② 取引先はどうなるのか?
③ 地域はどんな反応をするのか?
最終回は『③の地域や世間様の反応について』
細かく言えば「地域」と「世間」では反応が異なる。
「世間」とは、ぼんやりした一般論で語ることが多く、攻撃的な反応も珍しくない。倒産経営者やその家族はこの洗礼を受ける。そこには「誰一人取り残さない」「差別を無くそう」のSDGsの理念は無い。
✔︎社員を路頭に迷わせやがって!
✔︎取引先に一生かけて償え!
✔︎死んで詫びろ!(死んだら「死んでお詫びができるか!」と言われる💦)
※ 債権者じゃない人ばかりなのでスルー
幸い私の場合はSNSでの攻撃も少なかったし、逃げ隠れもしなかったため精神的に追い詰められることもなく、同じ市内の妻の実家で暮らしている。電話やメールアドレスもそのままだし、怖い思いをしたことはない。
ただ悔しい思いは数え切れない。「味方」ではなく「味方ヅラ」だった人がよく分かる。その一方で手を差し伸べてくれる人は、身近にいた人ばかりとは限らない。
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社長個人への非難は当然としても「地域」の会社に対する反応は全く違ってくる。
長年地域で商売させてもらった恩義と同じく、顧客から各店舗に対しての感情がある。
✔︎子供の頃から親しんだ店、思い出が詰まっている
✔︎前のスーパーが閉店した後を引き継いでくれた
✔︎お金が無い時、安い弁当に助けられた
✔︎こんなに地域のために頑張った店を潰すなんて行政の責任だ!
特段のノウハウや接客、立派な店構えでもなかった弊社に対して、お客さんは怒りより同情や寂しさを感じたのだと思う。これは毎日利用するスーパーだからこその反応かも知れない。きっと土建屋さんならこうはいかない💦
その後も、従業員の再就職に協力してくれたり、破産費用のカンパまでしてくれた。私が本を出した時、潰れた店先に集まった人たちの数がそれを証明してくれた。
倒産後は弊社のドル箱店舗の争奪戦が始まった!
何の権限もない私に電話して「なんとか◯◯店を譲って欲しい」と頼んでも「裁判所に言ってください」と答えるだけ。私個人の携帯には、こんなハイエナ達からの連絡ばかりだった。今では店の跡地はドラッグストアや社屋に様変わりし、その売却金も債権者に支払われた。
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倒産してそろそら5年も経つのに、まだ地元では復活の声がある。店の跡地を見るのはまだ辛いものだが、いつまでも思い出に浸るわけにもいかない。地域の思いも、弊社の歴史も、そのうち消えて無くなる。苦楽を共にした「戦友(従業員)」もそれぞれの人生を歩んでいく。
まさに諸行無常🙏🏻
皆さんがもし同じ目に遭っても、必要以上に恐れることはない。それまでの地域への貢献や顧客との信頼で最悪時の反応が決まる。世の中は仏ばかりではないが、鬼ばかりでもない。
『世間は精一杯やったヤツを絶対に見捨てない!』ミナミの帝王、萬田銀次郎
皆さんもそうであるように(^_−)−☆
◉ 破産処理に1年半、コ◯ナ騒動が3年超、無我夢中で身動きが取れないまま「令和」になり、東京オリンピックや北京五輪オリンピックも記憶がない 笑。本を2冊書いて、人前で話して早4年…。そろそろ何か始めなきゃな、就職先もないだろうから💦

