<ネタバレ有>舞台「雨と無知」雨team 23/11/29 | イベント参戦日記

イベント参戦日記

イベント参戦日記出張版(mixiとほぼ同内容)

@高田馬場ラビネスト

Wキャストの公演。昼の雨チームへ。

百瀬るうさん主演作品ということで、たまたま予定があったので当日券で。
(受付で、扱いについて言いそびれました。すみません)

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あらすじ

夢や憧れは、遠い場所にあるからこそ手を伸ばせば届きそうな錯覚に陥る時がある。
でも、それを追い始めた時に初めてそこまでの距離に気付かされてしまう。

”役者になって色んな人生を経験してみたい”
父親の反対を押し切って、自分の夢を追う為に田舎から上京する事を決めた藤原葵。
そこで出会ったとある劇団の舞台に立つ事がキッカケで、葵は家族の存在について深く考える事となる…。

雨は昔から嫌いだった。
でも、何も知らない自分がもっと嫌いに思えた。

これからはもう… 前に進むと決めたから――

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キャスト

百瀬るう:藤原葵
みひな:大澤優羽
夏川華鈴:上本旭
綾瀬美悠:高原薫
平塚美晴:杉野伊織
武田蛍:松井陽
新榮きよみ:小西千春

林一輝:オオサワ(?)
※SNSで林さんの出演がアナウンスされていました。
名前はたぶんオオサワだったような。みひなさんの出番のタイミングに違和感があったのでもしかしたら元々は林さんがやるキャラクターがみひなさんだったのかな、わからんけど。

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長野から女優を目指して上京してきた葵が2年前に上京して既に舞台経験を積んでいる友人の旭の出演作品を観てその劇団に出演することに。
個性的な劇団員とともに主宰が本当にやりたかったという会話劇をやることに。
父から上京を反対されながらも強引に上京してきた葵には作中の父にまつわる台詞がなかなか言えない。
本番が近づくなか、幼馴染の旭は葵の父と連絡を取っていたことを葵に告げる。
葵の父も一人娘を育てるために心を鬼にして彼女と接していた。それを反省した父親が葵の初舞台を観に来るという。
それを聞いた葵は父に電話をかけるのだった。

みたいな。

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80分の現代劇で、小劇場を題材にしたお話なのでとても見やすかったです。
きっと自分みたいな観客よりも演者の皆さんや関係者の方に、より響くような設定だったのかなと思いました。

冒頭のなんにも知らない葵が旭に言う「誰も知ってる人がいない舞台を4500円も払って(この作品のチケット代も同じ4500円)」とか「小さい劇場なのに売り切れとかにならないんだね」
みたいな台詞はなんか勝手にこっちがドキッとしてしまうような(笑)

11月公演(になるのかな)はガッツリ描かれてましたけど、その振りとなる稽古シーンで出てくる昆布フォーユーが出てきたときのワクワク感良かったし
「盛り上がるからとりあえず入れちゃおうよダンスシーン」って言ってた、ただただUFO踊るだけのシーンも面白かったです。
しかもフルで(笑) 普通に1曲覚えたってことですよね、それも凄い。

葵と両親の思い出の軽井沢への道中の暗い道。
大きくなって怖くなくなった葵の成長をみて逆に涙するようになった母親のエピソードになんか泣きそうになりました。笑
また、その母親が亡くなった日が雨の日だったからあまり良いイメージのない雨の日。
そんな雨の日が最後、父が自分のお芝居を初めて観てくれた日という思い出に上書きされるのは良かったなぁと思いました。

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箇条書き感想

るうさん:
・上京して夢を追いかける主人公というのは奈良県出身のるうさんにも重なるところがありました。
・松井と話していたときの「玄関にオブラート置いてきちゃいました」がなんか無性に印象に残って好きです。
・前回拝見したときはファンタジー要素もあった作品だったのでがっつり現代劇を初めて観たのですが、ナチュラルでとても良かったなぁと思いました。
・松井さんや小西さんに対するツッコミも冷静な感じで面白かった。

