精神科では医療者がどんなに頑張っても、患者さんや患者さんの家族の協力がないとどうにもなりません。
治療上の約束
内服、通院の約束だけではなく、例えば自分を傷つけたくなったらまずはこうしましょう、これはしない、等の約束も含まれます。
辛くなったらこうしましょう
誰に助けを求めましょう等です。
治療上の約束は守られないと、医療者はどうしようも出来ません。
治療が前に進まない原因になります。
患者さんにもある程度は守る努力を一緒にしていただかないといけません。
とはいっても、突発的に死にたい気持ちが強くなったとき。
絶望感や孤独感、不安などに襲われたとき。
約束を守ろうと思えるような心理的状況ではないかもしれません。
患者さんやご家族の協力が必要なのはこういうところです。
特にどんなときに死にたい気持ちが強くなるのか
どんなときに孤独感や絶望感に襲われるのか
より具体的に話していただきたいのです。
そして、具体的に、じゃあこういう時にはこう対処してみましょう、家族にこう協力をいただきましょうと、より細かく状況設定が出来るとより治療上の約束が守りやすくなるのではないでしょうか。
また提示された約束を守れないのであれば、守れると言ってはいけません。
なぜ守れないのか、どうすれば守れそうなのか、話し合いをしてください。
患者さん自身が自己開示をしてくれないと、私達は患者さんの内側に正確に触れることができません。
触れることが出来ないと、いつまでも患者さんに合っていない方針で治療を続けることになります。
それはまた無理や歪みをうみ、悪循環にしかならないのです。