自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。
佐賀県伊万里市の古伊万里酒造さんが醸しているお酒です。
古伊万里酒造の杜氏は2020BY頃から忽那信太郎氏が担っていましたが、彼は2022BYを最後に突如、退任し、古伊万里酒造を去りました。
理由は不明です。
このため、忽那氏が杜氏になる前まで10年以上、杜氏だった前田くみ子蔵元社長が再び杜氏に返り咲いた模様です。
2024BYに向けて後任を選定中と見られます。
忽那氏は2005BYから篠崎(福岡県)で杜氏。
2008BYからは山の壽酒造(福岡県)の杜氏に移籍しましたが、2015BYを最後に突然退任。
しばし、浪人をしていましたが、数年後、古伊万里酒造に蔵人として入社し、2020BYから杜氏に就いていました。
古伊万里酒造を去った後の行方は不明でしたが、実は最近、空太郎はある酒蔵で偶然にも蔵人として働いている忽那氏を発見しました。
蔵元からは「そっとしてほしい」と言われたので、ここでは酒蔵の名前は伏せておきますが、そこの杜氏は「彼が心配だから引っ張ってきた」と話していました。
いずれ、明らかになると思います。
さて、いただくお酒ですが、雄山錦55%精米の純米酒、火入れです。
上立ち香は繊細で軟らかな甘い香りが適度に。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、歯切れ良く滑り込んできます。
受け止めて保持すると、自主的にリズムを取りながら膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。
粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。
甘味は上白糖系のさらりとしたタイプ、旨味はシンプル無垢で、気持ち粗めの感触で、両者は足並みを揃えて、切れ味のはっきりとしたダンスを踊ります。
流れてくる含み香も熟したバナナのような香りで薄化粧を付与。
後から酸味と渋味が適量現れて、効果的にメリハリを形成。
甘旨味は終盤までペースを崩さずに外連味のない舞いを踊りきるのでした。
杜氏の急な退任を感じさせない盤石の仕上りでした。
お酒の情報(24年193銘柄目)
銘柄名「古伊万里 前(こいまり・さき)イニシオ 2023BY」
酒蔵「古伊万里酒造(佐賀県伊万里市)」
分類「純米酒」
原料米「雄山錦」
酵母「不明」
精米歩合「55%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込み)「720ml=1760円」
評価「★★★★★(7.6点)」