終わると俺はその足で羽田空港に向かった。
もう三週間前になる。
俺はまずバンコクからタイの
北の都市コンケンに呼ばれた。
そこで一人重症な腰痛患者様を診ると
その成果に驚かれ次の日自宅にさらわれた。
Wi-Fiもタイ携帯の電波も届くか
届かないかのど田舎だった。
人々は家畜と暮らし文明の利器は
クルマやバイク位だろう。
未だに携帯を持っていない人も多い。
そこで膝の痛い爺さんの治療をしてきた。
言葉はコップンカーしか知らない。
誰も日本語も英語も喋ってくれない。
でも村人は僕を好きになり、
確かにずっと居てくれと言ってくれた。
翌週、俺はマレーシアに飛んだ。
格闘技の世界タイトル戦を控えた
鈴木選手のケアを頼まれていたのだ。
リングに上がる2時間前最終調整を行った。
やるべき事はすべて行えた。と自負している。
彼は2週間前のギックリ腰からのV字回復からの
世界チャンピオンになることが出来た。
翌日俺は再びタイのバンコクに帰ってきた。
バンコク病院の整形外科の理学療法士の
キャプテンと何度も打ち合わせをした。
前回バンコク病院のセミナーで
ひと段落を終えたからもう教えるのは
今日で最後と言ったのだが、
どうしてもまた教えて欲しいことがある。
治せない人のケーススタディを
もう一度病院に来て皆に教えて
もらえないだろうかと打診してきた。
少し考えたが、頼まれごとを
断らない僕は後日快諾した。
バンコクのラジオ放送局で1時間半の番組に
出演して腰痛についてしゃべり倒してきた。
タイの放送局出演は2度目になる。
今回はかなりリラックスして喋ることができた。
バンコク在住の日本人で腰痛が酷くとうとう一回で
治せなかった方と仲良くなっている。
治療なしで一緒に食事に出掛けた。
最近思うのだけど、
治る治らないは関係なく患者様と
プライベートまで付き合えるな。
ということに気がついた。
椎間板がほとんど無くなり骨同士が
ぶつかりそうなくらいな状態と
病院で言われたそうで、
なかなか触らせてもらえない部位があったんだ。
画像みせられたらそこは刺激をして欲しくない位
怖くなっちゃってとその患者様は言うんだ。
恐怖心ある人を無理には触れないしアエナク敗北(-｡-;
治るから僕と付き合うというわけじゃなく
治らなくても仲良くなれるというのは
恐らく誠心誠意この方の腰痛と
向き合ったことから始まっていると思っている。
いつかもっと素晴らしい方法を作り出して
このトンデモない腰痛を改善させたいと思っているんだ。
タイ人はサッカーが大好きなんだ。
屋台やお店では昔に本で力道山の試合に
群がったと言う状態でサッカーを
店の中からも外からも観戦しているんだ。
Jリーガーの選手たちは今年は最大で65人が
タイのプロリーグに引き抜かれて
助っ人外人として活躍している。
その内の3選手と人を介して知り合うことができた。
彼らは日本で充分成果を出しスカウトされた。
でも怪我はつきものでいつかは
彼らのケアをすることがあるかもしれない。
そんな出会いとなった。
やはりスポーツマンは爽やかだ。
付き合いやすい連中だ。
またタイ警察の外国人捜査官の構想が
ありそんな打ち合わせにも顔を出した。
僕は捜査官というよりも彼らの
腰痛を治す係りになりそうだが。
タイは縁がある国のようで何処からともなく
いろんな話が舞い込んできて形になって行くんだ。
そして、僕は決意した。
この国でとうとう法人を作ることになったんだ。
会社設立に相当な時間を費やした。
うまく行くかなんかやって見ないとわからね～。
僕はいつもこの作戦。
まずやって見て、ヤりながら修正を加え形にして行く。
この会社をじっくり育てて行くんだ。
盛りだくさんの治療の旅は最終日、
再びバンコク病院の整形外科、
リハビリ科の理学療法士達の前で
講義をすることになった。
皆、一生懸命だから高度な質問が飛び出す。
解剖学の解釈が違い沢山の質問が繰り返される。
ハワイでの人体解剖実習以降、
僕は更に解剖学が好きになっていたから答えられたけど、
この実習なしには上手く答えられなかったかもしれない。
ホントに実習をして来ていて良かったし
僕は毎年何度でもこのハワイでの
人体解剖実習を続けて行くつもりだ。
皆もよかったら一緒にどうですか？
参加希望者はホームページから
ジャーマネ藤田に問い合わせてみて。
彼らは新しいNEWベーシックを学ばせ、
セミナーが終わる頃胸のつっかえが
取れたようにいい顔をしていた。
この病院は、腰痛に限らずほとんどの症状は
医師の指導でKYTで治療していると
理学療法士のキャプテンが言うんだ。
こうして医師を巻き込めるのは
イイものはイイから取り入れようとする
柔軟な国じゃないとあり得ない話なんだ。
このタイからこの治療を
スタンダードにして行きたいと考えている。
毎回どの国に滞在していても
日本に戻る前日は少しセンチになる。
ビール片手に撮り集めた
写真を一枚一枚眺めながら、
一人ホテルでセンチに浸る。
今回は特に地方都市も見に行けて
更にこの国が好きになったよ。
明日帰国の途につき今月末から始まる
KYT2014東京セミナーに向かって全力で取り組みます。
バンコクより
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