一般に、「『話し言葉』と『書き言葉』は違う」と言われます。もちろん、英語もまた然りで、英会話では、あの「松本道弘先生」が40年以上も前に名著「giveとget」でも取り上げられた、いわゆる「口語英語」が使われています。
口語英語の特殊性は、その中で圧倒的な頻度で使われている「基本動詞(small words)」にあります。基本動詞としては、上述のgiveとgetが代表的ですが、他にも「go」「come」「take」「make」「put」など20数種類あります(注:捉え方/数え方により諸説あり)。
ところで、この基本動詞の中に皆さんが知らない単語があるでしょうか?およそ中学(義務教育)から英語学習を続けている方なら、きっと知らないものはないはずです。
ではなぜ、(基本動詞が多用され分かりやすいはずの)口語英語を難しく感じてしまうのでしょうか?それは、「基本動詞だけでは(多くの場合)文意がきちんと定まらない」からです。実際には、基本動詞の後に続く「副詞/前置詞」が意味の骨格を決めているのです。
基本動詞と副詞/前置詞との組み合わせ(例えば「get on」など)は「句動詞」と呼ばれています。皆さんの多くは、「句動詞は熟語表現(イディオム/慣用句)だから一つ一つきちんと暗記しなさい」と言われて愚直に実践するも、その「膨大な組み合わせの数」に圧倒され、やがて挫折してしまったのではないでしょうか?もちろん、かくいう私もその例外ではありませんでした。
「この基本動詞にはこんな熟語表現がたくさんある」的ないわゆる「動詞中心のアプローチ」は、基本動詞と副詞/前置詞の全ての組み合わせを記憶することを「強要」します。
これに対して、「副詞/前置詞中心のアプローチ」は、副詞/前置詞の共通イメージをまずしっかり把握した上で、「微妙なニュアンスの違いを編み出す基本動詞」との組み合わせを理解・学習させるようにします。
以下に解説するように、英語学習者にとって「両者の学習負荷の違い」は歴然です!
L:基本動詞の数、M:副詞の数、N:前置詞の数(例:各20種)とおくと、前者のアプローチ(丸暗記)の場合は「L*M*N(8,000通り)」の組み合わせとなり、後者のアプローチ(共通イメージによる理解)の場合は「L+M+N(60通り)」で済みます。※句動詞の「ほとんど」は慣用句ではありませんが、「覚えるしか方法がない本当の慣用句」も少ないながらも存在することは、念のため申し添えておきます。
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【追記】
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