まだまだ「ジェネリック」に抵抗を持たれる方が結構いるそうですね。
 
現在、『ジェネリック医薬品、抵抗ある?』というアンケートをYahoo!の意識調査でしています(実施期間:2017529日~201768日)。
 
2017659:32現在、合計票数116,090票(男性:78.3%、女性:21.7%)、『ある』と答えた人が33,393票(28.8%)、『ない』と答えた方が82,697票(71.2%)となっています。
『ない』と答えている人が2倍以上いますが、やはりまだまだジェネリックに対する意識や知識は浸透していないのでは?と結果やコメントを見て思いました。
 
お薬は、先発品・ジェネリック共に言えることですが、『飲んでみないとわからない』ということがまず言えます。
お薬が効く人もいれば効かない人もいる、副作用が出ない人や出る人もいるということです。
考えてみましょう。
あなたの隣にいる人は、性別は同じでしょうか?見た目は同じでしょうか?思考・嗜好・趣味など同じでしょうか?体重は同じでしょうか?経験や状況は同じでしょうか?
もしかすると、双子でいるかもしれませんね。
しかし、結婚相手は同じ人でしょうか?
誰一人、自分と同じ人はいない!オンリーワン!なんてフレーズ、どこかで聞いたことあると思います。誰一人、同じ人はいません。
お薬の効き目にもそれは言えることです。お薬は『飲んでみないとわからない』ということです。
 
まず、『ジェネリックだから効かない』とは言えません。先発品もジェネリックもそれなりに国がきちんとした体制で承認を出すわけですから。
 
では、『ジェネリック』がダメなところはどこか?
本当に「ジェネリックに抵抗がある」人は『どこ』に抵抗があるのでしょうか?
 
コメントを見ていると『きちんと説明を受けていない』というコメントがちらほら見えます。
やはり、原因はココでしょう。(自分は100%ココだと思っています。)
 
商品には必ずと言って「取り扱い説明書」があります。
ないとどう使っていいかわかりません。
お薬には『添付文書』という「医療機関用の取り扱い説明書」があるのはご存知だと思いますが、お薬をもらう時、その『添付文書』はもらえません。
そこにその薬の全てと言っていいことが書いてあるものなのに、もらえません。
貰えるのは『簡易的なお薬の情報』しかもらえません。
 
そのほかの情報は?
 
『薬剤師が伝える情報』のみです。
だからこそ、患者さんは『薬剤師から』情報を得ないといけないのです。
同じお薬を定期的にもらっている人は、特に薬剤師からの情報が不足しがちです。
 
薬剤師は『その人に合った情報』を提供しないといけません。
妊婦さんなら飲んで大丈夫かどうか?
男性にしか使えないお薬を女性が触ったらどうすればいいのか?
人がお薬を飲んだら『一般的に』どのような副作用が出るか?
など、その情報を患者さんは薬剤師から得ることをしなければ、症状は停滞したまま、ときには漫然治療で気が付いた時には・・・なんてことも考えられるのです。
 
「ジェネリック」はさらに得られる情報が少なくなりがちです。
『前と同じ成分が入っているから大丈夫』というフレーズが多用されて、情報が得ずらいからです。
『何かわからない点は?』と聞かれても、わからない点がわからない。
ココがジェネリックに対して抵抗がある部分ではないでしょうか?
飲んで『効いていない』、副作用が出てから『聞いていない』では、何ともできませんので、ジェネリックに変わったときは特に情報を得る努力が必要です。
 
また、
ジェネリック→安い→粗悪品!?
なら、
ジェネリック→お値段そのまま、または高い→良品!?
とはなりませんよね。
正直、ジェネリックの値段がそのまま、または高くなればメーカーは確実にぼろもうけでしょう。自分もそんな状況ならメーカーになります。いや、絶対。
 
「ジェネリックに抵抗がある」責任は国にもあり、薬剤師にもあり、そして患者さんにもあるのです。
 
医療費を削減する方法は「ジェネリックにする」だけではありません。
「お薬手帳を持ってくる」「一包化しない」「なるべく軽い症状の時はOTCを使う」「かかりつけ薬局・薬剤師を持たない」などなどたくさんあります。『ジェネリックに変更しない』場合でも医療費を削減できる場合があります。
「ジェネリックにする」目的は「医療費を削減する」ことではないということです。
 
「ジェネリックにする」本当の理由は、『飲む患者さん本人がジェネリックを希望する』でなくてはいけません。
「国が推奨するから変更」「前と同じだから大丈夫」「いわれるがまま」じゃダメなんです。
2010年のジェネリック普及率は、アメリカ91%、ドイツ82%、イギリス73%、フランス62%。日本は2015年でも56.2%。
他国と比べていますが、大切なのは、日本は日本でいいということ。他国をマネするようなものでもありません。
 
長くなりましたのでまとめてみました。
・お薬は、先発品もジェネリックも『飲んでみないとわからない』
・国の承認などもあり責任の所在が明らか、『ジェネリックだから効かない』とは言えない
・現在は『きちんと説明を受けていない』状況が多々ある
・「ジェネリックにする」目的は「医療費を削減する」ことではない
・「ジェネリックにする」理由は、本来『飲む患者さん本人がジェネリックを希望する』でなくてはいけない。
 
そして、自分がわからないこと、不安に思うこと、疑問に思うこと、くだらないと思うこと、なんでもいいのです。自分の納得のいく情報を得るため、薬剤師を活用しましょう!
それに限ります。
 
参考URL
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69216321.html(かかりつけ薬剤師とは?)
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69298177.html(かかりつけ薬局とは?)
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69345706.html(薬剤師がジェネリックに変えることができない場合)