「ゆとり世代」の学力は本当に低下してるの? 教育者の方々に尋ねてみました
学力テストの要不要が問題となったり、テスト結果を公表するか否か..........≪続きを読む≫
学力テストの要不要が問題となったり、テスト結果を公表するか否かが取りざたされたりと、何かと議論されることが多い現代の子どもたちの「学力」をめぐる問題。中でも「学力低下」があるか否かは賛否両論分かれるところですが…本当のところはどうなんでしょうか?
03年度から実施された「高等学校における学習指導要領の改訂」が、現在の子供たちの学力低下につながっている、というのは今や定説となりつつあります。この時期に高校で授業を受け始めたことになる87年度生まれの世代は、マスコミから「ゆとり第一世代」と呼ばれ、以降の子供たちは「ゆとり世代」などと揶揄されるようになりました。
ネット上などでは、ゆとり世代の「著しい学力低下」が話のネタとなることもしばしば。例えば2ちゃんねるに立てられた「塾講師やってて『お前、それはねーよ‥‥』って思ってこと」 というスレッドには、主に今時の中高生の学力低下を指摘する様々なエピソードが紹介されています。
問い: 」(←直角)これ何度?いやいや。いくら何でもこれはネタでしょう…と、思わず我が目を疑うエピソードが他にも満載。こんな事態が本当に起きているのだとしたら、ちょっと日本の将来が心配になってきます。
解答:40度
問:正三角形の内角は一つ何度?
解答:180度
問:植物が光合成してできるものは?
解答:日光
問い:第一次世界大戦のきっかけにもなったオーストリアの皇太子が暗殺された事件をなんというか?
解答:オーストリア皇太子暗殺事件
そこで今回、教育の現場で働く4人の方に話を行い、ネットでウワサされているような「ゆとり世代の学力低下」が、実際あるのかどうかを調べてみることにしました。
【今回、ご協力頂いた方】
1. Aさん‥‥埼玉県北足立郡で生徒数160名の塾講師勤務(エリアマネージャー)。個別指導のため、レベルは下位から上位まで。■まず、いわゆる「ゆとり世代」と言われる生徒たちの学力は、明らかに下がっているのでしょうか。
2. Bさん‥‥東京都大田区で生徒数30名の塾講師。対象学年は、小学1年~高校3年生。
3. Cさん‥‥埼玉県草加市で塾講師勤務。偏差値30~70まで幅広いレベルの生徒が受講。
4. Dさん‥‥Cさんが勤務する塾の塾長。ゆとり世代より前の生徒の実態もご存知の方。
A:生徒たちの学力は確実に下がっています。ただし基礎力として下がっているのではなく、学習機会、学習意欲が低下しているということです。■ご協力頂いた4人の方全員が、「生徒たちの学力は下がっている」と明言されております。では、生徒自身の勉強に対する取り組み方はどうでしょうか。
B:学習時間が少ないですから総合的に見たらやはり学力は低いですね。また、私学でゆとりとは関係の無い学校に通っている子供との差は実際にかなり大きいと思います。
C:以前を教えたことがないので比較は出来ませんが、毎年授業(数学)のレベルを少しずつ下げています。生徒の偏差が全体的に下がったということではありません。
D:常識的な知識を知らない生徒が増えています。本を読まない、あるいは読めない。英語で言えば、知っている単語数が少ないです。
A:現在の生徒たちは、PCに例えるとハードディスクにたっぷりの情報を詰め込む方法しか知らず、繰り返し学習が嫌いなので全くもってOSが強化されていません。そして短期暗記力(メモリ)が弱いので、一度に処理できる情報量も少ないのです。■なるほど。Aさんの、PCに例えたお話は大変分かりやすいです。では学校についてはどうでしょうか。変化してきていることがありますか?
B:単純に人それぞれですが、目的意識の低い子供は増えていると思います。なので、そこまで真剣に取り組んでいる子供は少ないですね。例を挙げれば、「平均で何が悪いの?」といった感じです。
C:一概には言えませんが、不真面目な生徒が増えたという印象はありません。
A:もちろん一生懸命働いている方も沢山いらっしゃいます。が、教科指導力や生徒指導力が不足している先生が増えているのも事実です。近隣の学校では、先生が授業中に泣き出してしまうというケースや、先生だけでは指導出来ずに保護者が毎日授業を巡回しているケース、挙げ句の果てには、その学校の卒業式にボランティアを要請している、なんていうケースまであります。■学校が毅然とした態度で生徒に対峙出来なくなっている、というのが主な問題のようです。
C:素行の悪い生徒に対し、すぐに警察に頼ることが多くなった気がします。去年、先生の胸ぐらを掴んで暴れたということで警察が介入し、その生徒が結局鑑別所に行くということがありました。以前から問題はあった子でしたが、塾では素直に言うことを聞いていたので個人的には納得がいきませんでした。
最近ネットでは「ゆとり世代」の驚くような事例が数多く書き込まれていますが、実際に講師のみなさんが体験したエピソードはありますか?
