カナダ1945年銘5セントです。カタログで見たところ戦勝記念とありました。ローマ数字の5を表す「V」とVictoryの「V」をかけています。
 
眺めていたら、「V」のある面が不規則な馬の歯に見えました。ジョージ6世側は馬の歯状になっています。
 
よく見てみると…モールス符号になっていました。アマチュア無線でモールス信号による通信も楽しんでいる私。さっそく解読してみました。
 
このモールス符号によるメッセージは「V」面下部「CENTS」と入っている「N」の左下から始まっています。


モールス符号を書き出してみます。
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解読すると、We win when we work willingly となります。
訳は?
我々は喜んで取り組むとき勝つ。
戦時下におけるスローガン、モットーのようですね。
 
なんて直訳していたら、泰星コインさんのHPに戦勝70年の記念コインが載っていました。
意訳は次のとおり…「積極的に取り組めば我々が勝つ」
 
1943年からコインへ刻まれたようです。そして1945年の「V」にもつながっているということが分かりました。
 
日本にも試作陶貨に「必勝」と露骨に入っているものがあります。同じコインへメッセージを入れていながら、土のコインへ「必勝」と入っているところに悲壮感を感じ、金属コインへ願いを込めながら「控えめに、でも忘れないぞ」的なメッセージに希望と自信を感じます。結果を知っているからか。
 
カナダ国民は全員モールス符号を理解できたのでしょうか。