日本の『国技』と言えば!?
 
「相撲」ですよね。
柔道や剣道もありますが、「日本の国技は?」と聞かれたら、「相撲!」と答える方が多いと思います。
大きな体がぶつかり合う様は、どのスポーツにもない独特の迫力感があります。
 
「相撲」は、人間の闘争本能の発露である力くらべや、取っ組み合いから発生した伝統あるスポーツで、歴史はかなり古く、古事記(712年)や日本書紀(720年)の中にある「力くらべの神話」や、「宿禰(すくね)・蹶速(けはや)の天覧勝負の伝説」が起源とされています。
当初「相撲」は、その年の農作物の収穫を占う祭りの「儀式」として、毎年行われていました。これが後に宮廷の「行事」となり、武士の時代には「力くらべ」となり、江戸時代には日本の「文化」と発展して現在に至ります。
 
さて、日本の国技は「相撲」ではありません。
実は日本の国技は「ありません」!
 
日本相撲協会のHPにも『国技といわれ、日本の伝統文化である相撲。』と記入されていますが、法令的には日本の国技は定められていません。
法令的に「国技」として定められているものは、世界で『12』しかありません。
①アルゼンチン・・・パト
②ウルグアイ・・・クリオーリョ式馬術
③カナダ・・・アイスホッケー、ラクロス
④コロンビア・・・テホ
⑤スリランカ・・・バレーボール
⑥大韓民国・・・テコンドー
⑦チリ・・・ロデオ
⑧バハマ・・・セーリング
⑨バングラデシュ・・・カバディ
⑩プエルトリコ・・・パソ・フィノ
⑪ブラジル・・・カポエイラ
⑫メキシコ・・・チャレリア
 
「国技」は大きく2つに分かれます。
A:国家機関によって特別の地位・待遇を与えられているもの(=国技)
例:パト(アルゼンチン)、アイスホッケー(カナダ)など
B:国民に深く親しまれ、その国の文化にとって特に重要な位置を占めるという考えが提唱され、一定の範囲で広められているもの(=国民的スポーツのようなもの)
例:相撲(日本)、野球(アメリカ合衆国)など
 
なお、「はっけよい」は『発気揚々(はっきようよう)』が詰まってできた言葉、行司は腰に小刀をさしていますが、その小刀は「軍配(勝敗)を間違えた際、切腹するため」にあるんだそうです。
 
参考資料:
今すぐ話したくなる知的雑学 知識の殿堂(著:曽根 翔太)
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