
私が大学に合格した春、目と鼻の先にある駅に商業ビルを建て、そのキーテナントに天下のイトーヨーカドーを誘致するという開発話が持ち上がった。人口3万人程度の田舎町に、日本一のスーパーがやってくる!地元住民は両手を挙げて歓迎した(^O^)/
この背景には、これまで家業である「スーパーやまと」が地域の顧客を独占し、他企業の出店を阻止してきたことへの反発がある。市長や議員を丸め込めば、競合店の出店を阻止することが出来た時代。いわゆる地域経済を保護する「大店舗法」の悪用である。
今では法律も「大店舗立地法」に変わり、環境への配慮や地域貢献を盛り込むことによって、どんな企業でも外資でも自由に店を出せるようになった。皆さんの地域にバンバン大型店が出来るのも、この法改正が原因であり、おそらく米国様から「市場を開け!」というプレッシャーがあったからである。
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「さあ困った💦」
今まで競争がないことを理由に「殿様商売」をしてきた私の先代社長はなす術がない💧得意技は「安売り」のみであり、ヨーカドーの開店依頼、売上げは半減していった。
「なんとかしなければ潰れてしまう💦」
ノウハウも対抗策もなかった先代は、思案した上で一つのアイデアを思いつく…💡✨
「こういうときは気持ちが大切だ!気合いを入れればヨーカドーに勝てる!」
彼は知り合いに頼んで「スーパーやまと」の新しい「ロゴ」を作った。そこにはやまとの『Y』の先にくちばしを尖らせた鳥(スズメ)がとまっている。
先代「ヨーカドーのシンボルマークは鳩(ハト)だ!ウチはそのハトをチュンチュン突いてやっつける雀(スズメ)になる。これで勝てる!」
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勝てるわけないのだ…💧
先代(叔父)は、サッカーの名門韮崎高校の全国優勝メンバーであり、これまでなんでも「気合い」で乗り越えてきた。商売も気合いでやってきた (笑)。競争相手が居なければ、誰がやっても上手くいった時代である。
その後、気合いは空回りし、家業のスーパーは倒産寸前まで追い込まれ、自分も学校を辞める覚悟をした🙏🏻
しばらく「閑古鳥」ばかり留まっていたが、お客さんはスーパーやまとに同情して「可哀想だから買ってやれ!」と判官びいきで来店してくれるようになる💧その結果潰れたのは隣町の中規模スーパーで、最終的にウチのスーパーはギリギリ生き残ることが出来ちゃったのである(^^;
先代「なっ、やっぱり最後は『気合い』だろ!見たか、俺の実力を!」
跡取りの私の苦労は、それからず〜っと続くのであったm(_ _)m💧(終わり)
P.S その社長はまた安売りを続けて大赤字を作り、私に追い出されることになる。そして3代目の私は「やまと」の名にちなんで見事に『沈没』💦シャレてる場合ではない(^^;
