こんにちわ。
やまとメンタルクリニック院長の和田です
先日の台風は凄かったですねぇ
当院は当日も休まずに一応は
開けておいたのですが、
案の定、午後の診療には誰もこず…
仕方ないので
心理士さんと2人でボードゲームを楽しみながら
台風が過ぎ去るのを待っていました(笑)
↑最近の流行りはこれ(ブロックス)です。
小学生のお子さんでも楽しめますのでお勧めです♪
(というか、むしろ直観力に強い子どもの方が強いかも…)
…ちなみに結果は私の負けでした
翌日は台風一過(いっか)ということで快晴でしたが、
その分、暑すぎて結局外には出られないという…
自然の厳しさを感じている今日この頃です
さて、話はがらっと変わりますが、
去る8月30日に、以前にお世話になったことのある
発達障害支援センター「アプリコット堺」さんからの依頼で
「子どものすいみん」という内容で
講演会を行ってきました
最近喉の調子が悪いのと、そもそも人前で喋るのは苦手ですので
あまりやりたくなかったのですが…
で、講演をしてみていつも思うこと。
それは、
「たくさん伝えたいことはあるものの
結局は大体7割くらいしか伝えきれず、
なんだかもやもやする」
のです。
私は精神科医として、
「自分がした失敗体験なども治療に応用できないか?」
と考える癖がありますので、
講演会での
「なんともいえない不完全燃焼感」
について今回は考えてみようと思います
診療の場でみられる同じような場面となると…
!!思いつきました!!
まずは「場面緘黙」があげられます。
場面緘黙の定義に関しては当院のホームページをご覧いただければ
書いてありますので詳細は省きますが、
「場面緘黙」の方は
「しゃべれない」
だけであって
「何も考えていない」
わけではありません
他では就学前のお子さんの相談でよくある
「発語の遅れ」もそうですね。
「周りの子と比べて言葉が少ない!」
と心配した家族さんに
連れてこられるケースが多いのですが、
一緒に遊んだり、診察室内での様子をみていると、
「確かに言葉は少ないが、
こちらの言うことは理解できている」
「言葉で表現はしないが、
行動をみていれば何をしたいかがわかる」
といったことも多く、やはり
「何も考えていない」
わけではありません
他にも、
「本人なりに色々と一生懸命考えているけど
単に相手に伝えきれない」
という状況は、よくよく探せば世の中に転がっているかと思います。
このように、当たり前といえば当たり前の状況なのですが、
精神科クリニックにこられる方々をみていると
治療を焦っているご家族さんが多い印象を受けます
「何もしゃべらない」=「何も考えていない」
と腹を立ててしまっていたり…
「何もしゃべらない」=「ずっとしゃべれない」
とその子の将来を憂いていたり…
「何もしゃべらない」=「本心が分からず不安」
と家族が不安を感じていたり…
と、焦りの理由は様々です。
もちろんどの焦る気持ちも治療へのモチベーションになるので
大切に扱いたいところですが、
焦りすぎることが本人のプレッシャーになって
萎縮してしまっては元も子もありません。
焦って喋ると、
「早口になったり」
「舌がもつれたり」
してしまい、
結局伝えたいことが十分相手に伝わらず、
喋ることが嫌になってしまうからです
ですので、
今回は「しゃべれない」、「しゃべるのが苦手」
という家族さんがいらっしゃる方で、
当ブログをご覧中の方に
1つだけお伝えしておきたいことがあります
気持ちを言葉で出すのが苦手な方の
コミュニケーション能力を高める第一歩は
①「一家団欒(いっかだんらん)で
家庭内での会話を増やすこと」。
そして、
②「少々しゃべれない時期があっても
それが永遠に続くわけではないため、
決して一貫(いっかん)の終わり
ではないこと」。
③本人が頑張ってしゃべったものの
上手く聞き取れなかったりした時に
「『え?なんて?もう一回(いっかい)!!』
とあまりしつこく聞き返さないこと」。
(本人が「頑張ったけど上手くできなかった…」と自信を失くすので)
④人前では話せなくても家族とは普通に話できてるから
「まぁいっか♪という余裕を持って欲しいこと」。
といったことを意識してもらい、
「言葉でのコミュニケーションにこだわりすぎるあまり、
言葉以外のコミュニケーションまでも避けてしまうような事態に
陥らないよう」心がけてもらえればと思います
それでも言葉がでないことに対しての心配が強い方の場合、
薬物療法やカウンセリングで会話の練習をするという手もあります。
その際は当院で心理士とも共同で一括(いっかつ)して
対応させていただきますので、
ご希望の方はまた相談いただければと思います
ということで今回は台風一過(いっか)にかけまして
久々にダジャレ三昧のブログにさせていただきました
停電や信号機の故障、家屋倒壊など、
街中にはまだまだ台風の爪痕は多く残っております。
被災された方には心からお見舞いを申し上げますとともに、
当ブログが少しでも皆様の癒しになりますようにと祈りつつ…
今回はこのへんで。
ではまた。