財政制度等審議会の詐欺統計資料【成長、人口・地域等 2024年4月9日】問題はP6。当たり前ですが「政府の債務残高と実質GDP成長率」について解説したいならば、X軸に「政府の債務残高」Y軸に「実質GDP成長率」を持ってこなければなりません。ところが財務省は何とX軸に「政府の債務対GDP比率」を持ってきた。

日本は過去四半世紀のデフレにより、GDPが成長していない。政府の債務対GDP比率は上昇して当然です。完全にナンセンスな「政府の債務対GDP比率」をX軸に持ってきた結果、財政制度等審議会の以下の右側のグラフになる。

【成長、人口・地域等 2024年4月9日 P6】



なるほど、政府債務と経済成長率には相関関係がないんだなと「騙す」ためのグラフです。「政府の債務残高と実質GDP成長率」を見せたいならばX軸には「政府の債務残高」を持ってこなければならないでしょう。というわけで正しいOECD諸国の「政府の債務残高と実質GDP成長率」をグラフ化しました。

【政府債務残高(倍)と実質GDP成長率(%】



※OECD諸国のデータ

トルコ、コスタリカ、コロンビアはデータが不十分であるため省く。皇統論第六十二回「壇ノ浦に滅ぶ」歴史時事第六十二回「大陸封鎖令とロシア遠征」が配信になりました。


財政制度等審議会の図では、実質GDP成長率と政府の債務残高「対GDP比率」が負の相関関係にあるように見えます。あるいは何の相関関係もないと。ところが正しくX軸に政府の債務残高を持ってくると、実質GDP成長率と「正の相関関係」があるという事実がわかるのです。もっとも財務省が「見せたくなかった」のは、相関関係よりも「他の国々は、日本よりも圧倒的に速いペースで政府の負債を増やしている」という事実なのでしょう。


 例えば、OECD諸国の中には、オーストラリア(対2007年比で9.54倍)、チリ(7.37倍)など、日本とは比較にならないほど政府債務を増やした国がゴロゴロある。


 それに対し、日本はわずか1.9倍(で、GDP成長率の平均は0.3%。


 まるで成長していない!


 というか、日本よりも政府債務残高を増やしていないのは、スイス、スウェーデン、ノルウェーの三カ国しかありません。


 ついでに、日本よりも実質GDP成長率(平均)が低いのは、イタリアとギリシャのみです。


 日本はデフレという総需要不足の状況にありながら、十分に政府の財政支出(需要創出)をしなかったからこそ、経済成長しなかった。これが、事実です。(ここで「デフレではない国」の事例を持ち出すのはやめましょうね)


 それにも関わらず、財務省は、
「政府の財政支出は経済成長に貢献しない」
 を広めるべく、ついに詐欺統計にまで手を染めてしまった。


エビデンスが明確であるため、財務省の「詐欺」を否定することは誰にもできません。敵失です。あまりにも明らかな「詐欺」を活用して、財務省を追い詰めましょう。