<ネタバレ有>舞台「熱海殺人事件~売春捜査官」22/08/19 感想 | イベント参戦日記

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イベント参戦日記出張版(mixiとほぼ同内容)

@バルスタジオ

自分的に3回目のバルスタジオ。
ツツシニウムワークショップ、わかはさん生誕と今回。
全部わかはさんと福地さんがいる。


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キャスト

松木わかは:木村伝兵衛
笠原織人:熊田留吉
福地慎太郎:水野朋蔵
冨田浩児:大山金太郎

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あらすじはまぁいいでしょう。
女性主人公版熱海殺人事件。
女子が続いたため父から男子のような名前を付けられた警視庁の部長刑事が主人公。
水野は女性ではなくホモ。
木村と熊田は元恋人。

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熱海殺人事件関連作品を観たのは3回目だと思うのですが(うち1回がそれこそカガミ想馬プロデュース公演だった気がする)
直近でも4年くらい前だと思うので細かい話は覚えていない。
でもなんとなく笑いのないシリアスな作品というイメージだった。

けれど、今回は冒頭のシーンではコミカルなシーンもあって
(OPで登場人物が歌い継いでいくんだけど大山だけその輪に入れない、とか大山でいえばそれこそツッコミの飛び蹴りラッシュとか)
笑いも結構起こってました。なんならコメディかってくらい爆笑してる方とかも。
わかはさんが瓶を机から落としてしまうハプニングでみんな笑ってたり、あと大山が「"ば"のつくことだよ」というと
それぞれが「バイオハザード?」「バルスタジオ?」「バイキンマンハザード?」と大山のツッコミを誘っていたり。
結構とっつきやすい冒頭だったなと思いました。105分シリアスなのかなーと思っていたので。

被ってるという言葉に「なんでわかった!?」をカブせて木村が言うと「お前にはカブるものがないだろ」とかいう下ネタw
バストサイズを盛った木村にそれぞれブラカップもってきて最終的には10㎝以上盛ってることがわかるとことか特に笑い大きかったような気がします。

あとは以前観た作品で時代設定が古いのに登場人物が携帯電話を使っていて気になったことがあったんですが、今回それもなく。

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白鳥の湖をバックに怒鳴り散らかす木村という冒頭の印象的なシーンからわかはさんが凄かった。
バルスタジオの最後列って、劇場が広いから音は響くんだけど台詞が聞き取りにくかったりもするんですが、
わかはさんの声って真っすぐ響いてくるというか。聞き取りやすいなと思いました。
男性陣で言うと福地さんの声もすごい聞きやすかった。

とにかく4人とも体力芝居で(厳密には木村を刺すストーカー?役の方もいるのだけどどこにもお名前がないので割愛)
わかはさんや福地さんの作品は比較的多く観ているのだけどそのどれとも違う難しい台詞に、感情表現がぽんぽん変わっていく目まぐるしさ。
純粋に非常に刺激的なお芝居であることは間違いないんだけど、演者の負担たるや。
オレンジの囚人服を着ている大山(というか冨田さん)は汗で服の半分以上の面積が色変わってたり。

感情のふり幅が大きいので例えば熊田でいっても1人のキャラクターの3つくらいの人格を演じているような。
それでいて後半は大山の事件の真相を各々関係者になりきって演じていくわけですが、その演じ分けも4人とも見事で(大山は大山のままだけど)
前半と後半で別の作品を観ているような複数の演技合戦が楽しめるような感覚?

話自体は熱海~のWikipediaに書かれていたけど木村がやり方は不器用だけどそれぞれの男たちを成長、気持ちに気付かせ前向きにしていくような。
決して明るい話ではないけど、希望的なラストでもあり。というような話で良かったです。

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これまで観たわかはさんの演じるキャラクターどれとも違くて、それでいてこれまでの全てが詰め込まれたような
言い方あってるのか分からないけど集大成みたいな。木村伝兵衛を演じるわかはさんを観てそんなことを思いました。
鬼気迫る表情、悪にも映る刑事、中盤頃の客席の奥をみてにらみつけるような表情なども素晴らしかったけど、
大山が殺すことになった山口アイコを演じているときの弱さや辛さ、悲しさ。
全部良かった。推してきて、この作品の観劇に辿り着いて良かったなぁ、と。
あと次の作品も主演だけど、座長として挨拶を主導してるわかはさん良いなって思った。

男性陣の3名も本当に凄かった。
笠原さんの若き刑事のひるまず噛みついていくような感じの荒々しさも格好良かったし、
冨田さんは前述のとおり、汗をダラダラたらしながら心の中の気持ちをなんとか振り絞るように話す中盤以降の切なさ良かったし。

福地さんも李大全役も良かったけど、赤いワンピース姿で登場したシーンが特に印象的で。
照明がつくと赤いワンピースにハイヒールの水野がいるというシーン。
そこだけ切り取れば出オチのギャグみたいですが、一切笑いが起こらない。そこまで物語を組み立ててきた結果で凄いことなんじゃないかと。
違和感に引っ張られないくらいこの作品に客が没頭してる感じというか。
それでいて福地さんのワンピース姿が綺麗なんですよね。前後の両親が水野に対してどう想っているか、どう想っていてくれているかのシーンがとても良かったのもあり、あの水野の姿はとても格好良かったです。

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Wカテコあり。冨田さんが挨拶してました。
その後、演者によるお見送りあり。コミュ障なので演者さんの顔を見れなかったけど
あんな迫真の演技をされた4名が笑顔でそこにいらっしゃる姿に、なんか安心しました(笑)

戦利品はパンフ、ブロマイド、集合ブロマイド、チェキ。
朝比奈さんの写真はいつも魅力的です。

今後わかはさんのことをファン同士で語り合うことがあったとして、「あれ観た!?」って
なる作品ってたぶん次作SOSかこの売春捜査官だと思うので、本当に観に行けて良かったなぁと。
いや、いないけど語り合う人。