新潟「八海山 純米吟醸 雪室貯蔵三年」低温熟成で寝かされた甘旨味がまろやかさを極める | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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 自宅の晩酌にお酒を選びました。 これです。

 

 

「八海山(はっかいさん)純米吟醸 雪室貯蔵三年」。

新潟県南魚沼市の八海醸造さんが醸しているお酒です。

 

八海醸造は豪雪地の地の利を生かそうと、2013年に雪室を建設し、毎年約千トンの雪を蓄えています。

室の中は摂氏3度で安定し、しかも高湿という環境にあることから、日本酒の貯蔵に適しているのではとすぐに実施。

 

専用タンクに純米吟醸酒を入れ、3年貯蔵しました。

イメージした通りのまろやかな味わいになったことから、2016年から新製品としてリリースしています。

 

 

近年はダム湖の湖底とか海中などいろいろな貯蔵酒が登場していますが、雪室は洞窟とともに定番といえそうです。

麹米に山田錦、掛米にゆきの精と五百万石を使った、50%精米の純米吟醸です。 いただきます。

 

 

上立ち香はトロリとした酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に適度なとろみ層を乗せて、ゆったりとしたペースで転がり込んできます。

 

受け止めて保持すると、スローペースを維持しながら膨らみ、拡散して、適度な大きさのウエットな粒粒を次々と射掛けてきます。

粒から現出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は黒砂糖を思わせる奥行きのある印象、旨味も複層したタイプで、両者は穏やかな態度で足並みを揃えてスローな舞いを展開します。

 

流れてくる含み香は熟成香はなく、まろやかな甘い香り。

後から酸味は現れず、ごくごく少量の渋味が隠し味に。

甘旨味はあくまでもまろやかな雰囲気を極めようと舞い、終盤になってもあまり縮退せず、飲み下した後も、優しい余韻が長く伸びるのでした。

 

 

低温貯蔵酒ならではの味わいでした。

 

お酒の情報(19年188銘柄目)

銘柄名「八海山(はっかいさん)純米吟醸 雪室貯蔵三年 2016BY」

酒蔵「八海醸造(新潟県南魚沼市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「麹米=山田錦、掛米=ゆきの精&五百万石」

使用酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「17度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税抜)「720ml=3100円」

評価「★★★★(4.4点)」