みひなさん:
・優羽はほぼお芝居本番とダンスシーンのみの出演でしたがそのため不思議な雰囲気のキャラクターという印象でそれがなんか優羽のキャラクターなんだなって感じで良かったです。
・美人なお姉さんがお芝居で面白い台詞言いまくってるのも良かったです。

夏川さん:
・旭は本当に良い子で、だから全部請け負ってしまうからこそしんどいところもあるんだけど、きっとそれでもやっちゃうんだよな。なんか分かる気がしました。
・でも言わなきゃいけないところはちゃんと言えるからとても格好良いなと思いました。
・目の前にいるのに見えない振りされて葵にイジられているところとかも仲の良さが感じられて良かったし、葵のことを思ってあえて父親とのやりとりを伝えるところも良い友達だなぁと思いました。

綾瀬さん:
・薫もケンカっぱやいところはあるけど劇団のことやいろんなことをよく考えているんだなぁと思いました。旭より先輩だから自分なりに旭や劇団に貢献したい気持ちがあるんだろうなと思ったり。
・辞めることを考えていたけどあんな芝居が出来るなら辞められない、みたいな演劇の魔力とでもいうんでしょうか。お芝居って良いよね、ってやって良いシーンだなと思いました。

平塚さん:
・おとなしそうな雰囲気なのにズバズバ言いたいことを言う、ある意味現代的な子、なのかな。
・葵が出る作品が伊織にとっても3作目とかのはずなのに存在感が凄い。彼女が初日どんな自己紹介したのかはちょっと気になりました。

武田さん:
・松井さんは正直友達にいたら面倒くさいけど、ハタから見れば愛嬌のある憎めない良い子だなぁと思いました。
・すぐヒスるけど反省するし、小西さんの教訓に素直に感銘受けてるあたりピュアなんだろうなと。
・ただ本心をなかなか打ち明けることができないその不器用さが彼女の良さであり残念なところだったのかも。それも主宰と飲みに行って面と向かうことで少しずつほぐれてきたりして。
・UFOも誰よりも踊りがぎこちなく、だけど笑顔や客席へのレスは誰よりも大きくて、掛け声のような歌パートも一番大きな声で歌っている。松井さんの良さが全部出てたなぁと思いました。
・あ、小西さんが帰ったあと真面目な顔して葵に契約の説明をし始めようとする(で葵からツッコまれる)ところ面白かったです。好きでした。

新榮さん:
・若い女性が多い作品において小西さんのインパクトは強い。
・端的に言えばねずみ講の勧誘なんだけど謎の説得力。聴きながら途中から「なるほど、駐車場のオーナーアリやな」とか思ったもん笑 演者さんの力かと。
・強いて言うなら若い女性たちの物語に小西さんの息子の借金のエピソードが必要だったのかな?というところはあるけど。
・「私は若者に夢を見せているだけ。現実の厳しさは私が逃げたあと知ればいい」あの台詞は欲しい気がするけど小西さんにもお金が必要な理由がある、悪人も人の子ってことなんだろうか。

林さん:
・劇団の主宰役。唯一の男性キャラなんだけど、うだつが上がらない感じ。正直やりたいことがあってそれをやると決意するまでは格好良いのにそれを旭に説明させるあたりがなんともしまらない。
・ギャグシーンではあるものの松井さんの提案かなんかに「うん、もうそれでいいや」って作品の演出にかかわるところも適当な印象もあったのだけど、仲間を守るために必死で戦っているということは分かったような気がした。
・そういう草食系というかグイグイいけないタイプかと思いきや葵のことは1,2週間で葵って呼び捨てにしてたりちゃっかりしてる。たぶん意外とモテる。
・稽古でお芝居始めさせるキュー振りみたいなときの癖が強い。

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こんな感じかな。
個人的には正直家族の物語というよりは若い女性たちがそれぞれ抱えているものに直面して戦っていこうとする成長物語のような印象を受けました。
リアルな、身近な設定の現代劇だからこそどんな人にでもストレートに響くものがある作品だと思います。
面白かったです。

以上。

戦利品は開演前に購入したるうさんのランチェキ。