埼玉県の県庁所在地といえば、今の
さいたま市発足以前は、「浦和市」であった。
この旧浦和市は、
東京のベッドタウンとしてだけでなく、
Jリーグの『浦和レッドダイヤモンズ』の
フランチャイズとしても、全国的に
有名であった...。
古くは、中山道の宿場町として、にぎわって
いた浦和だが、その玄関である浦和駅は、鉄道網の
駅に交通の拠点としての地位を奪われてしまい、
新幹線どころか、ひと昔前までは、特急・
急行も止まらない県庁所在地の駅として、
知られていた...。
とはいえ、東京駅から、約40分という絶好の
ロケーションにあることから、浦和の人口は
爆発的に増加。これに対応するため、もとから
あった東北本線(京浜東北線)に加え、新たに
武蔵野線と埼京線が開通したことは、沿線に住む
人なら、よくご存知のはずである。
現在浦和には、南北を東北本線(京浜東北線)と、
埼京線が、東西を武蔵野線が走っているが、
その駅名を調べていくと、おもしろいことに気付く...。
旧浦和市域に位置する駅として、東北本線
【編集後記京浜東北線)には、与野(旧与野市ではなく、
浦和市内にあった)、北浦和、浦和、南浦和駅の4駅、
武蔵野線には西浦和、武蔵浦和、南浦和
東浦和駅の4駅、埼京線には、武蔵浦和、中浦和の
2駅が存在した。
重複しているものを除くと
全部で8駅になるのだが、東・西・南・北の
浦和駅が、そろっているだけでなく、内7駅の駅名に
「浦和」が、ついているではないか!?
世界でも有数の鉄道国・日本だが、東西南北
すべてそろった駅名を持つのは、ここ浦和
だけしかないという...。
(「仙台」も「東仙台」
「北仙台」「南仙台」と
、臨時の「西仙台ハイランド」
があるので、”準東西南北のそろう駅”
という見方もできよう...)。
そのうえ、「武蔵」と「中」まであるのだから、
よくこんがらがってしまわない
ものだと感心する...。
しかし、歴史をたどれば、7つの浦和の駅名は、
そのまま浦和の発展の証ともいえるもので
あり、住民にとっては、それぞれに愛着の
ある駅名なのだろう...。
平成13年には、新たに第3セクターの
「さいたま高速鉄道」も開業し、終点には「浦和美園」駅が
設けられた。これで、「浦和」は、8兄弟と、なったわけで、
まさしく”浦和のデパート”である。
さて、そんな「浦和」に対抗しているのが、
「千葉市」ではないだろうか...?
千葉市内で「千葉」とつく駅名を探すと、
JRに千葉、西千葉、東千葉、本千葉、
千葉みなとの5駅。
私鉄では、京成電鉄の新千葉、
京成千葉、千葉中央、千葉寺、千葉都市モノレールの
千葉みなと、千葉、千葉公園の7駅があり、
重複している千葉、千葉みなとを1駅と数えても、
10駅も存在する。
待ち合わせの際は、十分にご注意を...。
備考:この内容は、
2009-11-30
発行:KKベストセラーズ
「つい誰かに教えたくなる鉄道雑学」
より紹介しました。