけないのではないですか?と。

精神科は治療上の問題が捉えづらいです。

そのため、どうしても生活上の問題をそのまま問題だと捉え、そこにアプローチしようとします。

でも、自分だって毎日散歩は出来ないし、偏食な友達に緑黄色野菜を毎日食べさせるのは現実的ではありません。


生活にアプローチすることは容易ではありません。

変えられない条件も多いです。


今は必要ないこと、に目を向けるのは現実的ではないこと。

それを理解して貰うだけでもいいのかもしれないなあと思います。