「胃薬」と一言で言っても、この世にはたくさんの「胃薬」が存在するって知っていますか?
「胃薬」の使用を間違えると、治らなかったり、ひどくなったりしますので、きちんとした「胃薬」の知識を身につけましょう!
と、その前に「胃潰瘍」のお話を。
「胃潰瘍」は、胃酸やペプシンなどの胃を攻撃する『攻撃因子』と、その攻撃から胃粘膜を守る『防御因子』のバランスが崩れることで粘膜障害を起こした状態をいいます。
・攻撃因子:ピロリ菌、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、胃酸、ペプシン、ストレス、喫煙など
・防御因子:粘液、粘膜血液、セクレチン、HCO3-(重炭酸イオン)、プロスタグランジン、コレシストキニンなど
ということで、「胃潰瘍」は『攻撃因子』が『防御因子』より多い状態だということはわかりましたね!
ということは、「胃潰瘍」のお薬(胃薬)は
①『攻撃因子』を出にくくする(抑える)お薬
か、
②『防御因子』を増強させる薬
の2つがあると考えられます。
①は胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬、H2受容体拮抗薬、抗コリン薬、抗ガストリン薬、局所麻酔薬)と制酸薬があります。
①で有名なお薬は「ガスター」「アシノン」「プロテカジン」「タケプロン」「パリエット」「オメプラール」「重曹」「酸化マグネシウム」です。
②はプロスタグランジン製剤、組織修復・粘膜保護薬があります。
②で有名なお薬は「ムコスタ」「セルベックス」「サイトテック」「プロマック」「アルサルミン」「キャベジン」です。
なお、「ピロリ菌による胃潰瘍」は別物です。
「ピロリ菌による胃潰瘍」には3種類のお薬を同時に使います。
・プロトンポンプ阻害薬:胃酸の分泌を抑えて抗生物質の効果を高める
・アモキシシリンなど:様々な細菌の発育を抑える
・クラリスロマイシンなど:ピロリ菌に対しての抗菌作用を高める
です。
「胃薬」はどれを飲んでもいい!ということではありません。
市販薬など「胃薬」を買う時は、用法容量を注意する前に、自分の胃がどの状態なのか確認し、『攻撃因子』を抑えたほうがいいのか?『防御因子』を補増強したほうがいいのか?をまず注意しましょう!
参考資料:薬が見えるVol.3(MEDIC MEDIA)
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