【事例】(ここでは、4人の方から頂いたモノをまとめました)
・「阪神淡路大震災」を「阪神あわび大震災」な、なんだか「クイズ!ヘキサゴン」を観ているような気分になってきました…。ただ、Bさんがご指摘下さったように「昔も今も、そういうことはあったと思います。今は情報が手に入りやすいので目立つだけ」というのも一理あるでしょう。では、逆に「ゆとり教育世代」になって「良くなった」と思う側面はあるでしょうか。実際「学力は上昇した」という成果発表もあるようです。
・Guitarを「グラタン」と発音
・ミジンコを見て「鳥」
・問「京都の伝統工芸品を答えなさい」 → 答「大仏」(正解:西陣織)
・問「徳川吉宗の別名を答えなさい」 → 「暴れん坊将軍」(正解:米将軍)
・問「日本に鉄砲をもたらした国は?」 → 「ポランダ」(周りの生徒が「サッカー強そうじゃね?」)
・「シンガポールって、オーストラリアのどのへんでしたっけ?」(高2女子)
・「スカンジナビア」 → 「イガンジスナ」
・植物の「気孔」を見て「くちびる」
・聖徳太子は推古天皇の「めかけ」(あるいは「妻」)
A:やはり時間の使い方が上手い生徒は、学力が上昇していますね。逆に、時間の使い方が分からない生徒が著しく学力を落としています。
B:ゆとり教育の事もあり、教育について考える親が増え、塾に通わせる親も増えたと思います。
C:学力的には、良くなった側面は「ない」と思います。
D:ないですね。
ここでは意見が2つに分かれました。が、学力を伸ばせる環境にある生徒と、伸ばせる環境にない生徒の間の「格差」が、個人的には広がりつつあるような印象を持ちました。
■ずばり、「ゆとり教育」は失敗だと思いますか?
A:ゆとり自体は失敗ではないと思います。失敗したのは、ゆとり教育がしっかり保護者の方々に認識されず、本来の意義からずれてしまっただけだと思います。学校の結局休みの日には部活ばっかりですしね。ここでも意見が分かれましたが、「ゆとり教育」についてのコンセンサスが、生徒と学校、保護者の間でしっかり取れないまま実施されたのが大きな問題であるように思います。
B:失敗かどうかはわかりませんが、全員が塾などに通えるわけではないので、通えない子供はゆとりの分だけ学習時間が減ったのは事実です。なので、学力の差は大きいですね。
C:分かりません。
D:失敗だと思います。
■では最後に、生徒、保護者、学校に望むことを教えて下さい。
A:保護者と学校の力関係がおかしいです。確かに理不尽な先生もいますが、あくまでも「先生」です。そういう対応ができないから、家で子供と先生のことをあだ名で呼んだり、呼び捨てで呼んだりしているから、学校の権威が下がるのだと思います。学校の力が弱くなったのは、全てとは言えませんが、やはり家庭の原因が大きいのではないでしょうか。大人が、大人としての最低限のルールを守ること。例えば「先生には先生と呼びなさい」「理由は要らない、駄目なものはダメ」と当たり前の接し方を、生徒たち、子供たちとすることが大切ではないでしょうか。
B:学力に関しては特に思うことはないです。ただ、モラルだけはしっかりと教えて欲しい、守って欲しいですね。例えば、無断欠勤を繰り返し、それを子供や保護者に言っても改善されない。挨拶などは、生徒からされると「嬉しい」と感じてしまう今日この頃です。学校や家庭では、そういうことを教えていないのでしょうか。
C:学校に望むことはありません。
D:学校には一切ない。期待していません。
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確りした考えの若者もいるのだけど・・・・
塾になんか行かない自然児が優秀だったりして
中々わからないものもある。
『ハワイを常夏の島』じゃなくて『ココナッツの島』と言ってても
点数をあげても良いのではないかと天邪鬼は思う!!
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不安が一杯だね!!
どうなってしまうのかな???