「原田芳雄、バースデーライブ」を、改めて見直しました。


原田芳雄という、稀代の名優が、いかに役者仲間から慕われていたかが、よくわかるライブなのですが、最後の最後に、「生きてるうちが花なんだぜ」を唄う時に、客席にいた役者仲間たちが、続々とステージに上がりました。


柄本明、柄本時生、渋川清彦、大黒摩季、小澤征悦などがサプライズで参加するのですが、ひとり、このメンバーのなかでは、比較的若いお兄ちゃんが、申し訳なさそうにいることに気付きました。


カメラも、あえて避けているようにも見えました。誰だろうと、よーく見ていて、愕然といたしました。


松本潤です。多分、間違いありません。


大河ドラマで共演していた、大森南朋に誘われたのでしょうが、こういう渋いコンサートに顔を出すマツジュン、私は、好きです。


さらに見直して気付いたことを、いくつか。


ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの初期の名曲、「赤坂、一ツ木、どん底周辺」は、昔の芳雄さんが唄っている映像に併せて、宇崎竜童が唄い、岸部一徳がベースを弾くという、私には夢のような光景が見られます。こんな贅沢、二度と見られないでしょう。


私が最も聴きたかった、「横浜ホンキートンクブルース」は、コマーシャル前に、佐藤浩市、大森南朋、山崎ハコが唄うシーンが、ちらりと流れました。そうです。カットしやがったのです。こんな贅沢な共演を切るとは、何を考えているのでしょう。


※芳雄さんの遺作となった、「大鹿村騒動記」の御披露目の初日の様子を、昔、ワイドショーかなにかで見ましたが、車椅子で出てきた芳雄さんを見て、私は、息をのみました。あの、野性味溢れる芳雄さんが、ガリガリに痩せ、涙を浮かべているのです。これは、ただ事ではないと、嫌でもわかりました。おそらくですが、芳雄さんは、ファンにお別れに来たのでしょう。


この映画の挨拶で、佐藤浩市が、「最近では、現場では自分が一番年長で、大概誰かが挨拶に来るのですが、この映画では、俺が挨拶に回ってますからね」みたいなことを言っておりました。今回のコンサートの、大森南朋が、まさにそうでした。それくらい、そうそうたる面子です。